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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第6章 レクト奪還大作戦

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6-12.マイカ村、住民登録完了!

 おはよう!今日の朝はダイナモの町のまんまる亭の部屋で迎えたんだ。


 昨日はカソドさんたちといろんな話をして、かなり夜遅くに終わったから、そのまま1泊させてもらったんだ。


 今日の予定は···、いったんマイカ村に戻って、今村にいる人たちの名簿作成だ。その名簿を持ってカパーの町へ持っていって全員の身分証を発行してもらうんだ。


 ダイナモの町でもやれるんだけど、ダイナモはどうも独立国らしいので、マイカ村の身分証をここで作っちゃうと、ダイナモの町に税金を納めないといけないらしいんだ。


 これがカパーの町だと、身分証の発行手数料だけで済むそうだ。なぜか?というと、マイカもカパーも属していた国であるゲートが滅んでしまったからなんだ。


 税金は最終的には国に納めることになるので、滅んでるために納める先がないんだよね。マイカ村はカパーの町に属してるそうなので、身分証の発行権はカパーの町にあるんだそうだ。


 ボクとしてはダイナモの町に税金を納めてもいいんだけどね。でもカソドさんが、『町の建設にはお金が必要だから、節約しておきなさい』って言われたんだよね···。



「じゃあテオ!帰ろうか!」


「おうよ!高速飛行魔法ならすぐだぜ〜!」



 ダイナモを飛び立って1時間弱マイカ村に戻ってきた。そしてみんなに名簿に名前を書いてもらいました。Sランクのみんなは冒険者証が身分証になるので必要ないよ。



 そして午後にカパーの町へまた行った。もちろん、門で審査を受けるんだけど、おととい来た時の人だったよ。



「あれ?キミたちはおととい来たよね?」


「はい!またスナ隊長に用事がありまして···」


「あ〜、今日は隊長は非番だな〜」


「えっ?そうでしたか···。じゃあ、ソレさんに用事があるんですけど···」


「ソレ···?誰かな?」


「行政関係って聞いてますけど···」


「じゃあ役所にいるんじゃないかな?何か手続きかい?」


「はい。そうなんですよ」


「よし!それじゃあどうぞ!役所の場所はわかるかい?」


「いえ···。兵士さんの詰所は知ってるんですけど···」


「その隣だよ。受付に用件を言ったら担当につないでもらえるからね」


「わかりました!ありがとうございます!」



 門をくぐって町に入り、役所へ向かった。兵士さんの詰所の隣にあったなんて気づかなかったなぁ〜。


 そして役所にやってきた。入ってすぐに受付があったよ。



「ん?キミたち、どうしたのかな〜?」


「すいません。こちらにソレさんがいらっしゃると思うんですけど···」


「ソレ課長?え〜っと···、どういった用件なのかな?」


「えっと···。ちょっと言いづらいんですよ···。スナ警備隊長から訪ねるように言われてまして···」


「そうなの?じゃあ名前を聞かせてもらえるかしら?」


「ライと言います。こっちはテオです」


「よろしくな〜!」


「ライくんとテオくんね···。じゃあ、そこのベンチで座っていてくれるかな?」



 受付のお姉さんに話すと、待つように言われたんだ。そして10分ほどでソレさんがやって来た。



「やあ!ライくん、テオくん!久しぶりじゃないか」


「ソレさん!ご無沙汰してます!」


「久しぶりだな!」


「元気そうで良かったよ。スナから話は聞いてるよ。ここじゃあれだから、部屋を用意しよう。ついておいで」



 そうして小部屋に案内されたよ。



「さてと···。ライ村長(・・)って呼んだ方がいいかな?」


「やめて下さい···。恥ずかしいんで···」


「ははは!でも、慣れておいたほうがいいよ。こういった行政とかの場所では肩書で呼び合うことが多いんだ。まぁ、マイカ村の村長としての行政手続きって住民登録ぐらいだし、領主に呼ばれることもないけどね。名簿が出来上がったのかな?」


「はい。こちらです」


「ふむふむ···。この人たちが浮遊大陸とやらから降りてきてくれたんだね?」


「はい。ドラゴン族の人たちは、落ち着いたら魔獣が常時湧いてる場所に集落を作るそうです。その前に···、レクトを奪還します」


「とんでもない事になっちゃってるようだね···。こちらとしては表立って支援はできないが、応援させてもらうよ」


「ありがとうございます!」


「身分証は時間がかかりそうだ。明後日以降に取りに来てくれ。その時に身分証と名簿を渡すよ。名簿は村民としての住民登録の証だから、絶対なくさないようにね」


「わかりました!



