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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第5章 順調だった日常の崩壊

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5-6.救援要請

「あらあら〜?どうやらここにいそうね?どうやって姿が見えないのかわからないけど···」



 オレはキャビの町に潜入して調査してたら、ギルドの地下に人体実験をしていた場所を見つけちまった!そして···、ついに見つかっちまった!


 オレはその場から飛び退いた!その瞬間!ステルス状態が解除されてしまった!潜入用の技だが、こういった急な動作をしたり誰かと接触したら解除されちまうんだ!


 すかさずオレは救援要請をした!Sランク全員に緊急通報する機能がスマホには備わってんだ!タッチひとつでできるんだぜ!


 あとはオレが時間稼ぎをすれば、コルメは5分で来れる!こいつはヤバい!オレ1人では厳しいかもしれんからな!



「ほ〜ら!やっぱりいるじゃないのよ。カワイイ獣人の男の子···。私の好みね〜!」


「悪いがオレはあんたみたいな女は嫌いだぜ?」


「つれないわねぇ〜。乙女の秘密を暴こうとしたんだから、それなりに(むく)いは受けてもらうわよ?」


「嫌なこった!オレは帰らせてもらうぜ!あばよ!!」



 ボンッ!!


 ヘヘっ!暗殺技『煙玉』だ!相手の視界を奪い、そのスキに逃げる技だ!


 こいつらが何をやってたのか、そして企んで実行していたのかはわからんが、雰囲気からしてかなりヤバいからな!さっさと逃げるが勝ちだ!



「甘いな」


「な!?ガッ!?」



 ドズーーン!!


 いきなりオレの顔をわしづかみにして地面に叩きつけやがった!!とっさに『代わり身』で受けたからノーダメージだが···。どうやって見破ったんだ!?


 くそっ!退路の前にさっきの男が立ち塞がりやがった···。出口はその男の後ろの廊下のみ···。1対2か···。これはマズい状況だぜ···。



「うふふふ!そんなに慌てて帰らないの。せっかくこんなところに来ちゃったんだから···。ゆっくりと遊びましょう?」


「やなこった!オレはとっとと帰ってメシ食いたいんだよ!」


「あら?お食事をしたいの?なら···、ここでしたらいいわよ?あなたが食材になるけどね~!」



 女がそう言った次の瞬間!男がオレの目の前に来ていた!?オレより速いだと!?そんなバカな!?


 男が殴り掛かってきた!その腕をとって『一本背負い』で投げ飛ばしてやった!ご先祖様の武術の一つだぜ!


 投げ飛ばした男はよくわからん容器に激突して体にガラス片がつきささりまくっていた。血まみれでかなりのダメージが入ったはずなのに、平気な顔をしてやがるぞ!?



「ほう?やるではないか?」


「てめぇ···。人間じゃないな?身体強化もせずにあのスピードとパワー、そして傷ついているのに平然としてるところ···。人間離れしすぎてるぜ!」


「いや、人間ではあるがな。少し力を持っているだけに過ぎんがな」


「···なんだと?どういうことだ?」


「貴様が知る必要はない。···どうやら変わった獣人のようだな?素材にはもってこいではないかな?」


「なんだと!?素材って···、オレの事か!?」



 素材···、おもちゃ···、人間を超える力···、魔獣の死体···、人が入れるような機械···。ま、まさかこいつ!?



「···そういう事かよ。ここは『魔獣同化能力』を与える施設か!」


「ほう?よくその言葉を知っていたな?災厄戦争の時に滅んだ技術なのにな」


「うちにある秘伝書に書かれてたんだよ。『悪魔の技術』だってな!」


「悪魔···。その秘伝書とやらを書いた愚か者は、この技術の素晴らしさをまったく知らんようだな」


「知りたくもねえぜ!···まさかそこの女は悪神ボイドか!?」


「あら~?私の名前まで知ってるの?あなたは初めて見た子だけど···?」


「知り合いがあんたにひどいめに遭わされたってグチってたからな!」



 あぁ~、どうする?こいつらに『真のトランスは見せるな!』って母ちゃんに言われてるんだよなぁ~。『見せたらどんな手を使ってでも捕らえられる!』って言われてるからなぁ~。オレの生命力を吸い出して竜人みたいな惨事を引き起こすことは絶対に避けなきゃならんしな!神狼族以外で龍脈と魔力共有したら、この星が滅んでしまうからな!


 こうなったら時間を稼いでやる!あと2分でコルメが来る!あいつ、オレが救援要請を出した瞬間に転移してライたちを連れてきやがったみたいだ。



「この町の連中はお前らがやったのか!?」


「そうよ~!ここの連中は『力が欲しいか?』って言ったらみんな乗り気だったのよ。だから魔獣の生命力を無理やり与えて力をあげたのよ~。1割ぐらいしか成功しなかったけどね~」



 なるほど。治安が悪いって事は力で町を支配をしていたってわけか。だからより力を欲して喜んで実験体にされたってわけか···。



「成功した連中はどこに行った?」


「それはもういろんなところよ。特定の場所ではないわね~」



 なんてこった!?って事は、普通にいる人の中に魔獣同化能力を持ったヤツが紛れ込んでやがるのかよ!?



