表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀の翼と蒼い夢  作者:
1/1

~おばあちゃんの手紙を胸に~

星野蒼月は、幼い頃からおばあちゃんと一緒に絵本を読むのが大好きだった。おばあちゃんの優しい声で物語が紡がれるたび、蒼月の心は魔法のように躍り、楽しい世界へと連れて行かれた。


しかし、ある日、突然の出来事が蒼月の人生を暗転させた。おばあちゃんは最後まで元気な姿を見せていたにもかかわらず、その日の夜、彼女は静かにこの世を去った。蒼月は衝撃と喪失感に包まれ、心の中で大切な絵本が一冊閉じられたような感覚を抱いた。


おばあちゃんのお葬式の日、蒼月は悲しみに沈みながらも、お坊さんが念仏を唱える声に耳を傾けた。しかし、その言葉は蒼月の心に届かず、彼女は深い悲しみに取り囲まれたままだった。


家に帰り、ふと思い出したおばあちゃんの書斎に行くと机に一冊の本が置いてあった。


それは、幼い頃よく読んでいた絵本だ。

絵本をみると手紙が一通挟んであった。

おばあちゃんからの手紙だ。


蒼月ちゃんへ



この絵本、懐かしいわね。

なんだか最近おばあちゃんは人生の終わりを感じつつあります。


蒼月は小さい頃から絵本がすきだったわね。

大きくなってからもこんなおばあちゃんの趣味にたくさん付き合ってくれてありがとう。


おばあちゃんは、いつも蒼月のことを誇りに思っているわ。

おばあちゃんはずっと蒼月の味方だからね。

だからどんなに高い壁があっても自分自身を信じて欲しいの。

蒼月はおばあちゃんの自慢の孫だからね。


ずっとおばあちゃんはそばにいるよ。


              おばあちゃんより。


蒼月は、おばあちゃんからの手紙を読んで涙が止まらなくなった。

おばあちゃんは、行動力がある人でいつも自分の読んだ本を聞かせては蒼月を夢中にさせるのが好きだった。


一緒にお出かけをするとここはあの本の風景みたいねとこそっと蒼月に耳打ちしてくるのがおばあちゃんと自分だけの秘密みたいで嬉しかったものだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