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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第7章 激闘の後で···

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7-19.待ち時間に観光しよう!

「ちょっと材料探すのに時間かかるから、また明日の朝に来てくれないかな?」


「え?明日ですか?」


「そうそう。見ての通りぼくは整理整頓が苦手(・・・・・・・)でね〜。探すのにちょっと時間がかかるんだよ」


「は、はぁ···。え?明日までに探し出せるんです?」


「うん。明日のこの時間に来てくれれば用意しておくよ」


「わ、わかりました。それじゃあお願いしますね」



 あんまりおおきな声では言えないんだけど、リリスさんの家ってゴミ屋敷だったんだよね···。そして材料はこのゴミの山にあると···。


 とても1日で探し出せるような雰囲気じゃないんだけどなぁ〜。手伝うってレベルの話でもなさそうだし、見た目がゴミの山でも貴重品があるかもしれないから、お任せする事にしたんだ。



 ボクたちはリリスさんの家を離れてから、今日はどうするか?の相談をしたんだ。



「予想通り時間がかかりそうだし、これからどこか見て回る?」


「だったらライ!この前言っていた空中庭園って場所に行ってみたいわ!」


「いいね!じゃあテオ、お願いできる?」


「いいぜ〜!」



 ということで、空中庭園にやってきたんだ。


 ここは前回浮遊大陸に来た時にテオに連れてきてもらった場所だ。前回来た時と同様に色とりどりの花が咲き乱れていたよ。



「うわぁ~!きれいね〜!」


「そうだね~アス。前回来た時もものすごくきれいだったけどね。テオ?ここって誰か手入れしてる人がいるの?」


「いるはずだぞ。今は誰がやってるかはわかんねえけどな」


「そうなんだ。でも、ここまできれいにしてるってのは、何か理由があるのかな?」


「簡単だ。ここは昔の人たちのお墓だからさ」


「えっ!?」


「本来は純粋な庭園だったんだけどな。お墓にできる場所が限られてきたから、誰も参らなくなった人たちはこの庭園の中央にある石碑に入るんだ。だから、ここの庭園は常にきれいな花を咲いてるようにしてるってわけさ」


