7-11.魔力の残滓の追跡
本日は商船三井さんふらわあ様の『さんふらわあぱーる』に大分港から乗船しており、伊予灘沖の海上から投稿しておりますよ~!
昨日のクルーズ乗船からさんふらわあごーるど乗船までは別府八湯温泉道スタンプラリーをレンタカー借りてやってきまして、12か所まわりました。これで通算49か所めぐり、6段昇格確定しました~!
温泉名人まであと39か所!まだまだ道のりは遠いなぁ~。
ボードでAランク冒険者のエールさんたちと再会して情報交換したら、スラム街の人たちが行方不明になってるというウワサを聞いたんだ。
怪しいと感じたボクはテオと一緒に北の山の遺跡へ向かったんだ。もちろん、何があっても対応できるように、ボクは『なりきり!伝説の神狼族セット』は着用済みだ。
そして、北の山にやって来た。前回ならこのあたりで絡まれたんだけど、1人も見当たらなかった···。
遺跡を利用してここに住んでいたはずなんだけど···、誰もいないんだ。
暴れた形跡も見当たらなかった。つい最近まで生活していた跡はあったんだよ。人だけがいなくなってたんだ···。
「テオ···、これって···」
「ああ、間違いなさそうだな。魔獣同化能力者たちのしわざだな。何かの魔法か言葉巧みに連れ出して、そのまま連れ去ったが正しいだろうな。抵抗した跡もねえしここで食った跡もねえしな」
「そうだね···。足跡とかがあれば追跡できるんだけど···」
「いつ連れ去られたかもわからねえから、無理だろうな···。ただ···」
「ただ···?」
「魔力の残滓は追えるかもしれない」
「魔力の···、残滓?」
「ああ。魔法を教える時に言っただろ?強力な魔力を行使したら黒魔力が発生するって」
「うん」
「これだけの人数を一気に連れ去ろうとするなら、転移魔法を使った可能性がある。だったら、魔法を使ったって跡が残ってるかもしれねえんだよ」
「それって、逆にボクたちも追われる可能性があるってことじゃない?」
「まあな。ただ、これはかなり高度で精密な魔力操作と魔力感知能力がねえとできねえんだよ」
「じゃあ、コルメはできるのかなぁ?」
「あ〜、たぶんムリだと思うぞ?コルメって結構大雑把な魔力の使い方をしてるからなぁ〜」
「そうなんだね。テオはできるの?」
「一応はな。かなり消耗しちまうが、やってみる価値はあると思うぞ?」
「それって大丈夫?」
「やってみないとわからんが···、まぁ、信じてろって!」
「わかった!よろしくね」
「おうっ!さてと···、そんじゃあ始めるか!」
テオが集中し始めた。ボクも静かに見守るよ。
「············」
「············」
5分経った。テオはまだ集中している。かなり大変なようで、額には汗をたっぷりかいていた。
「···ふぅ~」
「どう?何かわかった?」
「ああ···。だけど、ちょっと休ませてくれ」
「わかった。お茶を用意するね」
「助かるぜ···。ありがとな!」
無限収納カバンからコップとお茶を取り出して、テオに飲んでもらった。
「ふぅ~。おおよそ1週間前ぐらいだな。ここで大規模な魔法が使われてる」
「やっぱり···」
「ただ···、転移魔法じゃないみたいだな」
「え?」
「召喚魔法だな···」
「召喚魔法?」
「簡単に言えば魔獣を別の場所から呼び寄せるって魔法だ。転移魔法は自らが移動するのに対して、召喚魔法は逆に呼び寄せるってものだな」
「ということは?」
「おそらくだが···、大人数を一気に連れていける魔獣を呼び出したんだろうな」
「それじゃあ···」
「いや、追跡はできそうだ。だが···、おそらくヤツらの本拠地に乗り込む可能性が高いぞ」
「そう···。じゃあ、みんなで行こうか!」
「そうだな···。こっちも準備したほうがよさそうだ。ライ!スマホの地図アプリを出してくれ」
「うん!···これでいい?」
「ああ。方角からして···、だいたいこのあたりだな」
「このあたり···。まだ行ったことのない場所だね」
地図アプリでテオが指し示したのは···、ここボードから西に行った森だったよ。まさかこんな場所にいたんだな···。
「とりあえず、マイカに戻ろうか?みんなと打ち合わせしたいし」
「そうだな···。悪いな、ライ」
「え?どういう事?」
「新婚旅行を中断してしまうだろ?」
「あ〜、別に気にしなくていいよ。平和になってからまた行けばいいんだからね」
「そうか···。じゃ、アスを連れて戻るか!」
「うん!」
ボクたちは潮騒亭に戻って、エールさんたちに状況を説明しておいたよ。次は町の住民に被害が出るかもしれないからね。
「ありがとう。だが···、オレらで対処できるか不安だな···」
「確かに···。ボクの村に一時避難してもらってもいいんですけど···」
「さすがにそれはムリだろう?持ちうる手札でやり過ごすしかないだろうな···」
「早めにケリをつけますから。情報、ありがとうございました」
「いや、こっちこそ感謝するよ。気を付けてな!」
「はい!」
こうしてボクとアスの新婚旅行はいったん終了となった。続きは平和になってからだね!
そして転移魔法でボクたちはマイカ村に戻ってきたんだ。
「おっ?ライ?もう帰ってきたのか?」
「サム!みんなは?」
「ウインはあのパン屋のガキのところでパンを試食しまくってるぞ。トルムとコルメは村の建設の手伝いだな。どうしたんだよ?」
「···総帥たちのアジトがわかったかもしれない」
「マジかよ!?」
「うん。ボードって町でスラム街の人たちが消えちゃって、テオが探索したらレクトの西の森って···」
「そういう事か···。じゃあ、カチコミに行くんだな?」
「うん!だから招集だ!」
「わかったぜ!そんじゃあ、呼んでくるわ!」
サムがそのまま外に出ていった。そしてすぐにみんなを連れて戻ってきたよ。
「(ハムハム)···なるほろ」
「おい、ウイン!パンを食べながら話すな!」
「いよいよ最終決戦ってところでしょうかね?」
「腕が鳴るわぁ〜!周囲に人は居ない場所だから、本気でやれるわね!」
「そうだね。···サム、ウイン、トルム、コルメ。厳しい戦いになりそうだけど、お願いできる?」
「おう!任せとけ!」
「(ハムハム)···ん」
「ええ!思いっきりやりましょう!」
「あたしもよ!終わりにさせてやるわ!」
「ありがとう!じゃあ、明日出発で行きます!」
こうしてボクたちSランク6人全員で立ち向かうことにしたんだ。
さあ、これで倒しきれればいいんだけど···。
やはり魔獣同化能力者たちのしわざだったようですね。
いったん新婚旅行は中断です。旅行はいつでもできますからね。とにかく脅威の排除が最優先です。
テオくんによって魔獣同化能力者がいる場所はある程度特定できました。さすがにライくんとテオくんだけで乗り込むことはせずに、Sランクメンバー全員出撃で対応することにしますよ~。
さて次回予告ですが、ベスティアリッター側のお話です。レクト崩壊から彼らはいったいどうしていたのかが明らかになります。
さらに!ベスティアリッター6人の名前が公開しますよ~!
それではお楽しみに~!




