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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
番外編 Sランクメンバーの過去、そして···

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番外編-07.ウイン、ギルドの騒動を収める!

 すっかり忘れていた···。お金、持ってなかった···。


 いや、お金はちゃんと持っている。けれど、それは浮遊大陸のお金だ。地上じゃ使えない。


 一応地上のお金は家にはあった。それは親やおじいちゃんが地上で武者修行した際に稼いでいたお金だ。使いきれなかったお金が家にあったんだけど、持ってくるのを忘れていた。


 これは困った···。宿にも泊まれない···。食料は携帯食があるのでしばらくはなんとかなりそうだ。


 とにかく、冒険者とやらになっておけば稼げるみたいだ。さっさとなって稼いで···、あのパン屋さんのパンを買おう!



 パン屋に後ろ髪を引かれるような気がしつつも、パン屋を後にしてまっすぐ進むと広場に出た。目の前にはそこそこ大きな建物があった。


 ここかな?鎧とか着込んだ人たちが出入りしているし、間違いない。


 中に入ると、たくさんの紙が貼ってある掲示板、食堂、そして受付と思われるカウンターがあった。カウンターは今は結構並んでいるね。



「おい!テメエ!どういうつもりだ!?なにしやがる!?」


「どうもこうも!最初に手を出してきたのはキサマだろうが!?」


「あぁ!?ふざけんじゃねえぞ!!」


「ふざけてるのはキサマだ!」


「ナメやがって···!叩き斬ってやる!!」


「あなたたち!ギルド内で刃傷沙汰は禁止ですよ!!」


「「じゃかあしいわ!!」」



 食堂で大柄な男同士が武器を抜いてモメてる。それを止めようと受付の職員が慌てて出てきたけど···、弱そう。仕方なしってかんじ?


 周りの連中は完全に無視だ。いや、どっちが勝つか賭けようとしてる輩もいるね。止める気はなさそう。


 ···仕方ない、止めるか。受付もストップしてるし、非常に迷惑だ。あのパン屋のパンを食べれなくて若干イライラしてるし。


 男どもが武器を振り上げて襲いかかろうとしたその瞬間、私は2人の間に入って片方は武器を持ってる右腕を受け止め、もう片方は魔力剣で受け止めた。



「なっ!?」


「なにっ!?だ、誰だ!?」


「···刃物でケンカはダメ」


「勝手に止めに入るな!···な?う、腕が!?お、おい!離しやがれ!」



 当然放すわけがない。そう思ってると魔力剣で受けた側が状況を把握してニヤリとしだした。



「へっ···、いいぜ〜。嬢ちゃん!そのままそいつを押さえててくれよ!」


「···やかましい」


「え?ぐあっ!!」



 何を勘違いしてるんだ?両手じゃ2人とも止められないから魔力剣で受けただけなのに、味方してくれたと思われた。イラッっとしたので、受けていた魔力剣を振り抜いて吹っ飛ばしてやった。


 その後で腕をつかんでいたヤツには魔力剣でみぞおちを突いて気絶させてやった。もちろん、鈍器モードだ。



「···つまらぬ者を倒してしまった」



 魔力剣を収納して周りを見ると、みんな呆然としていた···。ん?どういう事?