「そうだったんだね···」


「でも、ここは庭園の名の通り、憩いの場でもあるんだ。このあたりは地上とは考え方が違うと思うぞ」


「そうだね···」


「おっ!?雲が少し晴れてるな!アス!あそこの展望台から地上が見えると思うぞ」


「見てみたいわね!行きましょう!」



 常に嵐をまとって姿を隠している浮遊大陸だけど、たまに雲の切れ間ができて地上を見ることができるって以前テオが言っていたね。


 展望台から見下ろすと、地上が見えたんだ。ただ···、一面青色の景色だったんだ。



「あ〜、どうやら海に出てたな。残念だったなぁ〜」


「いいえ、テオ。この高さから海を見るってのも今まで経験したことのない景色よ。いいものを見せてもらっちゃったわね」


「そうか?まぁ、浮遊大陸は飛んでる場所にもよるけど、いつでも来れるからな」


「ええ!ありがとう、テオ!」



 このあと、のんびりと空中庭園を散歩したんだ。ベンチもあったので、軽く休憩したりしてのんびりしたひとときを過ごしたんだ。



 お昼は別の町の食堂で食べる事にした。今日はタースさんは昼の営業はしないと言ってたからね。テオに適当に飛んでもらったんだ。


 そしてたどり着いた町は、農業が盛んな町だった。一面田畑が広がっており、酪農もやってるようで放牧されている動物たちもいたんだ。



「これは空から見るとすごいね!一面が金色に光ってるように見えるよ!」


「そうね〜!あれは麦かしらね?」


「そうかもね。テオ、とりあえず降りれそうなところに降りよう!」


「おう!あそこの広場がいいな!」



 そうしてボクたちは降り立った。近くの人たちが何事?と思ってジロジロ見られちゃったけど、それはすぐに収まったよ。そして1人のおばさんが近づいてきた。



「見慣れない子だね?なんの用だい?」


「こんにちは。ボクはライ。こちらは妻のアス、そして相棒のテオです。おなか空いたので昼食をと思って町を探してたんです。どこかおいしいお店ってありますか?」


「見ての通りここはいろんな農家が集まった町さ。残念だけど飲食店は夕方からがほとんどだよ」


「そうですか···」


「ただ、1軒だけやってるよ。そこでいいなら案内するよ。ついといで」


「ありがとうございます!」



 ということでおばさんの後についていくと、1軒の家がポツンとあったよ。



「ここだね。ここの周辺の畑の連中が食べるだけの食堂さ」


「ありがとうございます!助かりました〜!」


「ははは!まぁ、ゆっくりしといで」



 ボクたちはその食堂に入った。



「ん?見かけない顔だな?町の人じゃないだろ?」


「はい。たまたま通りがかったんです」


「そうかい。うちは定食しかやってねえし種類は3つしかないぞ」


「構いませんよ!」


「そうかい。決まったらオーダーしてくれ」


「はい!」



 ということで、ボクたちは空いてる席に座った。メニューは壁にかかってる木札3枚だけだった。


・アンポンタン鳥の胸肉の鉄板焼定食

・ギガントトードのからあげ定食

・手が付けられない暴れ牛のステーキ丼



「え〜っと···、聞いたことない生き物の名前だね」


「そうね···。どれがいいのかしら?」


「全部1人前頼んだらいいんじゃね?」


「テオの言う通りかな···?じゃあそれでアスもいいかな?」


「いいわよ。どんな料理かしらね〜?」


「すいませ〜ん!定食3種類1人前ずつで!」


「あいよ!」



 そうして10分弱で定食が出てきたけど···、デカい!!



「これは···、食べきれるかなぁ〜?」


「私はムリだわ···」


「だったらオレが全部食べるから、ムリすんなよ」



 どうも農家の人向けだから、重労働に耐えれるように全部特盛りみたいなんだよね···。でも、中には酒盛りしてる人たちもいたよ。今日のお仕事が終わったんだろうね。



「うん!おいし〜!」


「量がすごいけどおいしいわ!」


「これ、いいぞー!ここにして正解だったぜ!」



 3種類の定食のおかずをみんなで分け合っていただいたんだ。どれもすごくおいしかったよ!


 すると、酒盛りしてた人たちが声をかけてきた。



「見ねえ顔だな?わざわざこんなとこまで来たのか?」


「こんにちは。おなかが空いたので立ち寄ったんですよ。ここの料理はおいしいですね〜!」


「そりゃそうだ!ここの町で採れたてだからな!なんでも採れたてが1番に決まってるだろ?」


「そうですね!でも···、うちの村で似たようにやっててもここまではおいしくないですよ?」


「はっはっは!そうだろうな。ここは肥料の研究が盛んでな。さらには品種改良もして病気にかかりにくい元気な作物にもなったんだよ」



 そうか···。これ、マイカ村で使えないかな?やっぱり作るならおいしい作物の方がいいもんね!よし、交渉してみよう!



「へぇ~!すごいですね!あの···、その肥料と種を売っていただく事ってできますか?」


「売ってほしい?家で作るのか?」


「いえ、ボクたちは地上から来たんですよ。地上で使ってみたいんです」


「ち、地上だって!?」


「はい。ドラゴン族と神狼族の地上復帰を支援してるんです。その村で使いたいんです」


「ふ〜む···。それはオレっちでは判断できんな。町長に確認したほうがいいぞ?」


「え?町長さん···?」


「ああ。あそこで泥酔してるおっさんだよ」



 ···てっきり役所で交渉かと思ってたら、こんな近くに町長さんがいるなんて思いもしなかったよ。

 お墓にもよるのですが、墓仕舞いした墓石を1箇所に集めて祀ってるところもありますね。

 お墓というのは故人を偲び、思い出すものでもあります。アニメにもなった某小説でもあるのですが、お墓を参って故人を思い出す人がいる限り、その人の『存在』は生きているという考え方が好きですね。逆に誰からも思われなくなって忘れ去られた時が『存在としての死』であるんですね。

 となると歴史上の有名人は『存在が生きてる』ということになりますね。エーレタニアでもリオくんのお墓が浮遊大陸にはありますし、歴史上の英雄でもあるので『存在は生きている』ということにもなります。


 さて次回予告ですが、ライくんは浮遊大陸の農場を見て、この豊かな農場をマイカ村に作れないかな?と考えて相談します。はたしていい結果が得られるでしょうか?


 それではお楽しみに〜!

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