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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第6章 レクト奪還大作戦

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6-22.レクト奪還大作戦!その1

 午前9時···。


 マイカ村の広場から、ボクたちはレクトの壁の外に転移した。相当魔力を消費しちゃったけど、問題ない。


 今回はアキさんの遺産を使わせてもらった。大量の魔石だ。


 この魔石、元はかつて龍脈爆弾を解体した時に発生したそうだ。


 高純度の魔石にはものすごい量の魔力が入っていたんだ。転移はこの魔石の力を使わせてもらった。


 これでも魔力はまだなくなってないんだよ。すごい魔石だね!まだまだたくさんあるから、出し惜しみはなしだ!みんなにも配っておいたよ。



 さて、作戦通りドラゴン族の人たちは本隊以外の3つの部隊が別の門に配置につこうと飛んでいった。壁を超えないよう人型の状態で低空飛行で向かってもらった。



 そろそろかな···?



「コルメ、合図よろしく!」


「ええ!でっかいのを一発撃ち込むわ!」



 コルメは両腕に魔力を集中させてから···、撃ち込んだ!



「いくわよ〜〜!ギガントボム!いっけぇ〜〜!!」



 超圧縮したコルメの魔力の玉は、コルメが大きく振りかぶってポイって投げ込んだ!



 ズドーーーーン!!



 おなかに響く爆発の重低音が響いた!爆風は壁で遮られたようで、こっちには届かなかったよ。



「パンツァーフォー!!」



 ボクの掛け声によって、エムスさんとヴィンターさんを先頭に、レクトへなだれ込んでいった!


 中に入ると、建物の外にわらわらと人や魔獣が出てきた!



「うわっ!?な、なんだお前ぐふっ···?」


「お前はもう、斬られてるぜ」



 うわぁ···。エムスさん···。槍でサクッと斬っちゃった···。



「何事よあひゃ!?」


「秘技、紅葉・静寂」



 ヴィンターさんも一撃で不意を突いちゃった···。


 そして、2人ともトドメとして喉を切り裂き、心臓を潰していた。再生されないようにするためだ。


 ここまで10秒弱···。ウインのご両親だけあって、ものすごく強い!!ただ単に相手が弱かっただけかもしれないけどね。



 次々に魔獣同化能力者たちや魔獣化してしまった住人たちが襲いかかってきた!



「その程度の攻撃など効かぬわ!くらえ!!」


「ギャアアア!!」



 ドラゴン族の人たちは竜モードになって、襲いかかってくる敵を相手にしていた。かなりの体格差もあることから、今のところは優勢だ。ほかのドラゴン族の人たちも善戦している。


 魔獣同化能力者たちも同化(アッシミレーション)して魔獣化して襲いかかってきた!いろんな方向から襲いかかってくるけど、こっちの部隊はそれなりに人数がいる!不利にならないよう立ち回ってるよ!



「ここは任せるんだ!ライくん!先へ!」


「アルブさん!気をつけて!」



 部隊の半分がここで足止めされてしまった···。残りの部隊はボクたちと一緒にギルド中央本部へ向かった!



 その頃、中央本部では···。



「ドラゴン族の襲撃だと!?」


「ああ。4か所それぞれの門からここに向けて進軍してきてるとの事だ」


「ベスティアリッター全員不在の時を狙ってたのか···?」


「いや、それはさすがに偶然だろ?連中はベスティアリッターの存在なんて知らんしな。それにしても、ドラゴン族の連中は翼があるのに飛ばずに見的必殺で倒しながら進んでるらしい」


「なるほど···。ここにいる全員を殺す気だということだな?」


「そういうことになるな···。目的はおそらく···」


「ここの奪還とオレの首···、ということか。首謀者はSランクで確定だな」


「だろうな。ということは、Sランクの連中がここに来るな」


「ちっ!やはり追い出すだけではダメだったか···。まぁ、あの時ではこちらの戦力が整ってなかったからな。オレだけで正面からぶつかるには少々分が悪すぎた」


「まぁ、今は500人と外に100人出てる。町にいるのは冒険者じゃないザコだ。戻ってきたらハサミ撃ちにできるさ。そんじゃあ···、そろそろ仕込み(・・・)の方を使うとするか」


