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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
番外編 Sランクメンバーの過去、そして···

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番外編-04.サム、料理をする!?

 本日は作者が夜勤なので朝に投稿しています。

 フランシスの町に来て2週間が経った。


 まぁ、ここの宿屋でぐうたらしてるけどな。たまに受付嬢が押しかけてきて、魔獣退治してこい!ってうるさいけどな。


 この受付嬢、なんだか母ちゃんのノリの気配がするのは気のせいか···?なんで家出したのに家にいる時のような目に遭うんだよ?


 そんなある日の事だった。



「(コンコン)サムさん?いますか?」



 今日は受付嬢じゃなかったな。ここの宿の娘ちゃんだ。



「ん〜?いるぞ〜。どうした?まだ晩御飯の時間じゃないだろ?」


「申し訳ないんですが、今日の晩御飯が用意できなくなってしまいまして···」


「あ?どういうことだってばよ?」


「パパがギックリ腰になってしまいまして···。料理できないんですよぉ〜!」



 ここもかよ···。うちも親父がよくぎっくり腰になりやがるけど、厨房に立ってるとなりやすいのか?母ちゃんはバケモノ並みに頑丈だから関係ないけどな!



「あ〜、わかったぜ。よかったら回復魔法かけとくか?」


「いいんですか!?」


「まぁ、世話になってるからな」



 というわけで、この宿のおやっさんのところに行くと、顔中に脂汗を流しながら痛みに耐えているおやっさんがいた。



「あ〜、これはつらそうだなぁ〜」


「うぐぐぐ···。サム···?どうしたんだ···?」


「うちの親父と一緒じゃねえかよ···。見てるのつらいから、回復魔法かけとくぜ」


「す、すまん···」



 とりあえずかけておいたが、それでもそう簡単に動けないんだよなぁ〜。うちの親父もよくギックリ腰になって引きこもってやがったしなぁ〜。しかも動けないくせにどこかへふらっと出かけて知らない間に戻ってるし···。うちの親父もよくわかんねえんだよなぁ〜。



「サム、ありがとな···。しかし、今日の夕食はムリだ。すまんな」


「別にいいぜ。そうだ、よかったら厨房貸してくれるか?勝手に料理させてもらうぜ?」


「その程度ならいいが···。サムは料理できるのか?」


「まぁな。こう見えてもうちは食堂やってたんでな」


「そ、そうなのか!?」


「ああ。せっかくだし、みんなの分も作ってやるよ」


「すまないな···」



 ってなわけで厨房に来た。うちの厨房に比べれば貧弱だな···。よくこんな厨房でここの宿の連中のメシを作ってたな?って、うちがすごすぎるのか···?


 そういえば、なんか浮遊大陸に避難した時に本店の厨房機器を持って来たらしいって母ちゃんが言ってたな。って事は、あれは昔のご先祖様の店の厨房機材だったのか?よくわからんが、普通にオレも使ってたから気づかんかったわ···。


 さてと···、とりあえずおやっさんには早めにぎっくり腰を治してもらわねえといけねえから、骨を強化する食べ物系がいいな!先日暇つぶしに川で魚釣りしたから、その魚を使うか。とりあえず簡単な小魚の料理でやってみっかな!


 食糧庫には小麦があるな···。おっ!?卵あんじゃんかよ~。そんじゃあ名前の知らん魚のフリッターをやってやるか!


 油は母ちゃんが無限収納ポシェットに入れてくれてた油を使う。鍋に入れて温めてから魚を小麦と卵を混ぜた生地に漬けてじゃんじゃん揚げていくぜ~!



「は、初めて見たわ···。こんな料理があるのね···?」



 宿の娘ちゃんが厨房の隅っこでオレの調理を見てやがったんだけど、オレの調理をじーーーっと見てたんだよ。



「ん?まぁ、これは簡単調理だけどな。うちの母ちゃんはもっとたくさん料理できるんだけど、オレはややっこしい料理は苦手なんだよ。こういうお手軽でうまい料理なら結構レシピは知ってるぞ」


「へぇ~。これは勉強になるわね···」


「そんな勉強なんて後にしろ!ほら、出来立てが一番うめえんだぞ?おやっさんのところへ持って行ってやれ」


「わ、わかったわ!」


「あっ!それと宿泊してる連中にさっさと食べに来いって言っとけ。これは冷めたらマズいんだよ」


「そうするわ!」



 さてと···。もう一品はポテチだな!こいつもなかなか病みつきになっちまうんだよなぁ~。うちの居酒屋メニューでも人気メニューの一つだ。せっかく貴重な油を使った料理やってんだからな!どうもこのレシピはご先祖様のアキさんの世界の人気料理って言ってたような気がするけど、まぁうまけりゃいいんだよ!


