表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第6章 レクト奪還大作戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

160/229

6-10.ライ、村長として周辺の町へあいさつに行く その2

「そういえばスナさん。この町が属してる国ってどこなんですか?」


「言ってなかったっけ?ゲートだよ」


「えっ?そこって···」


「お?やっぱりSランクだったから知ってるか。滅んだんだよ」


「ボクも仕事で行きました···。ひどい有様でした」


「だから、ゲートに属している町は、今やどこも単独自治をやってるのさ。だから、それを知った領主は『税金はワシのもの!』って言ってひんしゅく買ってるよ···。だからこそ、マイカ村の事を領主に知られたらとんでもない金額をふっかけられるだろう。知られないほうがいい」


「ありがとうございます!」


「しかし···、本当にすごいなぁ〜!Sランクもそうだし、村長か!よければこの町も属したいところだよ」


「ま、待って下さい!仮の拠点ですから!」


「でも、防衛力はおそらく地上で1番じゃないかな?」


「あ〜、確かに···」


「ははは!まぁ、今は(・・)冗談だが、将来はわからん。そう言った話を持ちかけるのも村長としての外交(・・・・・・・・)だよ」


「そ、そうなんですね···」



 そんな事、まったく考えてなかったよ···。でも、今はその時じゃないと思うけどね。



 そうしてスナ隊長と面談を終えて、次はダイナモの町だね!


 昼過ぎに到着したよ。すぐに冒険者ギルドに向かうと、受付にポーラさんがいたよ。中はほかの冒険者たちはいなかったね。



「あっ!?」


「えっ?ポーラさん?」



 ボクたちに気づいて、ポーラさんが慌てて出てきちゃったよ。どうしたんだろう?



「こっちに来て!」


「えっ!?ちょ、ちょっと!?」



 ボクとテオはポーラさんに捕まえられて、ギルドの外に出て、建物の裏に連れていかれちゃったんだ···。



「ふぅ~。マズいタイミングで来たわね···。ほかの冒険者がいたら、もっと大変な事になってたかもね···」


「えっ!?何があったんですか?」


「監査が来てるのよ···。中央本部からいきなり···」


「えっ!?」



 監査。しかも、中央本部から···。


 間違いなく魔獣同化能力者だ。確かにボクたちがいるとマズそうだ···。



「久しぶりって事だし、あいさつに来てくれたのは嬉しいんだけど、日を改めてくれないかしら?今日はギルドに近づかない方がいいわよ」


「わかりました。監査っていつまで···?」


「今日中らしいけど、ライくんたちは来週来た方がいいわね。あと、直接ここには来ないほうがいいわね。宿のまんまる亭の女将に私を呼んでほしいって言って。宿で会いましょう」


「わかりました。相手は···」


「わかってるわ。抵抗しないし、言う事を聞いてるフリ(・・)をしておくわ」


「やっぱりボクたちがいた方が···?」


「確かにその方が心強いんだけどね···。向こうもいきなり武力で支配しようって気じゃなさそうだから、穏便に帰ってもらうわ」



 というわけで、ダイナモは最後に回すことにしたんだ。次は···、グランドの町だね!


 事前にちーむッス!でアスに連絡しておこう。するとすぐに返信が来て、会えるとの事だった。


 ちょっと時間も足りないので、転移で行くことにしたよ。今日中に村へ戻りたいしね。



「ライ!テオ!久しぶり!」


「アス!ごめんね。しばらく会えなくて···」


「おう!元気そうだな」


「パパからいろいろ聞いたわ···。とりあえずここは大丈夫だから、安心して!」


「うん、ありがとう」



 やっぱりこの町にもボクたちの話が来ていたか···。これはうかつに町に行きにくくなってるなぁ〜。



「やあ、ライくん、テオくん。なにやら大変な事になってるようだね···」


「リークさん、ご無沙汰してます」


「この通り、オレたちは無事だぜ。ちょっと前まではそうじゃなかったけどな···」


「こちらとしても一方的な情報しかなくて困惑していたところだ。詳しい話を聞かせてもらえるかな?」


「はい。そのために来ましたから」



 ここでリークさんたちにこれまでの情報を伝えた。やっぱり驚いてたよ。


 そりゃそうだ。冒険者ギルドが魔獣側についてしまったなんて、誰も想像できないもんね。



「魔獣同化能力者か···。忌まわしき災厄戦争の負の遺産···」


「ボクたちはレクト奪還に向けて準備をしています。ですが、向こうもいろいろやってるようですね」


「ああ。ちょうど1カ月前だったな。ギルド長から相談があってな。中央本部から普段なら手紙しか来ないのに遣いが来たとな。しかも、伝えられた情報ではSランクが反乱を起こしてたので追い出し、指名手配していると。ギルド長のシースも何かの間違いと考えたそうだが、一方的に通告してこちらの意見も聞かずに立ち去ったとの事だ」