「そうだな···。ボイド様もおっしゃっていたように、少々魔獣同化能力者が増えすぎた。ここらで間引いておくのもよかろう」


「そんじゃあ始めるか!ドラゴン族も食って、さらに我らが強くなるために!!」



 ボクたちは国の中を走る。居合わせた魔獣化した人たちと、魔獣同化能力者たちを次々となぎ倒していく。


 どうも今の国の中にはそこまで強い魔獣同化能力者はいないようだ。同化(アッシミレーション)させる前に仕留めることができている。



「ライ!ちょっとおかしいですよ!?」


「トルム?」


「前にレクトに来た時の連中はこんなに弱くはなかったです!」


「確かに···。どうしてかな?」


「わかりません···。もしかすると、実力のある人たちが外に出てるとしか···」


「···バックアタックの可能性が高くなった」


「ウインの言う通りだぜ···。疲弊した所に強敵が出てきたら、かなりきついぞ···」


「だからといって、今から撤退なんてありえないわ!このまま突き進むわよ!」


「そうだね!コルメの言う通り、作戦続行だ!早めに終わらせてしまえば、戻ってくる前に撤退できるよ!」



 そうボクが言ったその時だった!



「ーーーーーーーー!!」


「な、なんだ!?この音は!?」


「うわっ!?なんですか!?」


「きゃあ!?びっくりしたわ···」


「テオ!?どうしたの!?」


「ライは聞こえなかったのか!?」


「うん···」


「サムやウインは!?」


「聞こえなかったぜ?」


「···ドラゴン族しか聞こえてない?」


「今、すごい音がしたんですよ···」


「いったい何だったのかしら···?聞いたことなかったわね···」


「どういうことだ···?それに、どこから発せられたんだ···?」



 ドラゴン族には聞こえて、人には聞こえていない···?何か嫌な予感がする!


 そして、その予感はすぐに的中した!



「···!?ライくん!気をつけろ!連中の様子がおかしいぞ!?」


「えっ!?」



 エムスさんが声を上げた!謎の音が響き渡ったその直後、魔獣たちが急に苦しみ始めたんだ!そして···!?



「グァアアアアア!?」


「ギャアアアアアーーー!?」



 メキメキメキメキッ!!



 な、なんと!?背中から羽が突き破って出てきたんだ!さらに体もどんどん大きくなっていく!?



「こ、これは!?」


「さらに狂暴化しただと!?」



 ボクとテオが驚く!



「まずいぜ!空を飛べる魔獣はほとんどいなかったってのに、全部飛べるのかよ!?」


「···遠距離攻撃で仕留めるしかない!」



 サムとウインは冷静に分析してくれた。ボクも短時間なら飛べるけど、高速飛行魔法だから空中戦には不向きだ!


 斬撃や魔法で攻撃しようとする前に、魔獣たちが上空からブレスを吐き始めた!!



「「「「ガァアアアアーーー!!」」」」


「マズい!みんな!オレの後に!!」



 テオが前面に立って防御障壁を張った!しかし!その障壁にも亀裂が入り始めたよ!?



「なんだと!?オレの障壁が!」


「テオ!あとどのくらいもつかしら!?」


「もって15秒!」


「十分よ!ならあたしに策があるわ!みんな、伏せて!!」



 コルメに何か策があるようだ!コルメの言う通り、テオ以外が伏せた!その間にコルメが両腕に魔力を圧縮し始めた!



「ドカ〜ン!と一発大きいのを食らわせてあげるわ!これでおなかいっぱいどころか爆発させてやるわよ!Wエクスプロージョン!!」



 ズドーーーーン!!



 テオの防御障壁の内側から爆裂魔法をコルメが放った!障壁が消滅してブレスを吐いていた魔獣たちに強烈な爆風が吹き付けて吹っ飛んでしまったよ···。


 こっちはテオが伏せるタイミングが遅れてしまったので少し吹き飛ばされてしまったよ···。半分自爆技だったなぁ〜。



「ゲホッ!ゲホッ!ど、どうよ···。生えたばかりの羽じゃあ、あの爆風には耐えられないでしょ」



 コルメの言う通り、魔獣たちは羽が破れて気絶していたよ。ボクたちは魔獣たちの意識が戻る前に仕留めておくことにしたんだ。

 レクト奪還大作戦が始まりました!もう全員魔獣同化能力者か魔獣化してしまった人たちなので、出会った全員が敵という状況です。ある意味やりやすいですね。

 町の中にいたのはほとんどが元住民だったため、そこまでの強さではありませんでしたが、総帥が言っていた仕込みによってさらに異形の魔獣となり果ててしまいました。しかし、生えたての羽では思うように飛べないと判明して逆に倒しやすくなりました。このあたりが戦闘経験とセンスなんでしょうね。


 さて次回予告ですが、今回助っ人として参加している金竜ヒーローのレンちゃん、そしてアエスさんの活躍ぶりをお届けしますよ~。どんな戦いぶりになるのでしょうか?


 それではお楽しみに~!

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