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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第6章 レクト奪還大作戦

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6-3.第2427回バトルロイヤル開催!

 バトルロイヤル。この言葉は遺産の知識にもあるんだよ。


 参加者全員で敵味方区別なく最後の1人になるまで戦い続けるという行事なんだって。ドラゴン族ではこうした実力試しが不定期ではあったけどもやっていたらしいんだ。主にやっていたのは白銀竜らしいんだけどね。


 ということは、アキさんとリオさんも参加したのかな?知識だけはあっても記憶がないから、そこはわからないんだけどね。



「各集落から選りすぐりの竜たちが集まって行われます。参加者はおそらく200人前後といったところでしょうか」


「その人たちが一斉に戦いだすんですね?」


「そうですね。今回で2427回目になりますかな?」


「えっ!?そんなにやってるんですか!?」


「回数を数え始めたのは浮遊大陸に避難してからですけどね。それまではもっと頻繁にやってたと思いますよ。年に4回は必ずやってますなぁ~」



 アルブさんにバトルロイヤルの話を聞いたらこんな回答が返ってきたんだ。そんなに戦うのが大好きなんだなぁ~。でも、さっきあんまり戦ったことがなくて実力が下がっているって話があったよね?ボクたちが入っちゃったらボクたちがあっさり勝っちゃうかもしれないよ?



「アルブさん、ゴルドさん。ボクたちも参加って話ですけど、まずはボクたち以外の人たちで先にやってもらえませんか?」


「と言うと···?」


「どういう事だ?」


「皆さん魔獣との戦いの経験があんまりないそうですから、ボクたちの方が経験あるので···」


「そう言えばそうですな···」


「確かにな···。オレも警備隊長しているが、魔獣は指で数えるぐらいしか相手にしとらんな···」


「ですので、分けてやってもらえないですか?ボクたちも皆さんの戦い方を見てみたいです」


「わかりました。ではそうしましょうか」


「お前たちの戦いも楽しみにしているぞ!」



 というわけで、ボクたちはバトルロイヤルの勝者の人とやることになった。でも、今回は地上に降りて戦いたい人たちを選ぶってのもあるんだ。戦況をよく見て、どういった人たちがいるか?をちゃんと見ないとね!



 ボクとテオはサムの飲食店に戻った。まだ夕食前だったから、お手伝いには間に合ったかな?



「アエスさん!今日も手伝いますよ~!」


「そうかい!そんじゃあ今日も頑張っとくれ!」


「ライ!オレも手伝うぜ!」


「テオ、大丈夫?結構ハードだよ?」


「···あ~。まぁ、昨日見たからなぁ~。なんとかなるんじゃね?」


「ムリだったらすぐにボクに言ってね!」


「わかったぜ!」


「心配すんじゃないよ!その時はサムに全部任せちまいな!」


「ちょ!?母ちゃん!?それひどい!」


「甘ったれたことをぬかすなぁーー!!元はといえばあんたがしくじっちまったからだろ!?ちゃんとこれで返すんだよ!」


「それ!いい加減にしてくれよーー!いつまで引っ張る気なんだよ!?オレをこきつかう口実にしてるだけだろ!?」


「まぁ、その一面は否定しないけどね」


「否定しねえのかよ!?」


「だけど、これもしっかりとした修行なんだよ。ご先祖様一家も本店で非常に多くのお客さんをさばいた結果、ウインのご先祖様がやっていた道場の鍛錬メニューにも本店での手伝いが入ったぐらいなんだからね。それだけ鍛えられるのさ!それに、うちの回転率も上がって売り上げも伸びるってもんさ!」


「なんだか最後が本音のような気がするぞ···」



 サムとアエスさんのやりとりはいつ見ても面白いなぁ~。いい親子だよね。もうボクにはこうしてやりとりができる親がいないから、うらやましく思っちゃうなぁ~。


 そうして夕食の営業が始まり、ボクは『なりきり!伝説の神狼族セット』を着用して4分身してお手伝いを始めたんだ。サムはもちろん8分身だ!


 テオは初めてなので片付け専門だ。その折り返しで注文した料理も運んでいたよ。タースさんはニコニコしながらレジカウンターでのんびりくつろいでいたよ。


 タースさんって、ちょっと謎なんだよね···。ぎっくり腰で思うように動けないのに、テオのためにわざわざ地上に降りて『龍玉』なんて貴重なアイテムを取ってきてくれたりしてくれるし···。


 前にサムにタースさんの事について聞いたんだよ。そしたら···、



『親父?あ~、オレもあんまり親父が何してるか知らねえんだよなぁ~。聞いても笑ってはぐらかされちまうし、これは母ちゃんに対しても一緒だけどな。ただ、だいたいいない時は何かやってて、そのやった事が後で助かった!って事になってるんだよなぁ~』



