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1-6.ライ、お金について学ぶ

 本日は本格的な投稿初日!ということで一挙6話投稿します!

 ここは6話目ですね。ここから読み始めた!という方は5話前からお楽しみください。

 本日の投稿はここまでとなります。

 町に侵入した魔獣を撃退した翌日、ボクたちは兵士さんたちの詰め所にいるように言われてじっとしていたよ。


 しばらくすると、スナ隊長が手配していたという人が部屋に入ってきた。



「こんにちは。ライくんとテオくんだね?」


「はい。ライです」


「テオだぜ!」


「テオくんはドラゴン族なんだってね?初めて見たよ。伝説でしか語られない種族が本当にいるだなんて、ビックリだよ!」


「は、はぁ···。たぶんオレしかいないだろうけどな」


「そうなんだ···。まぁ、詳しいことは聞くなって言われてるからここまでにしておこう。私はソレという。行政関係の手続きを担当していてね。キミたちの身分証ができたから渡しておくよ」


「ありがとうございます。これが身分証なんですね?初めてみました!」


「オレもだぜ!ありがとな」


「初めてって···、確かライくんはマイカの村だったよね?見たことないのかい?」


「はい。村のみんなは持ってませんでしたね。村長さんは持ってたのかなぁ〜?」


「村長は持ってたよ。···変だな。彼が村の行政手続きをこの町でやっていたはずなんだが···。その際に村人の身分証は発行してるはずなんだけど?」


「えっ?それって···」


「···なるほど、そういう事か」


「どういう事···、なんです?」


「村人たちの身分証を犯罪組織に売ったんだろう。犯罪者に偽造の身分証を持たせるためにね」


「えっ!?そ、そんな···」


「他人の身分証を得るためには盗むか殺すかのどちらかだ。どちらもリスクは高いが、村長はそれを知ってまとまった数を高値で売り飛ばしたんだろうな」


「聞いててヒドイ話だぜ···」


「まぁ、安心してほしい。同じ人で身分証は2つ作れない。ライくんは作れたということは、ライくんの身分証は悪用されてないって事だからね。他の人はこちらで無効手続きしておくよ」


「よ、よかったぁ〜」



 まさか村長さんが犯罪者だったなんて···。何か理由があったのかな?だから『村の外に出るな!』って言ってたのかな?もう聞くことはできないけどね。


 身分証···、ボクは初めて見たけど、親指と人差し指を開いたぐらいの大きさだ。ボクの顔と住んでる村の名前が書いてあったよ。ちゃんと『マイカ村』って書いてくれてるよ···。見ただけでちょっと涙が出ちゃったのはナイショだよ!


 これがあれば基本的にどの町にも行けるらしいね。悪い事したら記録されてその町には入れなくなるらしい。


 テオもボクと同じでマイカ村に住んでることになったよ!まぁ、近くの森の奥にあった湖にいたんだけど···。どうでもいいよね!



 その後もソレさんと話をしていたんだ。魔獣の話も聞いた。だんだん魔獣が手強く、さらには数が増えてるらしいね。今回こそはもう終わりだと考えてたんだって。


 ソレさんはボクが魔獣を倒したって事は知らなさそうだ。あんまり話すと気づかれそうだから、ほどほどにしておいたよ。


 ソレさんは忙しいから、話が終わったら帰っちゃったね。そして昼食をいただいた。


 食べ終わった頃にスナ隊長が戻ってきたよ!



「おう!待たせたかな?」


「いえ、お昼いただいてましたから」


「そうか。オレも食べてないんだが···、先に用事を済ませるか。オレの部屋に来てくれ」



 そう言われて、ボクたちはスナさんの部屋に行った。



「あぁ~、疲れた!とりあえず先に報奨金渡しておくぞ」



 そう言ってカバンからちょっと大きな布袋を取り出して渡してくれた。


 受け取ってみると···!?



 ガチャーーン!!



 ···重たかった!!