「こっちの質問に答えてあげたんだから、今度は私から質問させてもらうわよ?あなたはどこのどなたかしら?」


「名乗るようなもんじゃねえよ」


「···不誠実ね。情報を提供してくれたら、この場は見逃してあげてもいいのだけど?」


「へっ!あいにくオレは不良なんでな!不誠実で生きてきたから今更だぜ?」


「そう···。じゃあ、あなたを素材にしてあげるわ。やりなさい」


「···残念だったな。そうはいかなくなったぜ!」



 ズドーーーーン!!



 オレが言った直後、天井が爆発して崩れ落ちた!そして5人が飛び込んできた!オレにもたくさんガレキが飛んできたぞ!?無茶苦茶しやがって!



「お待たせ!助っ人たっくさん連れてきたわよ~!」


(おせ)えよ!ってか、なんて魔法使いやがるんだ!危うく死ぬところだったんだぞ!?」


「···修行不足」


「これは不可抗力だ!」


「みんな!相手は···、強敵だ!」




 ボクたちは出番ないので、トルムとウインを連れて町の案内をし終わって、まんまる亭のベッドでのんびり横になっていた。そうしたらいきなりスマホから警告音がしたんだ!


『救援要請:サム』って出てびっくりしたよ!確かにこういった機能があるのは知っていたけど、まさか本当にサムがピンチになってるなんて思わなかったんだ!すると、ノックもせずにウインとトルムが部屋に入ってきた!



「···ライ、テオ!···あのバカがドジ踏んだ」


「みなさん!コルメが転移で迎えに来ます!すぐに戦闘準備を!僕たち全員で行きましょう!」


「ウイン、トルム!わかった!」



 そう言った次の瞬間!コルメが転移で戻ってきた!すぐにつかまって転移し、そこからコルメが高速飛行魔法で突撃したんだ!


 救援要請はキャビの町のギルドの建物の地下からだった!上空に到着後、即座にコルメが魔法を撃ち込んだ!



「ストーンメテオ!」



 土魔法で巨大な岩を作り出してそのまま真下へ放り投げた!当然ながら建物は崩壊し、地下室の天井をぶちぬいてサムがいるのが見えた!


 そうして降り立ったら、見知らぬ男と···、悪神ボイドがいた!



「あらあら~!?どこかで見た子だと思ったら、いつかのチビ竜と一緒にいた賢者の遺産の継承者(サクセサー)ね?会いたかったわぁ~」


「ボクはあなたに会いたくありませんでした。ここで何をやってたんですか!?」


「うふふふ!と~っても楽しいおもちゃを作っていたのよ?これでこの世界はもっともっと楽しくなるわ~!」


「おもちゃ?」



 ボクが不思議に思うと、すぐにサムが答えた!



「こいつら、ここで魔獣同化能力持ちを作ってやがったんだ!」


「なんだって!?」


「···じゃ、この男も?」


「ああ!その証拠に、この男はさっきまで血まみれだったのに、もう回復してやがる!」


「なるほど。僕と同じような能力を持っているんですね?」



 でも、このメンバーなら問題ない!ボクもトランス状態になれば倒すことはできるんだ!しかし···。



「う~ん···。さすがに2対6では分が悪いわね。今日は引き揚げさせてもらうわ。もうちょっと楽しい遊びの準備が整ったら会いましょうね~!」


「あっ!待て!」



 ボイドと男は消えてしまった···。『楽しい遊び』···。どうも嫌な予感がするよ?

 サムくんはスマホワンタッチで緊急通報ができるようになってましたね。番外編ではスマホの使い方がわかってませんでしたから、成長しましたよ。

 この緊急通報、使った事ある人はほとんどいないでしょうね。そういう場面に出くわす事ないですからね。

 ちなみに作者は一度だけ110番通報しました。仕事ではかけることあるんですけど、私用は1回だけですね。

 ショッピングセンターの駐車場から右折で出ようとしたら、左から来た車の後部に当てちゃったんですよ···。いわゆる盲点に車がいたっぽいんですね。パニクりながらも110番通報して処理してもらいました。運よく相手方にケガなかったです。


 作者のドジは置いといて、サムくんもしくじってしまいましたが、時間稼ぎしつつちゃんと情報を引き出しましたね。転んでもタダでは起きないのがサムくんのいいところなんですよ。


 さて次回予告ですが、サムくんの情報をカソドさんに伝えて今後の方針を決めます。

 ギルドが魔獣同化能力者たちに乗っ取られてしまったので、取り返そうと決意しますよ〜!


 それではお楽しみに〜!

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