表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第5章 順調だった日常の崩壊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

141/229

5-18.ライ、『なりきり!伝説の神狼族セット』を着用する!

 おはよう!


 昨日はテオを治す手段について判明したんだ。今日からボクは造園屋さんに行って修行をしてくることになってるんだ。


 ボクが滞在しているのはサムの実家の飲食店の2階なんだ。昨日、夕食をここで食べさせてもらった時に···、



「じゃあ、ライはうちで泊まりな!空いてる部屋があるからね。そこで寝泊りしたらいいよ。え?滞在費?そんなものはとれないよ!サムがかけた迷惑料ってことで相殺したと思ってちょうだい!」



 ってアエスさんが言ってくれたんだ。


 ちなみにウインとコルメは実家に戻り、トルムは黒竜の集落に戻っていったんだ。みんな、ここに滞在している間に鍛えなおす!って言ってたよ。



 さて、ボクは部屋を出てリビングへ向かうと···?ボコボコにされていたサムがいすに座っていたよ···。



「お、おはよう。サム···。どうしたの···?」


「おう、おはよ。ライ。母ちゃんにしごかれた···」


「うわぁ~···。アエスさんって強いんだね···」


「まあな···。ライも明日から一緒にやるか?」


「えっ!?ど、どうしようかなぁ~?」


「いいんじゃないかい?いい経験になると思うよ?」



 そう言いながらアエスさんが2階にお盆を持って上がってきた。厨房が1階にあるからなんだね。お盆にはボクとサムの朝食が···、すごい量多いけど載っていたよ。



「おはようございます、アエスさん。ボクもやって大丈夫なんでしょうか?」


「何事も経験さ。もしかすると、うちのバカ息子よりも強くなっちまうかもね~!そうしたらあんたは用済みだ」


「母ちゃん!?な、なんて事を言い出しやがるんだ!?」


「本当の事さ。昨日の事情を聞いた限り、足手まといになりかねないんだよ。そうしたら、仲間の命の危機に関わってくる。そうならないと言い切れるのかい?」


「うっ···」


「だからこそのパーティーなんだよ。お互い足りないところを補い合ってやるのさ。でも、今のあんたは足りないところばかりだ。補い切れていない。だからこそ、しっかりと鍛えて戦力になってやるんだよ」


「···だったら、母ちゃんも父ちゃんも地上に降りたらどうだ!?あんな強い連中、母ちゃんでも···」


「そうするつもりさね」


「···え?」


「何を(ほう)けてるんだい?昨日言っただろ?神狼族は魔獣から人々を守る力を持ってるってね。···ご先祖様がここに避難してもう600年以上経ってるんだ。いい加減、そろそろ役目を果たしたほうがいいんじゃないか?って思ってたところさ」


「そ、そうなのか···!?」


「ああ。まぁ、ウインのところのエムスとヴィンターにも話をつけとくけどね。もちろん、あんたも最前線に行くんだ。死なないように鍛えるからね!」


「ひーーーー!?」



 さすがに昨日の魔獣同化能力については看過できないって事か···。神狼族の皆さんの力を借りれるのはありがたいね!



「そうそう、ライ?あんたは先祖の『賢者の遺産』を継承したんだってね?」


「はい。アキさんの力と神器、知識を継承しています」


「確か、トランスができるって言ってたね?」


「はい。アキさんが言うには『お試し版』らしく、10分しかもたないですけど···」


「無限収納カバンに『なりきり!伝説の神狼族セット』ってのが入ってないかい?」


「···えっ?なんですか?それ?」


「いいからあるかどうか探してごらんよ」


「は、はぁ···。あ?あった···。え···?これは···?犬耳の頭のかざりとつけしっぽ···?」


「これが秘伝書にあった伝説の神器だね···。神狼族のご先祖様であるアキの奥さんが、人族のアキのために創ったっていう···」


「えっ!?これって神器なんですか!?ただの飾りですけど!?」


「ただの飾りじゃないんだよ。着用者が神狼族の力を使えるようになる素晴らしい神器なのさ。特殊メイクをつけたら真のトランスもできるんだよ」


「す、すごい···」



 そんなものだったなんて知らなかったよ!とりあえずつけてみると···?