「ほかの町でもそうでした。さっきはダイナモの町にいたんですが、ここでは監査されてる最中でしたよ」


「あの町は確か中央本部から派遣された人員がいるとのことだったな。相当に締付けを厳しくしてるのだろう。そう言えばさっきの話はいつだったのだい?」


「2カ月前ですね」


「となると、移動の事も考えると事前に作戦を考えて実行しているな···。あまりにも動きが速すぎる。おそらく次の手も打たれてる可能性があるな」


「そうですね···。かなり後手に回ってますが、こっちもやられっぱなしにはなりませんから」


「それを聞いて安心だ。こちらはとりあえず言う事を聞いたフリをしてしのぐとしよう。おそらく、歯向かった瞬間に滅ぼしに来る可能性がありそうだしな」


「それがいいと思います。ボクたちも準備が整い次第、出撃します」


「気をつけてくれ···。また何かあればアスを通じて連絡してくれ」


「はい!ありがとうございます!」


「それにしても···、ライくんが村長か。きっといい村になるんじゃないかな?」


「ははは···。昨日から開拓を始めましたから、今はなんとも···。でも、やるからには良くしたいですね」


「ゲートの国も滅んだままだから、行政としての機能はない状態だ。税金を納める先もないから、実質自分の国と似たようなものだ。周囲を気にせずに頑張りなさい」


「はい!ありがとうございます!」



 こうしてあいさつは終了だ。ほかの町にも行ったことはあるんだけど···。思ってたよりも速くギルドが動いていた。ヘタすると、ボクたちの動きに気づかれてしまうかもしれない。


 だから、信用ある場所のみのあいさつにしておいた。どこもボクたちを応援してくれるようで良かったよ。



 そうしてボクたちは村に転移で戻ってきた。プレハブ長屋はさらに大きくなり、部屋数は倍以上になった。だいぶ居住環境が整いだしてきてるね!


 そんな事を考えてると、なんだか人だかりができていたよ。なんだろう?



「あっ?ライ、戻ってきたわね」


「コルメ、これってどうしたの?」


「見ての通りよ···」



 コルメが見た方を見ると、マイスちゃんがまたまたグルグル巻きにされちゃってたよ···。



「お帰り」


「フン!」


「何やったのさ?」


「············」



 ボクの話は聞く気がないようだ。すると、アエスさんが、教えてくれたよ。



「盗み食いしたのさ」


「えっ?」


「まぁ、すぐに気づいたからこうしておいたのさ。サムがやるよりはずさんだったから、あっという間に捕まえたけどね」


「サム···、何やってんのさ···。って、そうじゃなくて、なんで盗み食いなんてしたのさ?」


「腹が減ってたに決まってるだろ!?」


「ちゃんと言ったら食べれるのに···。ここにいる間は原則(・・)無料で食べれるよ」


「な!?」


「ただし、ちゃんと働いたらね。じゃあ、マイスにやってほしいお仕事があるんだけど」



 そう言えば、食事が無料って言ってなかったなぁ〜。この騒動、ボクも悪いかな?

 ダイナモの町では中央本部から監査名目で魔獣同化能力者が乗り込んできていました。

 現状、ライくんの力で倒すことはできますが、町が壊れてしまうのとどういう出方をするのかを見るためにここではいったん退くことになりました。

 グランドも町にまで遣いを出していたので、近隣はほぼすべて手をつけられています。もうちょっと後で判明しますが、この遣いは中央本部の通達を出す以外にも別の目的が実はあるんです。ちょっと先で明らかになりますよ。


 さて次回予告ですが、ライくんとテオくんは1週間後にダイナモの町を訪れます。ちゃんとライくんはなりきりセットで変装してるので問題はないですよ~!

 そこでいろんな事が明らかになります。ダイナモのギルドはちょっと特殊扱いなんですよ。どういった役割があるのでしょうか?


 それではお楽しみに~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