表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/181

序章-1.スタンピード発生

 先日、泥酔した状態で書こうとしたらなぜか書いていた新作です(笑)。

 思ったより良かったので、序章だけ書いてみました。

 本日、一気に5話+設定資料集を時間を開けて投稿します。

 評判よければ、現在投稿中のお話が完結したら投稿しようと思います。


 序章は次回予告なしで投稿します。


 それでは、ちょっとシリアスな展開が続きますが、序章完結までゆっくりとお楽しみ下さい。

「ライ~!そっちは片付いたか~!?」


「うん!こっちはおわったよ~!」



 ボクはライ。この名もない村に住んでいるんだよ。今は畑仕事が終わったところなんだ。


 って言っても、ボクができる畑仕事なんて、草抜きなんだけどね?でも、これも大事なお仕事なんだよ。


 この村はあとで気づいたんだけど、とても貧しい村だったんだ。ボクはこの村以外のことは知らなかったからね。だから5歳のボクもお手伝いしていたんだよ。



「今日はこのあたりにしておくか!なんだか雲行きが怪しくなってきたしな。これはちょっと天気が崩れそうだなぁ~」


「そうだね、パパ。なんだかくもがくらいもんね」



 この時、ボクはこの黒い雲の正体がわかってなかったんだ。もし知ってたなら···、この時に急いで逃げるべきだったんだ···。



 ボクとパパが家に帰ると、ママは晩御飯を作ってくれていた。今日も朝から畑仕事してたから疲れちゃったよ~!



「ママ!ただいま~!」


「ライ、おかえり。あなたもお疲れさまでしたね」


「ああ、帰ったぞ。ちょっと天気が荒れそうな感じだ。今のうちに倉庫から持ってきておくものがあれば持ってくるぞ?」


「でしたら薪を2束あればいいかしら?」


「わかった。···ん?もう降ってきたか···。急いで取ってくるよ」



 パパが外に出たら、もう雨が降り出していたんだ。慌てて倉庫に走っていったよ。


 そしてパパは2束の薪を両手に持って家の中に入ってきた。



「ふぅ~、少し湿気てしまったかな?そんなに濡れてないから部屋で乾かしてから使うとするか。このままでは煙たくてかなわんしな」


「そうね。それじゃあ晩御飯にしましょうね」


「は~~い!」



 晩御飯を食べ終わったところで雨は止んだ。降ってる間はかなりの大雨になっていて、激しい雨音が響いていたよ。それが収まったので、止んだって気づいたんだ。



 そして、それは深夜に起こった!!



「「「「グォオオオオーーー!!!」」」」



 ボクは聞いたことのない音を聞いて飛び起きた!何かの···、声?



「な、なに!?いまのこえは!?」


「まさか···?お前とライは家にいなさい。私が見てくる!」


「わかったわ。気を付けて···」


「わかっている!」



 パパは慌てて外に出て行った。そして10分ほどすると···、



 ドドドドドド!!!



 聞いたことのない地響きがしてきた!これはただ事じゃない!でも、いったいなにが起きてるのか、この時のボクにはさっぱりわからなかったんだ···。


 音はボクの家のすぐ真横を通り過ぎて行った!ボクは怖くて声すら出なかった···。ママは窓からこっそりと覗いて、その音の正体がわかったようだった!


 ママはすぐにボクに駆け寄ってきた!!



「(静かにしてなさい!魔獣の大群よ···)」


「(ま、まじゅう?)」


「(ええ···。まさかこんな大群で···。ライ、こっちに来なさい)」


「(えっ?ママ?)」



 魔獣の存在は前に旅芸人さんが演じてくれた『白銀竜の着ぐるみ少女の冒険譚』ってお話で出てきたから知ってる。


 はるか昔、白銀竜と人が協力してその力を人に宿して、人々を苦しめる魔獣を次々と倒して、世界が平和になったってね。ボクもこのお話は大好きだったんだ。


 村の外の森にも魔獣はいるから、出ちゃダメって言われてたんだよ。



 そんな魔獣がやってきちゃった···?



 ママはボクの手を引っ張って台所にやってきた。そして床の扉を開けて、床下にある野菜とかを保管する穴にボクを入れたんだ!



「(ママ!?)」


「(いいから静かに!···これから何があっても、ママがここを開けない限り、外に出てはダメよ!)」


「えっ!?どういうこと!?」


「(静かに!···ライ。強く···、生きて!)」


「ママ!!」



 バタンッ!ガチャッ!



 ママは床の扉にカギをかけてしまった···。中からは開ける取っ手なんかない。つまり···、ボクの力では脱出することができなくなってしまった!



「ママッ!!」



 その時だった!


 ガシャーーン!!バリバリバリーーー!!ドスン!ドスン!ドカーーーン!!ゴーーーー!!グォオオオーーーー!!バチバチバチ···



 すさまじい音と、何か大きなものが家の中を歩いている音、そして···、焦げ臭いにおいがしてきた!!


 えっ!?うちが···、燃えてる!?


 大変だ!急いで火を消さないと!?でもここから出ることができない!どうしたらいいんだ!?ボク、何もできないよぉーー!!ゲホッ!ゲホッ!


 あ、熱い···。煙が入ってきて···、息が···。ボク···、死んじゃ···、うの···?


 ここでボクの意識は途切れてしまったんだ···。



 気が付いたら、隙間から光が見えた。どうやらボクはまだ生きているようだ···。


 だんだん意識がはっきりしてきた。どうやら、火事になったせいで床が燃えてしまい、ボロボロになってしまっていたようだ···。今ならなんとか外に出られる!


 ボクは思いっきり床を叩いた!すると、あっけなく崩れ去って、ボクが出れるだけの穴が開いてしまった···。


 どうやらボクのうちは火事で燃え尽きてしまったようだ···。雨が降った後なのにもかかわらず、すべて燃え尽きてしまっていた···。



 そうだ!パパは!?ママは!?



「パパーーー!!ママーーー!!どこにいったのーーー!?」



 ボクの声に応えてくれる人はいなかった···。そして···、見てしまった!!



「ママ!ママーーー!···え?」



 ママはいたんだ···。変わり果てた姿となって···。



「あ···、あ···、マ、ママ···?ママ!ママァーーーー!!」



 あまりのショックでボクは気が気じゃなかった!だ、誰か!誰かに助けを呼ばないと!!そうだ、パパは!?ボクは家だった場所から離れて探すことにした!



 そして···、現実を知ってしまった···。



 村が···、畑が···。すべて···、すべて灰になってしまっていたんだ···。



 そしていたるところに人が転がっていた···。隣の畑のおじさんとおばさん、それにボクと一緒に遊んだ子もいた!もう···、動くことがない···。そしてその中には···!?



「パパ···?パパ!パパァーーー!!えっ···!?そ、そんな···」



 そう···。パパがいた···。しかし···。



「うわぁあああああーーーーー!!!」



 こうして、ボクの村は魔獣たちに襲われてしまい、一夜ですべてを失ってしまったんだ···。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