5-25.ライ、テオの魂の器の修復作業を始める!
本日はマカオから投稿しております!
香港の某デマのおかげで航空運賃が北海道や沖縄行くより安かったので来ちゃいました〜。
さらには香港空港からマカオまで、政府による片道無料キャンペーンやってたんでオトクに来れました!
こちらは雨期なのでスコールに遭いましたよ。気温26℃、湿度91%ですが、日本より涼しいです(笑)。もう感覚がおかしくなっちゃってますね~。日本より南なのに涼しいんですよ。
明日はリアルカジノへ遊びに行ってきま〜す!
夜明け前に目が覚めた。
最近、どんどん起きる時間が早くなってるような気がしていたけど、ようやくその理由がわかったんだ。
···そう、『時差』だった。
この浮遊大陸は常に東へ飛んでいるんだ。その速度はおよそ30km/h。1日あたり約720kmも移動している。
となると、2日で1時間前倒しになるんだ。1日が23時間30分って事になる。つまり、普通に寝ていたら30分ずつ起きる時間が早まってるって事になるね。浮遊大陸に住んでいたら慣れるんだろうけど、地上でずっと暮らしていたボクにとってはこの差はすぐには慣れそうにないなぁ〜。
そして、昨日魂が口から抜けてしまったサムは、今日は魂が体に帰ってきたようだ。一応生きている。···でも顔が青いけど大丈夫かなぁ〜?
早朝のアエスさんの鍛錬では、ボクは4分身で相手してみたよ。
「ライ!?いつの間にそんな事できるようになったんだよ!?」
「昨日の夜だよ」
「夕食の手伝いをしてた時だね」
「アエスさんが『やってみろ!』ってやったらできたんだよ」
「サムみたいに8人は無理だけどね!」
「4人いっぺんにしゃべんな!母ちゃん!?なんてことを教えんだよ!?」
「ははは!あんたもしっかりやらないと、ライに追い越されるよ!?そんな事になったらお仕置きだからね!」
「げぇーーーっ!?それだけは勘弁してくれーーー!!」
「だったら必死で頑張るんだよ!」
今日のアエスさんのしごきもなかなかハードだった···。でも、4分身のおかげで多少はなんとかなったっぽいかな?いや···、サムに余計に攻撃が回っていたのかも···?
朝食をたっぷりいただいてから、ボクはノーラさんの家にやって来た。
「おはよう。こっちは準備できてるよ」
「おはようございます。今日からよろしくお願いします」
「ライ?今日はあたしも調整後初だから、どこまで維持できるかわからないわ。だから今日は準備って事にしておいた方がいいわよ?」
「うん。でも、準備は終わってるんだ。無限収納カバンに入れて、いつでも出せるようにしてるからね」
「わかったわ。無理しないようにしてよ?」
「わかってるよ。それじゃあノーラさん、お願いします」
「はいよ」
そうして、ボクはテオの魂の器に入り込んだ。
目の前には崩壊した彫像と噴水がある。いつ見ても痛々しい状況だ。
さあ!始めよう!ボクは無限収納カバンからモルタルを取り出し、ボクの魔力も込めながら亀裂に流し込んだ!
流し込んだモルタルをヘラで軽く押し込み、平らにならす。外れてしまった石はモルタルを軽く流し込んで、その上に石を置いてはめていく。
完全に砕け散って補修できない石は、無限収納カバンに入っていた、アキさんがかつてリオさんの魂の器を修繕した際に使ったあまりの石をはめ込んでいった。
作業開始15分。まだいけるようだ!可能な限り修繕を進めていく。
『ライ!もう限界よ!』
「わかった!」
その時だった!修繕した箇所が淡くオレンジ色に光りだしたんだ!これって!?そう思った次の瞬間!ボクはノーラさんの家に戻っていたんだ。
「ふぅ~···。これが···、限界だね···」
「ありがとうございます。思ったよりも修繕が進みましたよ」
「礼ならコルメに言いな。この子、まさかここまで魔力制御が良くなってるとは思わなかったよ」
「そうなんだ···。ありがとう!コルメ!」
「ふふっ!あたしも頑張ったかいがあったわね〜!それで?だいぶ作業は進んだのかしら?」
「うん!そういえば、修理したところがオレンジ色に光ったんだけど、どういう事なのかな?」
「それはその部分の修理がちゃんとできたって事さ。その調子でやるんだよ」
「そうだったんですね。じゃあ今日はこれで失礼します。また明日もよろしくお願いします!」
「ああ」
「任せといて!」
こうして今日の作業は終わった。今日は噴水の亀裂の修繕をやった。底面の1割ぐらいかな?
