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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第7章 激闘の後で···

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7-1.ドラゴン族、新たな集落の選定に出発する!

 本日より第7章全22話が始まります!

 レクトの国を魔獣同化能力者たちから奪還して半年が経った···。


 レクトの国自体が戦闘でほとんど廃墟となってしまった。もう誰一人いないし、ちょっと再建には厳しい状況だ。


 レクト奪還後すぐに周囲の町も確認したんだけど、ほとんど人が残っていなかった。やっぱり食べられてしまったみたいだよ···。


 ボクたちが様子を見に行って話を聞いてみたんだ。



「最初は人さらいだと思ってたんだ。そしたら、さらわれる人がどんどん多くなっていったんだよ···。みんな怖がってね···。冒険者ギルドに依頼したら、レクトから冒険者さんたちがやって来てくれた時はホッと安心したんだよ。ところが、次の日になったら冒険者たちがいなくなり、さらに多くの人たちがいなくなってしまったんだよ···。もうなにがなんだか···。わけがわからんよ」



 ···この人たちには悪いんだけど、魔獣同化能力者の冒険者たちのしわざだってのは伝えないようにしたよ。変に誤解される可能性が高いからね。


 そして、残っていた人たちは全員マイカ村に避難してもらうことにしたんだ。3つの町から600人という大所帯になっちゃったけどね。


 でも、これでも元の人口の2割ぐらいだそうだよ···。ということは、2400人も食べられちゃったって事か···。多大な犠牲者がでてしまったな···。


 さすがに8割も人が減っちゃったら、町を維持できなくなってしまうから、ボクが避難を提案したら、みんな喜んでくれたんだ。いつ魔獣に襲われるかが心配だったらしいからね。


 3つの町はボクも魔獣から守ったりして、みんな知ってくれていたから、信用してくれたよ。


 そんな中、ニードルの町では懐かしい子から声がかけられたよ。



「ライさん!」


「えっ?え〜っと···、アルくん···、だったっけ?」


「はい!ぼく、冒険者になったんです!」


「えっ!?そうなの!?」


「そうなんです!先日10歳になったので、登録したんです。一番下のFランクですけどね···」


「そう···。でも、よく無事だったね」


「ちょうど薬草採取で町の外に出てたんです。と言ってもすぐ近くなんですけどね。うちはなんとか親も無事だったんですけど···」


「それはよかったね。うちの村では冒険者ギルドがないから、ランク査定ができないんだよ。ごめんね」


「別にいいですよ。···生きてるだけでもありがたいですし」


「もしアルくんがよかったら、ボクの空き時間で稽古つけてあげようか?」


「いいんですか!?ありがとうございます!」



 ははは!せっかくボクの村に来てもらうんだから、これぐらいはね。ちゃんとした実力を身に着けないと、いつ命を落とすかがわからないからね。


 ···そう、この世界ではいつ死んでもおかしくない状況だ。アルくんも、運が良かったとしか言いようがないんだ。



 ボクが転移でマイカ村に戻ると、連れてきた街の人たちはびっくりしていた!いきなり景色が変わっちゃったら、そりゃびっくりするよね?


 そして、建設が一段落した第1期の区画を見てもらった。ここはすでにグランドの町の人たちでいっぱいなので、今回来た人たちは第2期のドラゴン族の人たちの住居を改造した家に住んでもらうことになるんだ。



「おい!?テメェ!!いい加減にしろ!!野良猫や野良犬拾ってくるように連れてくるんじゃねえよ!!まだ家の数が足らねえの、わかってねえのかよ!?あぁ!?」


「ははは···。わかってはいるけど、いつ魔獣に襲われるかわからない状況よりはマシかなぁ〜?と思ってね。みんな、それでもいいって事だったから連れてきちゃったんだよ」


「つくづくテメェはお人好し過ぎんだよ!こっちの事情も考えやがれ!バカヤロー!!」



 ···はい。またマイカちゃんに怒られました···。ちなみにほかのドワーフの人たちは『またやっちまってるな···』ってな目で見られちゃってるんだよ···。ホント、ごめんなさい!


 とりあえず壁がないので、軒下でテント生活をしてもらうことになりました。急いで建設してもらうよう、ドラゴン族の人たちに木をいっぱい切ってもらうようにお願いしたんだ。今度は村の近くの森じゃなくて、外輪山を越えた先からお願いしたんだ。あんまり切りすぎてもいけないからね。


 切った木はボクの無限収納カバンに入れておけば1日で建材にできるからね。


 こうして村はさらに人口が増えました。現時点で人口は2000人。もう普通の村をちょっと超えて町に近くなってきたと思うよ···。でも、ここはあくまで『村』だからね!皆さん一時避難ということで来てもらってるから!ある程度落ち着いたら戻りたい人は戻るんだからね。



 というわけで、村の設備の拡充を急ぐことにしたんだ。建材はなんとか確保できそうだ。れんが作りも始まり、第2期の工場はフル稼働を始めた。


 グランドの町の職人さんたちもドワーフの皆さんと仲良くなり、技術交流も行われたんだ。もしかすると、新技術が誕生するかもしれないね!