 そして3日後に身分証を取りに行って、ボクの村長としての仕事はいったん終わりとなった。ここからは村づくりを頑張るよ〜!




 一方、魔獣同化能力者に占拠されたレクトでは···。



「これでレクトの住民はすべて〜?」


「ああ。まぁ、上々ってところだな。それでも半分も成功しとらんな···。失敗作はエサにしたがな」


「十分じゃない〜?冒険者は?」


「やはり高ランクほど成功率が上がるな。なかなかに強力な駒は揃ったぞ」


「うふふ···。これだけおもちゃがあれば楽しめそうね〜」


「周辺から人をさらって、もっと増やせるが?」


「いえ、これで十分よ。むしろ多いぐらいね」


「なぜだ?こんな素晴らしい能力を持つ奴が多いに越したことないんじゃないのかよ?」


「人は『エサ』よ?エサがなくなったら、飢えるのはあなたたちよ?それに···、あんまり強いと万が一裏切られたら、痛い目に遭うわよ?」


「そういう事か···。なるほどな。確かに正気を保つには定期的に人を食わないといけないからな···」


「そういう事。ところで、ギルドの把握はどう〜?」


「足の速い連中に向かわせて戻ってきてるぜ。どこも疑わずにこちらの意向のままに動いてるな」


「あはは!本当にバカよねぇ〜!自分たちの組織が乗っ取られていいように使われてるのに気づかないなんて!ホント、滑稽だわ!」


「ただ、ダイナモは一筋縄ではいかんみたいだ。腕ききを常駐させておいたがな」


「へぇ~。そこって?」


「このギルドが潰された時にギルド本部として機能するように極秘に(・・・)作られてるそうだ。気づいたのはつい最近だったがな···。あのバケモノ総帥め···。こうなる事を予想でもしてやがったのかよ···?」


「あの男はそういう知略は得意だったからねぇ〜。でも···、そんな状況をじわじわと追い詰めていくのも面白そうよねぇ〜!」


「テメェは何でも面白けりゃいいんだな?」


「ええ、そうよ〜!こんな壮大な娯楽、元の世界では(・・・・・・)味わえないもの〜!だましだまされ絶望する時のあの表情が···!あぁ~!想像しただけで興奮するわぁ〜!」


「そんな気持ちはさっぱりわからねえが···。まぁ、古き人などさっさと滅ぼして、オレら魔獣同化能力者の天下にしないとな!ははは!」


「そうそう、目ざわりなハエはどうなったのかしら?」


「それがなぁ〜。とんと音沙汰がねえな···。どこに隠れてやがるのか···」


「ギルドの各支部には?」


「もちろん指名手配済みだ。まぁ、仲間が定期的に巡回してるし、もしかくまうようなら···、懲罰と称してその町の住民を食い尽くしてやるけどな!いや···、でっち上げて合法的に(・・・・)食い尽くすのもありだなぁ〜!」


「それも面白そうね〜!さて、準備は完了したわ···。それじゃあ始めましょうか。新・再構築ネオ・リ・ストラクチャーをね〜!」



 レクトでは、怪しい動きを始めた事を、この時のボクたちはまだ気づいてなかったんだよ···。

 ライくんは村長として行政手続きを行いました。本来、住民を管理する目的は税金徴収のためなんですが、納める国がないのであんまり意味はありません。身分証発行するぐらいなんですね。

 税金はインフラ整備とかに使われるのが多いのですが、マイカ村は一時的な拠点なのでドラゴン族から徴収できないんですよ。だからライくんのポケットマネーで整備している形になってます。

 言い換えればマイカ村自体がライくんの家と敷地内で、そこにゲストとしてドラゴン族が来てる感覚ですね〜。ですのでライくん自身も徴収する気はないんです。


 一方のレクトでは住民全員が魔獣同化能力者にさせられてしまいました···。レクト自体が完全に敵の手中に落ちた事になります。前回攻めた時よりも厳しい戦いになりそうな予感がしますよ?


 さて次回予告ですが、マイカ村の工事の様子をお届けします。魔法やドラゴン族のパワーを駆使してとんでもない速さで工事が進んでいきますよ〜!


 それではお楽しみに〜!

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