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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第6章 レクト奪還大作戦

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6-13.マイカ村、絶賛工事中で〜す!

「ちゃんと離れてなさいよ〜!それじゃあいくわよ〜!ラインディグ!!」



 コルメが大声で周囲に注意喚起をする。その直後、一直線に土が掘られて、大きな溝ができていた。掘って出た土は、下水管を埋設後に戻すんだ。


 余った土はドラゴン族の人たちがマイカ村の端まで運んでいた。


 コルメは大規模魔法を使うのが大好きだ。それはもう、禁断症状が出るくらいに···。


 というわけで、コルメには下水道管敷設工事をお願いしているんだ。土魔法はそこまで得意じゃないらしいけど···。1回の魔法で200mぐらいは一気に掘れちゃうんだよね···。


 どちらかといえば下水管埋設が追いついていないんだ。トルムは長い下水管を一気に運んでたよ···。


『いいトレーニングになりますね〜!』だってさ···。トルムは浮遊大陸で思いっきり鍛えてたらしいけど、村の建設でもっと強くなっちゃうかもね。


 やっぱりドラゴン族の人たちは力強い!大工事だと思ってたんだけど、ハイペースで建設が進んでるんだ。


 ドワーフの皆さんは、プレハブ長屋の建設が完了すると、測量と水道管敷設工事に取りかかった。ここでも掘削作業は土魔法だ。主にサムとウインがやってるよ。



『おい!ライ!?魔獣少ねえじゃねえかよ!?ドラゴン族の連中と取り合いになっちまってんだよ!』



 ってサムが怒ってきた。ウインも消化不良っぽく、ちょっと不機嫌だったね···。


 仕方ないので、その不満のはけ口として、水道管工事を手伝ってもらってる。こちらも想定以上の速さで進んでるんだ。


 サムはなんせ、アエスさんから離れていたいらしいんだ。お店のお手伝いをさせられちゃうからだそうだけどね。


 でも、食堂は支払いないし食器の片付けはセルフサービスだ。お店ほど忙しくないんだけど···。


 もしかして···、アエスさんはあえて脅しておいてサムにしっかり働いてもらおう!って考えなのかな?アエスさんってサムを手玉にとってるからね。



 さて!今日はボクも手伝うよ!今日は壁の建設だ!


 すでに村の『第1期区画』の掘りは完成していた。ボクがあいさつ回りをしている間にコルメが掘っちゃったんだよ。速くない!?


 というわけで、ボクはてんこ盛りになってる土を土魔法で固めて整形する作業をすることにしたんだ。


 アキさんの遺産の知識によると、壁は分厚いほど突破されにくい。ただ分厚いだけじゃなくて構造も大事だ。でも、急造だとそこまでの頑丈さを要求するのは無理があるんだ。


 だから今回造るのは、土魔法で固めた土壁の外側を、レンガでコーティングするっていう方式だ。軽く振動を与えると土に含まれる水分が抜け、そして圧力を加えることでかなり固い土が出来上がるんだよ。


 レンガを造るのも土が必要で、火魔法で高温に焼く必要があるんだ。実はレンガは浮遊大陸でたくさん作っておいたので、積み上げていくだけにしてるんだ。ここでも生産する予定だ。


 壁に使うレンガはものすごく数が多いけど、これを組んでいくのにうってつけの人物がいたんだ。



「おい!もっときれいに土壁を作れよ!レンガとの間に隙間できてるじゃねえかよ!?」


「あ~、ごめんね!なかなか思い通りに土が固まらなくって···」



 そう、マイカちゃんだね。結局はここで素直に働くことになったんだよ。


 スリとかやれるって事は、素早いし手先が器用ってことだ。しぶしぶながらも思った通りきれいにレンガを積んでくれていたんだよ。しかもかなりペースが速い!