 イモを薄切りにしてじゃんじゃん投入し、からっと揚がったところでさっと軽く塩をかけて出来上がりだ!



「ほら、もう1品できたぞ。これは冷めてもおいしいからな!」


「えっ!?もうできたの!?」


「おう。さっさと作らねえと、うちの店は人気店だったから客がさばききれねえんだよ。もう一品作るからな」


「わ、わかったわ!」



 次はから揚げだな!こいつもスパイスのころもをつけてサッと揚げてしまう。これも人気だな!厨房の食糧庫には野菜もあったから、千切りにして添えてやると彩り豊かな料理に見えるんだぜ。



「よ~し!こんなもんかな?どうだ?」



 2つの大皿にてんこもりのから揚げとポテチ、そして小魚のフリッターをドーーーン!っとテーブルに置いてやった。宿泊客の連中もびっくりしてやがったな!


 さて、どうかな···?



「えっ···!?おいし~!」


「なんだこりゃ!?どんどん食べれるぞ!?」


「酒が欲しくなってきたぞ!嬢ちゃん!酒を持ってきてくれ!」



 ははは!どうやらうまくいったみたいだな。簡単にできるうちの料理だけど、地上でも評判は良さそうだな。



「サムさん!ありがとうございました!パパもだいぶ痛みが引いてきたって言ってますから、明日は大丈夫だと思います!」


「おいおい···、痛みがなくなったから完治じゃねえんだぞ?もう2、3日寝てろよ。こんな簡単な料理でよければ作ってやるからよ」


「え!?い、いいんですか···?」


「ああ。たまにこうやって料理しておかないと、腕が(なま)るって母ちゃんがやかましいからなぁ~。帰って腕が(なま)ってたら張っ倒されかねえしな」


「ははは···。すごい料理人なんですね?サムのお母さんって」


「まぁな。母ちゃん一人で毎日300人さばいているからな~」


「ホントですか···?」


「ああ。うちの実家は人気店だし、代々料理人でな。ご先祖様が店やり出して1000年近く続いてるんだよ」


「そんなに!?」


「本当かは知らんけどな。まぁ、そんな家だからオレでもそれなりに料理は上手なほうだと思うぞ」


「上手どころじゃないんだけど···」



 そんなもんか?まぁ、どうでもいいけどな!


 こうして3日間、オレは料理を振舞ってやった。さすがに母ちゃんほどの料理じゃないけど、オレの料理を食って喜んでもらえるってのも嬉しいもんだな~。


 もしかすると、母ちゃんも客が喜んで食べるのを見るのが好きだからやってんのかなぁ~?なんかそんな気がふとしたんだぜ。


 そして、娘ちゃんのオレを見る目つきが変わったんだ。···ん?どういう事だ?

 作者はぎっくり腰になったことはありませんが『ピキッ!』ってキタことはありました。医者にかかることはありませんでしたけどもね。過労で全身激痛が走って身動き取れなくなったことは過去に1回あります。

 身動き取れないというのは非常につらいですね。作者はこの時は起き上がるのにベットから転がってなんとか起き上がりましたよ。

 サムくんのお父さんもぎっくり腰持ちとのことで、このお父さんも今後登場しますよ~!ご期待くださいね!ちょっと変わったおじさんですけど。


 サムくんの実家の飲食店は前作のナツちゃんのお店の厨房機器や、その他アキくんが作った魔道具をすべて移設しています。そのためにこの時代でもオーバースペックなお店として浮遊大陸で経営してるんですよ。

 サムくんは簡単お手軽料理が得意というのは性格の問題でもあるんです。単純な料理しかできないんですけど、それでもレパートリーはそれなりにあります。ちゃんとお母さんが仕込んでいますからね。

 そんなサムくんの料理姿を娘ちゃんは見て···、この後の展開はご想像通りかと思います(笑)。おやっさんも喜んでOK!って言っちゃうでしょうね~!


 さて次回予告ですが、フランシスの町で引きこもってサボってるサムくんの宿にウインちゃんが『襲撃』してきます!サムくんをSランク冒険者にするために来ちゃったんですね~。そしてレクトへ行ってSランク冒険者になりますよ~!


 明日も夜勤なので朝に投稿します。お楽しみに~!

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