「えっ!?なんだか力が湧いてくるような!?」


「やっぱりね!賢者の遺産を継承しているから、神器に所有者として認められたよ!これでライもかなりの戦力アップになったんじゃないかい?」



 ···うん。賢者の遺産の知識であった武術とか魔法が、なんだか体にさらになじんだ感覚がするね。今なら技や魔法の精度が一気に上がった気がするよ!なぜかただの飾りであるつけしっぽがブンブン縦に振ってるけどさ···。飾りなのにどうして動くんだろうか?



「ありがとうございます!こんなものがあるなんて知らなくて···」


「え?そいつはおかしいね···。賢者の遺産の知識ならこの存在は知ってたはずだと思うけど?」


「そう言えば···。もしかしたら、今までのボクの体には負担が大きすぎたって事かな?前にも『制限解除』ってありましたから」


「なるほどね~!さすがご先祖様だ!そこまでライの事を考えてたとはね~」



 ホント、アキさんにはいつも助けられてるなぁ~。これをしっかりと使いこなせるようにならないとね。



 そして朝食をいただいて、お昼の弁当まで用意してもらって、ボクは単独でホルテの町へ向かったんだ。ここからだと身体強化状態で歩いて1時間かかるらしい。まぁ、ボクには転移魔法があるから、一度行ってしまえばあとは楽だよ。


 ものすごく体が軽い!この『なりきり!伝説の神狼族セット』のおかげなのかな?身体強化魔法も、今は10倍まで上げてるけど、全然きつくないんだよ。



 そうして、ボクはホルテの町に着いたんだ。あんまり見かけないような石造りの家が多いね。やっぱり古くからの一族が住んでるだけあって、地上とは全然町の風景が違うよ。


 町に入ってみると、やっぱりジロジロ見られちゃうよね~。やっぱりボクみたいな人族···、っていうか、今は神狼族の格好をしてるけど珍しいんだろうね。


 さて、この町に造園屋さんがあるみたいだけど、どこにあるんだろうか?わかんないからちょっと聞いてみようか?



「すいませ~ん!この町に造園屋さんがあるって聞いて来たんですけど、どこにありますか?」


「ん?造園屋だって?ウィリーのところでいいのかい?」


「え?ウィリーさん···、ですか?」


「知らないのに来たのかい?」


「は、はい···。知り合いにこの町に造園屋さんがあるってぐらいしか聞いてないので···」


「他の町で知られてるならウィリーのところだと思うけどね。この道をまっすぐ行くと、大きな道に出るよ。その道を左に曲がって山の方へ上がっていくと、立派な庭があるところに出るよ。そこがウィリーの工房だね」


「わかりました!ありがとうございます!」



 どうやら造園屋さんは複数あるみたいだ。有名なのがウィリーさんらしいんだけど···。合ってるのかな?


 そうして言われた通りにやってくると···、すごい立派な庭がある家があったんだ!こんな立派な庭は初めて見たよ!庭といえばグランドの町のアスの屋敷も立派な庭があったんだけど、ここはその上をいってるような気がするよ!


 さて、ウィリーさんはいるのかな?入ってみよう。



「こんにちは~!すいませ~ん!誰かいらっしゃいますか~!」



 ···返事がない。お留守なのかな?でも門は開きっぱなしだったけど?もしかして聞こえなかったのかな?


 そう思ってさらに中に入ってみると···、いた!でも···、なんか目を閉じて集中してるっぽくて声が届いていないようだったよ。


 邪魔しちゃ悪いから、ボクは目を開けるまで待つことにしたんだ。すると20分後···。



「···ん?うわっ!?だ、誰だお前は!?」



 びっくりされちゃいました···。大丈夫なのかなぁ~?

 前作のハルちゃんがアキくんのために作った神器である『なりきり!伝説の神狼族セット』が再び登場しました!ただの変装グッズのつもりが、神狼族の力まで使えるようになるというぶっとんだチートアイテムですね。ライくんが所有者として認められたので、今後はライくんの戦力が大幅にアップします。


 さて次回予告ですが、ライくんはテオくんの魂の器を修復するためにウィリーさんに弟子入りをお願いしますが、断られてしまいます···。どうするんでしょうか?

 さらには道でスリに遭ったりもします。そして戻ってきたついでにアルブさんに秘伝書を見せてほしいとお願いして見せてもらうと予想しなかったことが起きてしまいます!


 そんなハプニングだらけのお話をお楽しみに~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