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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第5章 順調だった日常の崩壊

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5-24.移転開業650周年記念日を忘れてたよ!

「(ガンッ!)こら!トイス!!ライになんてこと言ったのよ!?」


「いってーー!?ね、ねえちゃん!?なにすんだよーー!?」


「いったいどこで『おとこ(・・・)』なんて言葉を覚えたのよ!?ライはそんなんじゃないわよ!」


「えっ!?じゃあ···、つきあってないのか!?」


「···それもどこで覚えたのよ!?ライは地上で出会った仲間よ!」


「そ、そうだったのか!?ごめん!かんちがいしてた!」


「もう···。どうしてどう思ったのよ?」


「ねえちゃんにへんなむし(・・・・・)がついたらダメだって、まえにレンねえがいってたから···」


「レンがトイスに言ったのね···?あの子、今度会ったら一発殴ってやらないと!」



 コルメの家に行ったら、弟さんが出てきて、ボクは門前払いを食らってしまったんだ。どうしようか?と思ってたら、ちょうどコルメが帰ってきて、そこから弟のトイスくんにお説教をしてるんだよ···。


 ちなみにレンってのはコルメの親戚の金竜の女の子だ。今も地上で困ってる人たちを助ける『ひいろう?』って活動をやってるんだよ。



「ところでライは何かあたしに用があったの?」


「あっ!そうそう。明日の午前からテオの魂の器を治し始めるんだ。コルメも手伝ってくれない?」


「ええ!いいわよ。少ない量の魔力譲渡はかなり難しいんだけど、ある程度はなんとかなりそうよ!任せて!」


「うん。それじゃあよろしくね〜!」



 これで準備は整ったよ。あとは、ボクがテオの魂の器の中で素早く治してあげられるか?がポイントだ。


 時刻はまだ夕方前。ボクはサムの飲食店に戻ってきた。



「ただいま〜。って···、サム!?どうしたのさ!?」


「お···?おう···、ライ···。待ってたぜ···」



 そこには燃え尽きて真っ白になったサムがいたんだ···。何があったんだろうか?



「か···、母ちゃんが···」


「えっ!?アエスさんがどうしたのさ!?」


「いきなり···、セールを···、やりだしちまった···」


「···え?どういう事?」



 魂が抜けかかったサムが言うには、どうも今日はこの浮遊大陸にお店を開いて650周年らしいんだよ···。


 そこで、いつもより大盤振る舞いでランチがポッキリ500ジール!さらには普段やってないお弁当までやっちゃったらしく、注文が殺到してサムはランチタイムで力尽きてしまったらしい···。



「あはは!すっかり忘れてたんだよ!今日が記念すべき移転650周年だってね!だから大急ぎで仕込んで振る舞ったよ!なんとかさばき切ったね〜!」


「移転って事は···、ご先祖のナツさんのお店からって事ですか?」


「そうさ!だからこのお店の名前は『ハンティング・アイ 浮遊大陸店(・・・・・)』なのさ。ご先祖のナツ様の本店を離れなくてはならなかった無念を忘れないため、そして今後も繁盛するように!って事で大々的にやったんだよ!ははは!」



 真っ白に燃え尽きて口から魂が抜けかかってるサムとは対照的に、まったくのノーダメージのアエスさん···。体力も実力もアエスさんが上って事が、改めて証明されてしまった瞬間だったよ···。



「ほんっと、サムは地上でサボってたね!たかがこの程度の(・・・・・・・・)お客さんをさばききれないだなんて···」


「無茶言うなよ!?8人分身で間に合ってねえんだぞ!?これ以上どうしろってんだよ!?」


「じゃかあしいわ!!あんたは動きにムダが多すぎるんだよ!ムダをなくせばあの程度はどうとでもなるもんさ!いつもは私1人(・・・)で切り盛りしてるんだからね!」


「えっ!?タースさんは!?」


「あいつは戦力外だよ。いてもいなくても別にいいよ。でも···、大事な時はちゃんと帰ってきてくれるからねぇ〜」



 ···なんだろう?文句を言いつつも、信頼してるような?