 そう思ってると、受付嬢が恐る恐る声をかけてきた。



「あ、あの〜?あなたはどちら様ですか···?」


「···ウイン」


「ウインさん···、ですか。えっと···、ここじゃ見かけない方ですけど···、冒険者ですか?」


「···違う。···これからなる」


「···え?冒険者じゃないんですか?」


「···(コクッ)」


「冒険者でもないのにこのお二人を瞬殺しちゃうなんて···。Cランク上位の人なんですけど?態度と酒グセ悪いのがダメですけど···」


「···必要ないのに武器を抜いた時点で失格」


「あ、あはは···。と、ところでウインさんはどうしてギルドに···?」


「···冒険者登録ってのをしに来た」


「そ、そうなんですか?わかりました。では···、この申込書に記入して座って待ってて下さい」


「···ん」



 どうやら冒険者になれそうだ。さっさと魔獣を狩ってお金を手に入れないと···。さっきのパン···、パン···、パン···。じゅるり···。



 結局2時間待った。その間にいろんな冒険者に声をかけられた。



「なあ、嬢ちゃん!うちのパーティーに入らないか?それだけの腕だったら問題ないぜ!」


「うちのパーティーに来てよ〜!こんなかわいくて強い子、大歓迎だよ〜!」


「おい!オレが先に声をかけたんだぞ!交渉優先権はオレらにあるんだぞ!?」


「何よ!?同時に交渉しても問題ないでしょ!?どっちのパーティーに入るのかはこの子が決めることよ!」


「やかましい!どうだ!?うちなら···、これぐらいの対応はできるぞ!」


「んなぁ!?だったらうちは···、これでどうかしら!?」


「ぐっ!?だったらうちは!」


「そうはさせないわよ!?うちはさらに!!」



 私が座ってるテーブルの前で勝手に声をかけてきて勝手にケンカし始めた。これがここでは当たり前···?


 よくわからないけど、私と同程度の実力のない人と組むのはゴメンだ。絶対に私に戦力を頼りきりになる。信用はできない。


 知人だとサムかコルメかな?レンでもいいけど、あの子の常時ヒーローハイテンションにはちょっとついていけない。



「「さあ!どっちに入る!?」」



 ···まったく話を聞く気がないので無視していたら決断を迫られた。どういう話かは知らないけど、答えは最初から決まってる。



「···どっちもごめんなさい。···私はソロで動ける」


「そ、そうか···。じゃあ気が変わったらいつでもいいぜ!」


「残念···。でも、うちもあきらめないからね!」



 ···ふぅ。引き下がってくれた。さっきの大男のように突っかかってくると思ってたけど、引き際を知ってるようだ。



 そして受付嬢がやって来た。



「お待たせしました〜。この時間は帰ってくる冒険者が多いので、混んでるんですよ。それじゃあ申込書を預かりますね」



 申込書を受付嬢が持っていって別の係員に渡して戻ってきた。



「それじゃあ冒険者ギルドの制度について基本的な事をお伝えしますね!」



 かなり時間もかかって、外はもう真っ暗になった。お腹すいた···。


 とりあえず今日の宿を確保しなくては···。野宿もいいけど、さすがに町中でやるのはよろしくない。


 ただ···、お金がない!どうしようかと考えてると、



「ウインさん。さっきの騒動を収めてくれたお礼として、わずかですが謝礼をお渡ししますね」


「···これで夕食と宿は確保できる?」


「え?ええ。ここの隣の宿でしたら1泊分ぐらいですけどね」


「···助かった!」



 ···うん、やはりいい事をすればいい事が帰ってくる。ご先祖様も『人助けは可能ならやっておくように』って言ってたけど、まさにその通りになった。


 ご先祖様の教訓のおかげでこれから夕食にして、宿で1泊できた。


 ···ご先祖様、ありがとうございます。

 アレバくんのパンに魅了されてしまったウインちゃんは、アレバくんのパンを買うことが目的になってしまいました(笑)。魔獣退治して武者修行が目的なのに、魔獣退治してお金稼いでパンを食べる事しかもう頭にありません。

 まぁ、魔獣退治ということ自体はブレてはいないんですけどね。


 ギルドではさっそくケンカの仲裁に入りました。この時のウインちゃんの止め方は宮崎駿監督の映画『風の谷のナウシカ』のユパ様をイメージしてみました。あちらは腕に剣が刺さってたかと思いますが、ちょっとそれはさすがにまずいので片方を魔力剣、もう片方は右腕をつかむという形にしました。

 なぜかケンカ仲裁はナウシカをイメージしちゃったんですよね~。あちらも剣豪だったからかな?


 そんな事をしたので実力が知られてしまい、勧誘をされましたね。断ったら相手も引き下がりました。ヘタしたら自分たちがやられるかも···?って思われちゃったようです。


 さて次回予告ですが、(パンを買うために)ねんがんの冒険者になったウインちゃんは、さっそく最も凶悪な魔獣退治にでかけます。たくさん狩ってお金をゲットしてアレバくんのパンを買おう!と思って換金しようとすると、思わぬトラブルが発生してしまいます!果たしてパンは買えるのでしょうか!?


 それではお楽しみに~!

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