 そんなかんじで1か月ほど大工事が行われた。


 壁の外側の堀は完成し、近くの川から水を引っ張ってきたんだ。というか、川の流れの一部がマイカ村の堀を経由して湖に流れている形になったね。当初は川と湖両方から引っ張る予定だったんだけど、思ったより村と湖の間の高低差があったようだ。こればかりはやってみないとわかんないからね。


 村の中にも水路があって、この水路には川の水を揚水して3つあるろ過器に供給する揚水水車を設けた。川の流れを利用したものだね。お手入れがしやすいように3つ用意してもらったんだ。


 下水処理場も完成した。スライムくんによって処理する池と、処理水を川へ戻す調整池も用意しておいた。



 とりあえずこんなところかな?次は畑とかを作らないとね!まだ壁ができてないけど、畑も壁で囲う予定だ。


 建物の建設もハイスピードで進んでいる。ドワーフの皆さんは慣れてしまったのか、建設スピードがとても速くなってたんだ。次の第2陣の降下まであと1カ月。その時には全員分の家が完成してるだろうね。



「ただいま〜!今日も大漁だぞ〜!」


「お帰り、トルム。どう?先遣隊の人たちは魔獣狩りに慣れた?」


「そうだね。最初は危なかしかったけど、今は安心して見てられるよ。楽しそうに狩ってるね」


「それは良かった。じゃあ第2陣の人たちは任せても良さそう?」


「うん。問題ないと思うよ。というか···」


「ん?どうかした?」


「ちょっと物足りなさ過ぎて···、アルムが暴れそう···」


「えっ!?ちょっと!?」


「あはは、まだ大丈夫だよ。ところで···、レクトへはいつ攻める?」


「第2陣の人たちが慣れてからのつもりだから、2カ月後かなぁ〜?」


「あんまり間を開けると、向こうもいろいろ準備されそうだね」


「うん···。でも、こっちもきっちり戦力を整えないと、犠牲者は出したくないしね」


「そうだね···。テオ?レクトの人たち全員を魔獣同化能力者にしようとすると、どれぐらいの戦力になると思う?」


「う〜〜ん···。冒険者が多いから成功率は高い方じゃないか?多くても3割は超えないと思うぜ」


「えっ?テオ?それじゃあ残り7割以上は···?」


「ライ。残酷な話だが、耐えられないだろうな···。おそらく、そいつらは食料に回されてるだろうな···」


「そんな···」


「あんまりいい話じゃないが、それだけの人を食うんだ。今のところは満足して動きはそんなにないだろうが···、正気を保つためには人を食わなきゃならんらしい。だから···、おそらくオレたちが攻め始める時期ぐらいになれば、ヤツらは人を食うために行動を始めるだろうな」


「そんな事はさせないよ。きっちり準備して挑もう!」


「おう!」


「そうだね。僕も次はきっちりと倒されてもらうから!」



 そうしてさらに1カ月が過ぎ、第2陣が到着する直前で事件は起こった!ボクのスマホにちーむッス!で連絡が来たんだ!



『魔獣が壁を突破してきた!助けて!!』



 アスから救援要請が来たんだ!!

 インフラというものは人が住む前段階で整備するものです。プレハブ長屋の建設中ですが、道路や上下水道が整備されてないと、建物としての機能が発揮できません。

 まぁ、電気とガスは整備する必要がないので、その分現実よりも整備は速いとは思いますよ。

 大事なのはインフラを維持することなんです。これが日本ではほとんどできていません。というのも、建設すれば形に残るので成果物として自慢できるんですが、維持は『何もなければ』出番はありません。点検業務はありますけどね。

 出番があるというのは故障などで、使えるものが使えなくなったので猛クレームが来るんですね。成果物がないので安く見られてしまうんです。

 実は作るのは簡単なんです。直すのは構造や現象を知らないと対処できません。かなり難易度が高いんですよ。

 あとは税制の絡みもあって、維持管理費よりも設備投資費の方がいいということで、維持管理は後回しにされちゃうんです。

 ですのでインフラ維持の技術者がいなくなってるんですね。給料安いしトラブったら激務ですしね。


 ···あれ?ちょっと話があさっての方向に(笑)。


 さて次回予告ですが、グランドの町が魔獣同化能力者たちの襲撃を受けてしまい、ライくんたちが緊急出動します!ヤツらの目的は何なのでしょうか?


 それではお楽しみに〜!

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