次の日···。
同じ要領で修繕を進めていった。今日は昨日よりも5分ほど長く作業ができたよ。どうやらノーラさんもコルメもコツがつかめてきたようだ。
そして、5日が経った···。
テオの魂の器は底面の修復が完了した。おとといから4分身を使い始めたので、スピードが一気に上がったよ。
さらに3日が経ち···。
噴水の壁面の修理が完了した。残るはドラゴンの彫像の修復だ。これが一番難しい···。
元はかっこいい像だったに違いない。しかし、ボロボロに崩れていたので、かなりボクの手で作らざるを得ないのが実情だ。できる限りかっこよく修繕してみせるよ!
翌日からドラゴンの像の修復作業に入った。まずは損傷の少ない部分からだ。回収した破片を少量のモルタルを塗って丁寧にくっつけていった。
初日は下半身部分の修繕が完了した。
翌日は上半身部分。丁寧に破片をくっつけていき、軽く研磨してキズを目立たなくしていく。
次の日は顔の部分。ここがものすごく気を遣った!ボクがいつも見てきた竜モードのテオの顔···。それを思い出しながら、石膏を丁寧に削って足りない部分を補っていった。
この作業だけで2日かかってしまった···。魂の器内で作業するんじゃなくて、これだったら外で時間制限ない方が出来がいいんじゃない?って思って、午後から夜にかけて時間無制限で丁寧に作っていった。
この時、あまりにも集中していたから夕食を食べ損ねてしまった···。でも、気づいた時には部屋の入口に軽食が置かれていたんだ。
どうもサムが声をかけたらしいんだけど、ボクが集中しすぎちゃって、聞こえてなかったんだ···。そこで夜食をアエスさんが作ってくれたらしいんだ。本当にありがたいね!
その次の日···。
ボクがノーラさんの家に向かおうとした時だった。
「おおっ!ライくん!ちょうどよかったよ〜!」
なんとタースさんが帰ってきたんだ!
「タースさん!?今までどこに行ってたんです!?」
「はっはっは!ちょいとコレを取りに出かけてたのさ。思ってた以上に時間がかかってしまったが···。コレをテオ様の魂の器の修繕に使いなさい」
そう言って渡されたのは···、金色に淡く光る2つの小さな玉だった。
「タースさん?これは···?」
「これは『龍玉』と言われる玉でな。龍脈の魔力が凝縮されてるんだ。地上のとある場所でしか取れんものでなぁ〜」
「えっ!?地上に出かけてたんですか!?」
「そうだよ。降りた場所がちょっと離れておったから移動に時間かかってなぁ〜!ギックリ腰のせいで遅くなったよ。さあ、それを彫像の目の部分にはめるといいよ」
「···わざわざありがとうございます!大事に使いますね!」
「ああ。うまくいくといいね!」
タースさん···。テオのためにこんな素晴らしいものを探してくれてるなんて···。テオの元気な姿を見せて、その時に感謝しよう!
そうしてボクは彫像の最後の部分である翼の修復に入った!
ボクの魔力もいっぱい込めて修復し、土魔法も使って強化しておいた。
そして···、タースさんが探してくれた龍玉を、ドラゴンの彫像の両目にはめ込んだ!
次の瞬間!彫像がまぶしく輝き出した!そして、光が収まると、ドラゴンの口の部分から勢いよく水が噴き出してきた!
···うん!彫像からの水漏れはないようだ!そして、修繕した噴水には水が溜まり始めてきた!水漏れの心配もなさそうだね!
『ライ!テオが起きたわ!』
「ほんと!?」
ついに···、ついにテオが目覚めたようだ!次の瞬間、ボクはノーラさんの家に戻っていたんだ。
そして···、そこにはテオが···、人型の状態で起き上がっていたんだ···!
「ふわぁ〜···。ん〜?あれ?ここは···、どこだ?」
「···テオ」
「···ライ?」
「テオーー!!よかった!よかったよぉ〜〜!!」
「うわっ!?ラ、ライ!?」
「うわぁ~〜〜〜!!ひっく···、ひっく···」
ボクは思いっきりテオに抱きついた!本当に···、本当によかった!もう···、こんな思いはしたくない!改めてそう思ったんだよ···。
テオくんの魂の器の修繕が完了しました!前作のアキくんがリオくんの魂の器を修繕した時より上手にできたようですね。これが意外な作用をもたらすということがこの後明らかになりますよ。
そしてぎっくり腰のタースさんが龍玉というアイテムを持ってきてくれました。これによってテオくんの魔力がかなり強化されました。ぎっくり腰なのになんで取りに行けたんでしょうかね?
さて次回予告ですが、第5章ラストなので天国でアキくんたちの座談会をお伝えしますよ〜。
明日で第5章完結なので、朝にカジノへ遊びに行く前に本編を投稿し、夜にネタバレ集を投稿します。
お楽しみに〜!