「はっはっは!あんな凶暴な魔獣を倒したにしちゃ、腕力ないな!」


「もう〜!こんなに重いなんて思わなかったですよ···。これは?」


「金貨も知らないのか···。それがお金だ」



 お金。初めて見たんだ。村では物々交換だったしね。


 スナさんによると、入ってるのは1万ジール金貨だそうだ。他にも1,10,100,1000ジールのコインがあるんだって。遺産の知識によると、アキさんの時代では身分証がお財布代わりにもなってたらしいよ。昔は便利だったんだなぁ~。



「今回の報奨金は500万ジールだ。盗まれないようにしろよ?大金なんだからな」


「えっと···。500万ジールって大金なんですか?」


「そこからかよ!?そういや、村じゃお金見なかったって話だったな。100ジールでパン1つ買えるぞ。お前たちが泊まった宿は1泊4500ジールだったんだ」


「···すごいお金じゃないですか!?」


「だから言っただろ?気をつけろってな。その布袋持ってたら『狙ってください』って言ってるようなものだぞ?」


「わかりました。じゃあカバンに入れておきますね」


「ちょっと待て!なんだその肩掛けカバンは!?金貨の分だけ膨らまないじゃないか!?」



 ボクが無限収納カバンにするっとしまい込むと、スナさんが驚いたよ。あぁ~、そりゃ驚くか。



「このカバンはどんなものでも入っちゃうんですよ」


「···思ってた以上にとんでもないヤツだったんだな」


「もらいものですけどね」


「···まぁいい。とりあえずこの町から出発しておけ。領主にはなんとか別の理由で無理やり納得させたが、見つけたら兵士にしろ!なんて勝手なことを言い出したからな。ここにいたらバレるのも時間の問題だぞ?」


「わかりました。いろいろありがとうございました!」


「こっちこそ大した事はできてないけどな。これからどっちへ行くんだ?」


「···考えてなかったです」


「おいおい!?大丈夫かよ!?」


「たぶん···?テオは空を飛べるので、町を見つけたら訪れようかと···」


「行き当たりばったりかよ···。ここから南に行くとダイナモって町があるぞ。そこへ行ってみたらどうだ?」


「わかりました!行ってみますね」


「それと···、ここからはおせっかいかもだが、旅を終えたらどうするつもりだ?」


「村に戻ります。今はもうパパやママ、村のみんなのお墓しかないけど、そこに家を建てて住むつもりです」


「···そうか。それだけの実力があれば大丈夫かもしれんな。ムリするなよ?」


「はい!ありがとうございました!」


「ありがとな〜!」



 こうしてボクたちは町を出た。身分証にお金···。これがあればなんとか旅ができそうだよ〜!




 ···行ったか。


 一応、領主に報告する前に侵入した魔獣を見てきた。ノイドのヤツが報告に行ったら門前払い食らったらしいしな。


 想像以上に見事だった。並の武器じゃコイツらにはキズひとつつけられない。現にオレが持ってた剣で試し斬りしたが、倒された状態でも刃が立たないんだ。


 これをものの見事にライはきれいに切り飛ばしていた。しかも1撃でだ。いったいどんな武器か魔法を使ったらこうなるのか···。


 足を狙ったのもいい。動けなくしてしまえば、広範囲に被害が及びにくいし攻撃方法もかなり封じれるしな。


 そして動きを止めてからの脳天へトドメの一撃···。


 あまりにも鮮やか過ぎる。5歳の子どもがやったなんて、未だ信じられないほどだ。


 ···だが、事実だ。ライには何か秘密があるのは間違いない。白銀竜のドラゴン族という伝説の存在が顕現したことといい、何かが起こるのやもしれんな。


 今の世の中、魔獣が多すぎていつ昨日のようになってもおかしくない時代だ。願わくば、あの子たちが無事に旅を終えれるよう、祈るばかりだな。

 第1章の前半はこれにて終了です。

 本当に何も知らなかったと、この時にライくんは改めて知ることとなりました。村長が犯罪者で村人を村から1歩も出さないようにしていたのは身分証を売り払った犯罪がばれないようにするためです。村民を人扱いしてなかったんですね。

 そしてライくんはいきなり大金を手にしました!この時代ではアキくんの時代のように身分証でタッチ決済ではなくなって、現金でのやりとりに退化してしまったんです。まぁ、無限収納カバンがありますので重さとか体積は関係ないですけどね。


 さて次回予告ですが、ライくんたちは隊長さんが言ったダイナモの町へ向けて歩いて向かいます。道中、魔獣の群れがいたのでここでテオくんの実力が明らかになりますよ~!


 明日からはGWまでは土日祝については朝と夜に1話ずつ、平日は原則21時過ぎの投稿となります。

 それではお楽しみに~!


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