 畑作りも一気に加速したよ。グランドの町の人たちの手伝いがやっぱりすごかった!収穫にはまだまだ時間がかかりそうだけどね。食料はドラゴン族の人たちが魔獣狩りで得たお肉が大量にあるので、若干野菜が不足し始めてるけどなんとかなりそうだ。


 そして、フランシス、ニードル、ペルトンの人たちも働いてくれることになった。



「サムさん!」


「ん···?おっ!?無事だったか〜!」


「はい!なんとか···。親も一緒に避難してきたんです···。こ、怖かったです···」


「そっか···。悪いな。こっちも手一杯でな···」


「いいえ···。サムさんも忙しいでしょうから···」



 フランシスで宿を営んでいた一家の娘さんがサムを見つけて話していたよ。なんだかいい雰囲気なようなのでボクはそのままにしておいたんだ。



「よお!」


「···無事でよかった」


「なんとかな···。うちの周辺はみんな居なくなっちまったよ···」



 そうそう、ニードルでパン屋をやっているアレバも無事でマイカ村に避難してもらったんだ。ウインを見つけて話してるよ。



「···しばらくここにいる?」


「まぁな。人がいないんじゃ、パン屋やっても仕方ないしな」


「···ここで焼いて」


「気持ちはわかるが···、パンを焼く窯がねえよ」


「···食材と道具は私と一緒に取りに行ける。···窯はドワーフに頼んでおく」


「そんなにオレのパンが食いたいのかよ?まぁいいけど、窯が違うと火のさじ加減が変わるから、相当練習しないと出せんぞ?」


「···だいじょぶ。···失敗作は全部私のもの」


「そこまでする気かよ!?」



 ははは!ウインは本当にアレバのパンが好きなんだなぁ〜。でも、パン屋さんが村にあるのはいいかもね!アエスさんが対抗してきそうだよ。



 そして、そのドラゴン族の人たちもそろそろ魔獣狩りの『リハビリ』を終えて、集落になりそうな場所を選定に向かうそうだ。


 かつて黒魔力がよく溜まる場所に集落を構えて、湧いてでてくる魔獣を片っ端から倒していっていたドラゴン族。ようやく元の状態に戻るって事なんだね。



 今日はその出発式が行われた。各ドラゴン族の代表10名、7種族いるから70人がこれから出発するんだ。


 あいさつは本家代表として、アルブさんがしたよ。アルブさんは白銀竜の代表として選定箇所を探しに行くそうだ。



「皆のもの!今日は歴史に残る日となった!やむを得ず浮遊大陸に避難してから650年以上経ち、ようやく我らの本来の生活に戻れる場所を、これから探しに出かける!無事、ここに戻って一族の繁栄につながるよう期待する!」



 パチパチパチパチ!



「テオは行かなくていいの?」


「あのな···。オレはライのそばにいるって決めてるんだ!それに、ご先祖様も人族と一緒に暮らしてたんだし、オレはここにいるぞ」


「そう···。それじゃあボクを手伝ってね!」


「おう!力仕事なら任せろ!」



 こうして村は新たな段階に入った。今日はこのあとダイナモの町へ行って、レクトの国とマイカ村の状況を説明しに行く予定だよ。

 レクトの周辺の町は悲惨なことになっていました。どんどんさらわれていってる状況で冒険者ギルドに依頼したら、犯人が冒険者たちだったとはまったく思っておらず、状況がどんどん悪化していったんですね。警察呼んだのに来たのは誘拐犯だった!なんて目も当てられない状況が続いていました。


 町を維持するには一定以上の人が必要です。それを下回ってしまう状況に陥り、魔獣襲撃に対しても対応できない状況になったことから、マイカ村へ一時避難することになりました。

 これによってマイカ村は4つの町の避難民を受け入れて人口が一時的に大幅に増えてしまい、またもやインフラ整備が追い付かなくなる状況になっちゃいました。マイカちゃんも激おこでしたね(笑)。


 さて次回予告ですが、ライくんとテオくんはダイナモに行ってレクト奪還の報告をします。ギルドには派遣された魔獣同化能力者がいたためにカソドさんたちには宿のまんまる亭に来てもらって会談しますよ。


 それではお楽しみに~!

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