5-7.ギルド中央本部に乗り込もう!
本日は避暑で岡山県と鳥取県の県境にある新見千屋温泉にやって来ました!
結構標高高いのに暑いです~(笑)!
温泉入って執筆しますよ~!
「いなくなったな···。悪い、みんな。しくじっちまったぜ···」
「···サムは調子乗りすぎ」
「今回は反省してるよ。しかし···、オレのステルスを見抜かれるとは思わなかったぜ···。どうして見破ったんだ···?」
「サム?それは後で考えましょう。ここで何があったかを僕たちに話してもらえますか?」
「ああ、トルム。って、録音してたからな。それを聞いてもらいながら説明するぜ」
「あっ!?だったらダイナモに戻ってからにしようか?カソドさんたちにも聞いてもらった方がいいかも」
「そうね。ライの言うとおりだわ。ここはギルドの地下みたいだから、一緒に聞いてもらった方がよさそうよ」
「コルメの言う通りだな。んじゃ、帰ろうぜ!もう精神的に疲れたわ〜!」
「···サムは修行不足。···親に伝えておく」
「ウイン!?それは勘弁してくれ〜〜!!」
サムの救援に向かったらボイドがいた。ボクたち6人相手に分が悪いという事で逃げられちゃったよ···。
しかし···、ここで魔獣同化能力が行われていたなんて···。
イナの町でかつて戦った男もここでその力を与えられたのかな···?
ここはものすごくニオイがきつかった···。早く戻りたかったのもあったので、コルメの転移でダイナモに戻ってきたんだ。
時刻は夕方。ボクたちはギルドに報告へ向かったんだ。そして、いつものように会議室へ案内され、カソドさんたち4人にサムが録音した音声とともに潜入した状況の説明を行ったんだ···。
「信じられぬ事をするのだな···。『魔獣同化能力』···。災厄戦争の悪しき遺産か」
「ボクは一度だけ相手したことがありました。普通の人の状態でもとんでもない力とスピード、そして魔法まで使っていました。そして···、生きながらえるために人を食べると···」
「そんな!?」
ポーラさんが悲鳴をあげた。それに対してテオが魔獣同化能力者について説明してくれたんだ。それにカソドさんが対応した。
「テオくん。その『同化』をすると、人の姿を捨てるとのことだが、元には?」
「戻らねえな。一生高度な知性を持った魔獣として生きていくんだよ」
「そうか···。となると、常人を超えた力を持った人間は相当な数がいて、Sランクでも厳しい···。ということだな?」
「そうなるな···。あと、あの町以外でもやられてる可能性がある。想像以上に多そうだぜ?」
「厄介だな···。町に入る際にそんな確認は不可能だ。もしかすると、この町にもすでに入ってるやも知れんな···」
頭を抱えるカソドさんだった···。もしかしたら冒険者にもいるかも···。あっ!?
「カソドさん!総帥はキャビの町から来てます!もしかすると!?」
「···ほぼ間違いなく総帥も魔獣同化能力者と見て間違いなさそうだな」
「おいおい!?そんじゃあ!?」
「ああ。イグニスの懸念通りだ。···ギルド内部から組織破壊を食らったのも同然だな」
「マズいぞ!このままだと、ギルドが悪神や魔獣どもの言いなりになってしまうぞ!」
「バンドの言う事も最もだ。しかし···、証拠がない以上、中央本部を仮に攻めたとしても···、叛逆者扱いされてしまうのは明白だ。おそらく総帥の手の者で固めてるに違いないし、ほかにも魔獣同化能力を与えてしまうかもしれん···。もはや···、手を打つことができん···」
そういう事か···。これでボクたちが中央ギルド本部から追い出されたのかがわかったよ。
あの総帥が魔獣同化能力者だとしたら、ボクたちSランクの存在は邪魔だし脅威だ。だからこそ、あの手この手で追い出したんだろう。正当な手段を用いて。
魔獣同化能力者は傍目から見ても人間だ。魔獣レーダーにも反応はないんだよね。同化後にやっと反応するんだよ。
だからこそ、人間の姿が隠れ蓑になってるんだ。力とスピードがすごいけど、使わなければわからない。だからといってボクたちが無差別攻撃して耐えれるか?で判別なんてできやしない!
なるほどね···。ボイドの遊びってのは、人族の中に魔獣が隠れてるという事実を伝えてみんな疑心暗鬼に陥らせてコミュニケーションを遮断しようって事なんだ···。そして変に疑ったりして争って自滅するのをただただ見て楽しむんだね。ひどいヤツだ!
