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The Magic Order  作者: 晴本吉陽
Chapter 4.5 束の間の日常
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Chapter 4.5-14 束の間の日常 明美の場合

 黒田明美は心音、めい、桜と共に1階のロビーで雑談を交わしていた。先ほどまでは生き延びてから今日までの流れを追ってきたが、今度の話題は戦ってきた仲間たちの活躍についてだった。

「じゃあ、それぞれ自分の班のメンバーで、印象的な活躍をした人を挙げていこう」

 心音が会話の流れを作る。桜とめいが考えている間、明美が比較的短い思考時間で1人名前を挙げた。

「やっぱり数馬、かな。ヤタガラスも水茂も倒してる」

 明美が言うと、その場にいた全員からあぁと声が漏れた。

「あいつはやっぱ強いよね。ホント腕っ節にかけては一番じゃないかってくらい」

「玲子が認めるって相当だよね〜」

 めいと桜が感想を述べながら頷く。一方で心音はそれに対して頷きながらも全面肯定はしていなかった。

「戦いにかけてはすごいけど、遼とかの指示を聞かない時があるんでしょ?それってどうなの?」

「ま〜今のとこ問題ないならいいんじゃない〜?」

「私が見ている限り、みんなが言うほど指示に反発している印象はないな」

 桜と明美が言う。心音は口を真一文字に結ぶと、そう、とだけ答えた。

「じゃあ〜、私の班いくね〜」

 桜が話題を切り替えていく。

「ウチの班は、佐ノ介とマリかなぁ〜。誰か飛び抜けてるわけじゃないけど、強いて言うなら?」

 桜の言葉に、みんな納得したようにあぁ〜と声を上げた。桜がその様子を見て安心したように話し続ける。

「あの2人は射撃がすっごい上手だし、佐ノ介の方は冷静で結構テキパキしてるんだよね〜。マリちゃんもいざって時すごく頼れるし〜」

 桜の言葉を明美は自分の手帳に書き留める。その間に心音が話題を広げた。

「マリなんてクラスではすごく大人しくて、射撃があんな得意とは思えなかったよね。人間本当にわからないものね」

「逆に佐ノ介は佐ノ介だよね。なんか、妥当っていうか。あいつがこういう状況に置かれたらそうなるよね、っていうのを地で行く感じ」

「うんうん、あんまり驚かない」

 心音が広げた話題にめいが乗っかり、桜も便乗して頷く。一連の流れを聞きながら明美はメモを終えると、桜に尋ねた。

「その2人の目立った活躍って何かしら?」

「うーん、音楽室で四葉先生を倒したやつと、爆破事件の犯人のリモコンを撃ち抜いたやつかな〜。それ以外でも佐ノ介っていいところでちょくちょく頑張ってるイメージ」

 明美の質問に、桜が答える。明美は納得したように頷いていた。

「えっと、じゃあ次は」

「心音、私先いい?」

 めいが心音に尋ねる。出鼻を挫かれた心音は眉を少ししかめてから少し不満そうにめいに譲った。

「どーぞ」

「どうも。ウチの班はやっぱ泰さんかな」

 めいが言うと、えぇ?という少し納得のいかなさそうな声が周囲から飛んできた。

「え?なんで?」

 めいは困惑した様子で周囲を見回す。心音がその疑問に答えるように自分の意見を述べていく。

「どっちかって言ったら理沙じゃない?みんなの治療して、川倉だって理沙がいなきゃ今頃多分死んでるでしょ」

「そこ悩んだんだけどさ、泰さんも悪くないんだよね。透明人間倒したり、土方さん取り押さえたのも泰さんの指揮あってだし」

「というか、D班はなんかみんなそれぞれキャラが濃いよね。みんなそれぞれの分野で尖ってて、誰が一番とか言いにくいイメージ」

 めいの反論に明美もメモをしながら乗っかる。めいもそれに頷いていた。

「そうなんよ、ウチの班はみんな強いから、みんないつでも活躍できそうだし。今回は泰さんってことで」

「わかった。書いとく」

 めいの意見に聞き入りながら明美はメモを取る。桜はニンマリとしながらめいの表情を眺めていた。

「めいは自分の班が気に入ってるんだね〜」

「まぁね。自分の役割がしっかりしてるから」

 めいのその発言も、明美はしっかりとメモを取っていた。

「じゃあ、最後、私の班の話をしてもいい?」

 心音が場の空気を見ながら尋ねる。他3人はどうぞどうぞと歓迎ムードだった。

「ズバリ、トッシー」

 心音の言葉に、周り3人は心の底から納得したように、やっぱね、そうだよねと口々に肯定の言葉を並べていた。

「実際全体で見てもトッシーって相当じゃない?今までの活躍見ても」

「そうだね。なんか事件が起きるたびにトッシーってすごく目立ってたイメージ」

「みんなを指揮する時の冷静な判断力、かと思えば明るい言葉でみんなを引っ張って、そして本人も率先して戦う。まさにリーダーね」

 心音が暁広の評価を述べる。その場の誰もが心音の言葉に全面的に賛成していた。

「心音が他人のことをリーダーとして認めるなんて、珍しいね」

 明美が驚いた様子でメモをしながら呟く。心音も肩をすくめながら笑って返した。

「それほどトッシーは優秀なのよ。特に土壇場の指揮官として。私も普通の人よりは人を引っ張ることに慣れていたつもりだったけど、あんなふうに命がかかった状況だと全然違った。それでもトッシーはみんなを導いて、戦ってきた」

「心音、もしかしてトッシーのこと好きなの?」

 めいが静かに語る心音を見て尋ねる。心音は静かに首を横に振った。

「残念ながら違う人ね。それにトッシーには茜も玲子も蒼もいるじゃない」

 心音の言葉に桜がふふふと静かに笑っていた。それ以外の2人は確かにねーと頷いていた。

「でもトッシーは茜一筋なんでしょ?」

「悲しいなぁ〜、玲子」

 明美の言葉に桜がニヤニヤしながら呟いた。親友同士だからこそできる煽りに、他の3人は思わず笑っていた。


 明美がメモを終える。

「ありがとみんな。これで面白い新聞が書けそう」

「できたら読ませてね」

「ゴシップにはなっちゃダメだよ〜」

 明美が礼を言うと、めいと桜が口々に言う。

「じゃあ、今日は終わりにしようか」

 心音が仕切る。他3人は頷くと、それぞれの荷物を持って立ち上がった。

「お疲れ様でした」

「休み明けも頑張ろうね〜」

 4人は軽く挨拶を交わしてその場を立ち去っていった。


 心音と2人で歩く明美は、伸びをすると指を鳴らした。

「これからもみんなに注目だね」

 明美の言葉に、心音は静かに笑って返していた。

最後までご高覧いただきましてありがとうございます

今回は明美の回であり、同時にこれまでのキャラクターたちの活躍を復習する回でした

これにて日常編は終了です。次回から再び話が動き始めます

なので、今後もTMOをよろしくお願いします

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