7-10.ボードの町でのウワサ
本日は商船三井さんふらわあ様の『昼の瀬戸内海カジュアルクルーズ』で『さんふらわあくれない』に乗船しております!
ただいま伊予灘沖の海上からの投稿です。本来は予定してなかったのですが、7月のクルーズの出発日にコロナに感染して(リアルに)泣く泣くキャンセルしてしまい、今回はたまたま空室が出たので乗りました!
いい天気に恵まれてすばらしい瀬戸内の多島美を見つつ執筆いたしましたよ~。
バイキングもおいしくいただきましたが、年々食べる量が減ってしまってバイキングの元がとれなくなってきました···。
「ふわぁ〜···。アス、おはよう」
「ん〜···。ライ、おはよう」
昨日からボードの町にある、釣りのできる宿である潮騒亭で泊まってるんだ。
昨日は結局釣れなかったので、通常の魚介の網焼きが夕食になったよ。
たくさんの魚介類をいただきました。刺身もたくさんいただいたんだよ〜。アスは初めてだったようで、『これ!すごくおいしい〜!』って喜んでくれたんだ。ここに来て良かったよ〜!
さて、今日ものんびりだ〜!ここ最近忙しかったからね。のんびりする間がなかったので、連泊してるんだ。
「···はぁ~」
「···ふふっ!」
「ん?どうしたの、アス?」
「いいえ、なんでもないわ。というか、ライがここまで気が抜けているのって初めて見たわね〜」
「え〜?そう〜?」
「そうよ。いつもはキリッとして忙しく動いてるし、戦闘になれば真っ先に立ち向かってるじゃない」
「あ〜、確かにね〜」
「だから、こうして気が抜けたライって、初めて見たのよ。ちょっと新鮮ね〜!」
そうなのかな?ボクとしては休む時はちゃんと休んでるけどなぁ〜。
あっ、そうか!休む時ってボク1人かテオが一緒の時だけだったね。だからアスは見てなかったんだなぁ〜。
でも···、こうしてのんびりするのって、本当に久しぶりだなぁ〜!前回はいつだったっけ?たぶんSランクのあの部屋で寝泊まりしてた時以来かな?
ギルドが乗っ取られて以降はドタバタしてたもんなぁ〜。テオの魂の器を治療を終えたらレクト奪還に向けて準備を進めたしね。こうして安心してのんびりは本当に久しぶりだなぁ〜。
あとは···、ベスティアリッターっていう連中と前総帥、それとあの男、そして···、悪神ボイド。
ほかにも魔獣同化能力者がいるだろうけど、数は多くない。情報があれば退治するだけ···?
ピコッ!!
「イテッ!」
考え事をしていたら、アスにデコピンを食らってしまったよ···。
「ちょっと?何すんのさ?」
「もう〜!また何か考えてたでしょ?どうせ魔獣同化能力者の事でしょ?」
「えっ!?な、なんで気づいたの!?」
「顔が腑抜けた顔からキリッとした顔になったから。もう〜、せっかくのんびりできる時にそんな事は考えないの!」
「え···?あ〜、ごめんね」
「私に謝られても困るわよ。ほら!もっとのんびりしなさい!」
「はい!もっとのんびりしま〜す!」
「ふふっ!わかればよろしい!それじゃあ釣りしましょ!今日こそは一品増やすわよ〜!」
「うん!」
そうだね!今はのんびりしよう!後のことはその時に考える!事前準備できないのならなおさらだね。
この日は午前中に4匹釣れた。お昼ご飯を軽くいただいて、ちょっと昼寝をしてから夕方までまた釣りをして5匹釣れたよ!
テオの分も考えると、1人3匹だね。
一方のテオものんびり過ごしていたよ。
「はぁ~···。こんなになんにもしないのって久しぶりだなぁ〜」
テオも忙しかったからね。主にボクのせいだと思うんだけど···。こればかりは本当にごめんね!
そして夕食になり、今日もたくさんの魚介類の網焼きと刺身をいただきました!今日は釣った魚も追加されてるので、量が多かったよ〜!
焼き魚にしたほうがおいしい魚は焼き魚に、煮魚にしたほうがいい魚は煮魚にしてもらったんだ。どれも最高だったよ!
さて、食べ終わって部屋に戻ろうとしたら···、
「おっ!?ライくん!」
「へ?エールさん!?」
宿から夕食会場に行こうとしていた人たちはエールさんたちだった!この町を拠点にしているAランク冒険者さんたちだね!