そうとわかった以上、手をこまねいてる場合じゃないと思うんだ。早急に手を打たないと、取返しのつかない事になっちゃう!
「···カソドさん。中央本部に乗り込んで総帥をボクが倒します。いいですか?」
「ライ!?本気か!?」
「テオ、ボクは本気。これは早く動かないと大変な事になっちゃうよ」
「おい、ライ!オレも行くぜ!さっきはヘマしちまったが、今度はやってやるぜ!」
「···いい腕試し」
「僕としても放っておけません」
「あたしもよ。こんな非道、許しちゃいけないわ!」
「みんな···。ありがとう」
Sランク全員の意見は一致した。しかし、
「待ちなさい!」
「えっ?カソドさん?」
「ライくん。気持ちは分かるが、その選択肢はかなりのリスクを伴うぞ?ヘタすれば···、大罪人になるぞ?」
「···覚悟の上です」
「ライ···。いいのか?」
「テオ。ボクもこんなひどいのを放っておけないよ」
「そうか。だったらオレも付き合うぜ!」
「ありがとう!テオ!」
「おっと!ライ!オレたちも忘れんなよ?おたずね者になっても、オレたちは浮遊大陸に帰るだけだしな!」
「···先手必勝」
「ライさん。ダメだったらライさんも浮遊大陸に来たらいいんですよ」
「そうよ、ライ!気にしちゃダメよ!」
「ありがとう、みんな!カソドさん、ごめんなさい!行かせてください!」
「···わかった。だが、相当な激戦になるだろう。今日はゆっくり休みなさい。あと、これをキミたちに渡しておこう」
「これは···、冒険者証?あれ?Dランク?」
「これは偽装の身分証だ。と言っても本物だがな。もしかするとここに帰ってこないかもしれないから、先に渡しておく。おそらく···、Sランクは指名手配されている可能性が高い。よって、Sランクの身分証は危険だ。だから、今後提示する身分証はこの偽装用を使うんだ。いいな?」
「わかりました」
「気をつけてくれ···」
レクトへの出撃は明日となった。何としてでもここで食い止めないといけない!
一方、レクトのギルド中央本部では···、
「キャビの製造工場が潰されただと?」
「そのようです。どうやら製造完了してたそうなので、大した損害にはなってませんよ。おそらくSランクの連中でしょうな。ここに来るでしょう」
「ふん!思ったよりも早く気づきやがったな。だが、まぁいい。今日だけでもかなりの手駒が増えたし、今も量産中だ。不良品もかなり少ないからはかどっているよ。···町の連中を今すぐ全員連行させろ。完成品を全部投入しておけ」
「はっ!ふふふ···。あの小さな町でそこそこ完成品ができたのです···。ここは冒険者だらけですし、完成品の割合はさらに高まってますからねぇ〜!素体の質もいいので、かなり強力ですよぉ〜!」
「まぁ、今来たとしても十分に返り討ちにできる戦力となってるしな。ちょうどいい。ここで目障りなダニを潰しておけば安泰だな!ははは!」
この時、レクトの状況はボクたちが想像していた以上にひどい状況になっていたとは知らなかったんだ···。
敵側、魔獣同化能力者たちの企みが明らかになりました。キャビの町の住人全員が改造されて耐えられた者が魔獣同化能力者にさせられてしまっていたんですね。
その事実を知ったライくんはレクトでも同じことがされていると考えて早急に攻め込もうと判断しましたが、レクトでは住人たちも同様にされてしまっている状況になっていました。これは一筋縄ではいきそうになさそうな予感がしますよ?
ここでカソドさんは事前に用意していた偽装身分証を渡しました。もちろん本物ですが、本来はこういった事ができません。とある理由でここのギルドではこういった越権行為が可能となっているんです。その理由はこのあと登場しますよ。
さて次回予告ですが、ライくんたちはさっそくレクトへ出撃します!
レクトに到着すると、すべての跳ね上げ橋が上げられて完全に封鎖されていました。壁を飛び越えて中に入ると、先日サムくんを罵倒した冒険者が立ちはだかりました!しかも今回は魔獣同化能力者として襲い掛かってきたので、ライくんとテオくんコンビが相手をします。しかし!全力でやっても効果がありません!ライくんたちは絶体絶命のピンチに陥ります···。
それではお楽しみに~!