 結婚するとそうなるのかな?ボクはまだそんな相手はいないけどね。


 ···えっ!?『すでにいるだろ!』だって?それって誰のこと?わかんないけど···。



「ライ···。夕食の時間は···、頼む···。ガクッ···」


「えっ!ちょっとサム!?気を失わないでよ!?ボク1人じゃ店番できないよ!?」



 ちょっと待って!?サムの口から出かかっていた魂が口から離れちゃったよ!?サムが分身して8人になってこれだったら、ボク1人じゃムリだって!


 そう思ってると···、



「ライ、安心しな。最終手段ってのもあるからねぇ〜!」


「···え?最終手段···、ですか···?」



 ちょっとアエスさんが不気味な笑顔になってたけど、気にしないでおこう。うん。


 そうして恐怖の夕食の時間がやって来た!


 ところが!!



「今日は食べ放題だよ〜!入口で2000ジール払ったら食べ放題だよ〜!」



 そう、食べ放題にしちゃったので、ボクはなくなったお料理の補充とお皿回収のみになったんだ。確かにこの方法ならボク1人だけでもできそうだね!



「アエスさん!『ポテトっぽいフライ』がなくなりました!」


「あいよ!特盛りにしといたよ!」


「アエスさん!次は『何の鳥かランダム!からあげ』です!あと、サラダがもうすぐ切れそうです!」


「あいよ!ライは手際いいね〜!次に何がなくなるかをよく見てるし、厨房に戻る時に皿も引き上げてくれるしね〜!」


「ありがとうございます!次は『長すぎちゃってごめんなさいカツ』です!みんなタワー丼にするから一気になくなってます!」


「あいよ!もううちの子にならないかい?バカ息子より動きがいいよ〜!」


「さすがにちょっと···。ボク分身できないですし···」


「だったら今練習しな。遺産の知識にあるだろ?」


「えっ!?」



 ちょっとそれどころじゃないんだけど〜!?でも、運びながら遺産の知識に確認すると···、ふむふむ?こんな感じかな?えいっ!



「「「「あっ!?できた!?」」」」


「やればできるじゃないか!さすが『なりきり!伝説の神狼族セット』だねぇ〜!まだまだディナーの時間は続くよ!」


「「「「はい!頑張ります!」」」」



 ボクは4人に分身できたので、テーブルの片付け、外に並んでる人の整理もやったんだ。


 そしてラストオーダーを過ぎたその時だった!



「あれ···?」



 急に力が抜けてしまい、分身が解けてしまったんだ···。



「さすがにいきなり長時間4分身は厳しかったかねぇ〜?でも、これで長時間分身して戦えるって事だよ!戦力アップになったんじゃないかい?」


「は、ははは···。そ、そうかも···、しれないですね···」


「お疲れさん!ライも食べ放題を楽しみな!」


「は、はい···。ありがとうございます···。いただきます···」



 お料理はとてもおいしかったんだ。なんとか気力と体力が回復したよ。ホント、飲食店って鍛えられるんだなぁ〜。


 ···えっ?『ここは次元が違いすぎる!』だって?分身の術を常時使ってるからそうなんだろうね。

 トイスくん、結構思い込みが激しくて面白い子ですね~!お姉ちゃん大好きっ子なんですよ。しかしレンちゃんは小さいお子さんに何を教えてるんでしょうね?


 そしてサムくんが多忙で燃え尽きてました(笑)。飲食店って、ものすごく忙しそうに皆さん動いてますからね。某ファストフード店を2人でやった想定で書いてみました(笑)。分身して16人になってはいますが、お客さんが多い店舗だとこの人数でも厳しそうではありますよ。


 さて次回予告ですが、ついにテオくんの魂の器の修繕作業が本格的に始まりました。果たしてテオくんは復活できるのでしょうか?


 明日はお出かけしてますので投稿時間が若干前後するかもしれません。あらかじめご承知おき下さい。

 それではお楽しみに〜!

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