 うん、不思議なお父さんだね。でも、タースさんのおかげでテオは復活できたのも間違いじゃないんだよね。



 さて、そんな大忙しな夕食の時間もラストオーダーを過ぎた。すると、ウインとコルメとトルム、そしてウインのご両親であるエムスさんとヴィンターさんがやってきたんだ。



「おや!?エムスじゃないか!ヴィンターも一緒ってどうしたんだい?」


「やあ、アエス。今度ドラゴン族が地上に降りるための選別をするバトルロイヤルが開かれるって聞いてね。アエスを誘いに来たのさ」


「···アエスもどう?」


「バトルロイヤルねぇ~。昼の営業を休まなくちゃならないからねぇ~」


「行ってきなさい。ワシがやっておくよ」


「あんた、いいのかい?ぎっくり腰なのにやれるのかい?」


「はっはっは!動かなくても出せるメニューだけにしておくよ」


「そうかい!じゃあ私も久々に暴れるとしようかねぇ~!」



 ということで、お店はタースさんがやるそうで、アエスさんも参加が決定したんだ。ウインのご両親のエムスさんとヴィンターさんも出るようだね!



「···私も出る。···サムも」


「ウイン!?オレもかよ!?」


「あんたは当然さね!地上でSランク冒険者だったんだろ!?だったらその力を見せつけてやりな!」


「あ~、母ちゃんも出るんだったら強制参加になるかぁ~」


「僕も出ますよ~!」


「ボクも!テオと一緒に出るからね!」


「おう!ドラゴン族のバトルロイヤルはオレも初出場だからな!はりきってるぜ!」


「Sランク全員出るのかよ···」



 サムは逃げる場所をつぶされちゃったね。でも、サムもものすごく強いってのはボクも知ってるから、当日が楽しみなんだよね~!



 そして、バトルロイヤル当日がやってきた。


 ボクとテオ、それにサムとアエスさんの4人で一緒に会場に向かったんだ。会場って言っても、何もないだだっ広い場所なんだけどね。


 そんな広場には大勢の竜モードのドラゴン族の人たちが集まっていたんだ!簡易な舞台も用意されていて、看板まであったんだよ。その看板には、



『第2427回バトルロイヤル ~地上よ!我らは帰ってきた!(予定)~』



 って書かれていたよ···。なんだかノリノリだなぁ~。まだ帰ってないのにね。そのせいか『(予定)』って書いてあるし。


 そう思ってたら遺産の知識から、昔はもっとひどい副題がついていたとの情報があったよ。『生還記念』とか『嫁争奪』とか『握手会参加券』とか『結婚披露宴』とか···。昔はそんなつまらないことで(・・・・・・・・)バトルロイヤルをやってたんだなぁ~。


 そうして時間になり、舞台にはアルブさんが登壇した。そしてあいさつが始まったよ。



「皆の者!今日はよく集まってくれた!我らドラゴン族がこの浮遊大陸に避難して650年以上が経った。かつての忌まわしき技術は滅び去り、相当な年月を経過した。よって、この機会に我らは地上へ再び降りようと考えた!しかし!長年にわたる避難生活で我らの実力はかつてよりも大幅に落ち込んでいるのは間違いない!そこで、今回はこのバトルロイヤルで上位まで残った者に先行して地上に降りてもらうこととする!今回惜しくも外れてしまった者たちも、いずれは地上に降りても大丈夫なように今後整備する予定だ!諸君らの健闘を祈る!」


「「「「おーーーー!!」」」」



 今、話にちょっと出たんだけど、ドラゴン族の人たちの拠点となる町がないか?という相談をアルブさんから受けていたんだ。でも、いきなりドラゴン族が大挙して押し寄せたら、町の人たちも困惑すると思うんだよね。


 だから、ここでボクは提案したんだよ。



「ボクの···、滅んでしまったマイカ村を拠点にしませんか?」



 ってね!

 やっぱりバトルロイヤルには副題がついてましたね(笑)!前作でも本文にある通り、なにかと理由つけてバトルロイヤルやってましたからね〜。もはや白銀竜の伝統となってるんでしょうね。


 そしてお話の最後でライくんはマイカ村を地上の活動拠点にしないか?と提案しました。マイカ村は現在無人であること、そして周囲が外輪山で囲まれて外界から切り離されたカルデラの中にあるという地形的条件が非常にいいというのがあったからなんですね。

 ライくんの言った通り、いきなり大挙して町に行ったら間違いなく拒否反応が出ます。一時的とはいえ、移民ですからね。そういう意味ではライくんの提案はドラゴン族にとっても渡りに船ということです。


 さて次回予告ですが、バトルロイヤル前半戦です。ドラゴン族ほぼ全員が大乱闘になりますよ〜!最後に残るのは誰なのでしょうか?


 それではお楽しみに〜!

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