初めて会ったのもこの宿だったなぁ〜。懐かしいよ。
「本当に久しぶりだね。いろいろウワサは聞いてるよ。雷帝くん」
「あ〜、それ恥ずかしいのでやめてほしいんですけどね」
「ははは!ところで今日はどうしたんだい?Sランクに来てもらうような状況にはなってないけど?」
「仕事じゃないんですよ。ボク、結婚しまして、今は新婚旅行中なんですよ」
「え!?そうなのかい!?それはおめでたいね〜」
「ありがとうございます。こちらが妻のアスです。アス、こちらはエールさん、シモンさん、ラスさんだよ。この町を拠点にしているAランク冒険者さんなんだよ」
「そうなのね?初めまして、アスと申します」
「これはご丁寧に。となると、こうしてオレたちが邪魔するのも悪いな。また明日にでも情報交換するとしようか」
「あ〜、気を遣わせてすいません」
「気にするな。それじゃあな!」
そう言ってエールさんたちは夕食会場へ向かっていったんだ。
そしてボクたちも部屋に戻っていろんな話をしながらのんびり過ごしたんだ。
翌日···。
ボクたちが食堂へ行くと、エールさんたちが朝食を食べていたよ。
「おはよう。ゆっくりできたかい?」
「おはようございます、エールさん。連泊だったのでのんびりできましたよ」
「そうか。それじゃあ朝食後に情報交換してもらえるかな?」
「ええ、いいですよ」
ボクたちが朝食を終えると、追加で飲み物を注文してから情報交換をしたんだ。
主にボクからだね。レクトが魔獣同化能力者たちによって滅ぼされてしまった事、レクトを奪還したけど廃墟になってしまった事、そしてギルド中央本部がダイナモに移転した事だ。
「そうか···。レクトがおかしいというウワサは聞いていたが···」
「すいません···。ボクたちがもっとしっかりしてれば···」
「いや、相手が上手だっただけさ。そもそもライくんたちSランク冒険者を最初に手玉に取った時点で異常だよ」
「そうですね···」
「しかし、魔獣同化能力者か···。魔獣被害はここ最近ほとんどなくなってるんだが、そう言われるとこの町にも疑わしいのがいるかもな」
「えっ!?そうなんですか!?」
「ああ。ウワサではあるがなんでも最近、北の山にあるスラム街で行方不明になる人が増えてるそうだよ」
「それは···、おそらく可能性は高いかと」
「ギルドとしては依頼主がいないので正式な依頼としての活動ができてないんだ。だが、ライくんの話から察するに、そいつらが犯人の可能性が高いな」
「では、ボクたちで調査しますよ」
「大丈夫かい?そもそも新婚旅行中だろ?」
「ボクとテオで行きます。アス?悪いけど、ここで待っててくれる?」
「···わかったわ。気をつけて」
「ごめんね···。さすがに戦闘になる場所へ連れては行けないから···」
「わかってるわよ。ムリしないでね」
「うん!」
「ライくん、アスさんはオレたちが護衛としてこの宿で待機しておくよ。心配しなくていいからね」
「ありがとうございます、エールさん」
思わぬところで情報があったよ。もしかすると、連中のしっぽを捕らえられるかもしれないよ。
第3章でも書きましたが、ここの宿は魚介類がおいしい!と評判の宿なので、みんな満足してましたね~!
作者も今日は船内バイキングで主に刺身メインで取りまくりました!大分名物である刺身をしょうゆダシに漬けた『りゅうきゅう』がお気に入りなんですよ~。
実はこの魚介類を楽しむシーンはこの船のバイキングでの刺身やりゅうきゅうを思い浮かべてよだれたらしそうになりながら書きました!年取ると肉よりも刺身が食べたくなってきちゃうんですよ(笑)。
そしてボードの町のA級冒険者のエールさん一行とばったり会いました!しかし、得られた情報は不穏なものですね···。
さて次回予告ですが、アスちゃんをエールさんにお願いして、ライくんとテオくんは行方不明者が発生しているスラムへ向かいます。すると、確かに人がいなくなっていました。いきなり人がいなくなったのは何かあると感じたテオくんは、何か魔法が使われていないか?を探りますよ~。
明日は別府湾~豊後水道付近の海上からの投稿になります。電波が弱いので投稿時間がずれる可能性があります。どうぞご了承ください。




