Chapter 4 番外編 訓練報告書
番外編です
今回とんでもなく長いです
指導教官である幸長から見た子供たちの評価です
気になったキャラのだけでも目を通していただけると、今後の作品をよりお楽しみいただけると思います
訓練報告書
作成者
幸長勝
佐藤房江
翁長丈範
望月芽依
目次
1…概要
2…訓練内容
2.1…格闘訓練
2.2…射撃訓練
2.3…指揮訓練
2.4…救護訓練
3...各班と各班員の特徴
3.1…A班
3.2…B班
3.3…C班
3.4…D班
4…総評
1.概要
これは1月5日時点での私設特殊部隊(以降GSSTと表記)の訓練状況を記したものである。隊員たちに施した訓練とその成果、並びに隊員たちの特徴や性質について訓練を指導した我々が評価したものである。
2.訓練内容
基本的な方針として、格闘と射撃の2点に重点を置いて訓練をおこなっている。また、任務の特殊性や身体能力の個人差などを考慮した結果、あえて武器を統一せず、各自の好きな銃を扱わせている。
2.1.格闘訓練
格闘に関しては主任である幸長が実際に子供たちの攻撃を受けるほか、組手をおこなって実際の動きを確認している。基本的に幸長が前で動きを実践し、それを子供たちは2人1組になって動きを確認するというスタイルである。そして週に1度幸長との組手を経て改善点を示し、そこを重点的に訓練するという形でおこなわれている。評価は下からD,C,B,A,Sの5段階でつける。
2.2.射撃訓練
射撃に関しては、以下の3種類の射撃によって評価をしている。
1.静止射撃…的も射撃手も静止した状態で射撃をおこなう。今回評価の対象にしたのは、的との距離が10mのデータだが、訓練の際には自由に距離を変えられる。
2.動標的射撃…射撃手は静止、的はランダムな軌道で動く射撃。
3.自走射撃…射撃手は自ら走りながら、静止した的に射撃をおこなう。
2.3.指揮訓練
サバイバルゲーム方式でペイントガンによる銃撃戦をおこなわせ、その際の指揮を見て評価をおこなう他、通常の訓練時のコミュニケーションの取り方やヒアリングによって評価を下す。評価は下からD,C,B,A,Sの5段階でつける。
2.4.救護訓練
希望者にのみ実施。銃創、切創に対する応急手当ての方法を中心に訓練。他にも負傷した人間の運搬など衛生面の基本的な面を中心に訓練している。こちらは全員が受けるものではないので評価は出していない。
3.各班と各班員の特徴
総員28名のGSTTの隊員たちは、湘堂市を脱出する際にそれを7人1班とする4つの班に分割。それぞれにA,B,C,Dと名前をつけた。我々はチームワークなどが乱れることを避けるため、湘堂市での班員の分け方のまま班を引き継いだ。
基本的に戦闘に長けた子供たちとそうでない子供たちが均等になるように班分けがなされている。だが、本人たちの意図しない形で戦闘以外の分野に特に秀でた班もある。以下から述べていく各班の特徴を参照されたし。
3.1.A班
班員(性別)
安藤佐ノ介(男)(リーダー)
伊藤美咲(女)
遠藤マリ(女)
大島広志(男)
金崎さえ(女)
藤田真次(男)
吉田桜(女)
特徴
基本的な身体能力が高い子供たちが集まっている印象が見受けられる。
班という観点で見ると非常に平均的な班。各個人に光る個性はあるものの、戦闘向きではない個性であったり、班で見た際には活かしにくい個性であるという印象が強い。
一方で、ある程度均質化されてるというのは長所でもあり、誰か1人の戦闘力だけで支えられているグループではないので、1人1人への依存度は低いとも言える。つまり、誰か1人が倒れたせいで総崩れになるようなことはないということである。
以下各班員の特徴とそれを踏まえた今後の訓練方針を述べていく
・安藤佐ノ介
身長:156cm 体重:48kg
静止射撃最高得点:100(Cz75)
動標的射撃最高得点:100(Cz75)
自走射撃最高得点:100(Cz75)
格闘評価:A
指揮評価:A
・A班のリーダー。
・特筆すべきはその射撃能力である。全ての隊員の中で唯一どんな射撃でも満点を出しているほか、あらゆる銃器で少し教えただけで的確な射撃を実現する能力を持つ。ずば抜けた集中力と視力を有しており、狙撃兵としての才能は全ての隊員の中でも随一。通常の兵士と比べても射撃能力に関しては彼の右に出るものはなかなかいないだろう。
・基本的な性格も冷静で、状況判断力にかけても全隊員の中でも上位にくる。その甲斐あって指揮能力も高いが、一方で他人を信用しきれない部分があるようで、他人に任せられず自分でやろうとしてしまう部分は指揮官としては褒められたものではない。しかしそれは今後の経験で改善されるものと考える。
・本人は不得手としているようだが、格闘の成績は全体で見た時に決して悪くはない。むしろ素養は高い方と思われる。実際蹴りの威力は磨けば光るものが感じられた。
・今後我々が彼を訓練するにあたって、彼の高い射撃能力を土台とし、後方から味方を狙撃で支援できるような人材を目指していきたい。そのために銃を持った状態でもっとも役に立つ体術である蹴りに磨きをかけ、狙撃のために後方にいる前提で指揮能力を伸ばしていければ、非常に優秀な狙撃兵兼指揮官という頼もしい人材となってくれることは間違いない。今後の期待が高い隊員の1人である。
・伊藤美咲
身長:158cm 体重:46kg
静止射撃最高得点:60(スタームルガーP9)
動標的射撃最高得点:58(スタームルガーP9)
自走射撃最高得点:47(スタームルガーP9)
格闘評価:B
指揮評価:A
・A班の女性隊員
・まず記載するべきは全隊員の中でもトップクラスの俊足であること。本人も走ることが好きと明言しており、そのため基本的なスタミナは非常に高い。全体的な身体能力も女性陣はおろか男性陣を含めてもかなり高い。
・しなやかな筋肉と脚力を活かした蹴りは、まだまだ発展途上ではあるものの将来的には必ず彼女の武器のひとつになると断言できるほど強力である。よって格闘面での評価は将来性も含めた上でB評価とした。
・周囲の隊員たちへのヒアリングによると、平和だった頃は女子たちの中でも中心的な存在であったらしく、その甲斐あってか人心掌握が非常に巧みである。よって指揮能力も高い。
・一方で彼女にも短所は少なからず存在し、射撃能力は身体能力ほど優れていない。全体で見た際には平均的な得点だが、女性陣の中では射撃の得点は低めである。これは訓練によっていくらか改善の余地があると思われる。
・彼女の1番の問題点は、戦意の欠如と思われる。正確には湘堂を脱出する際に殺されかけたのがトラウマになっており、それによって再び戦場に立つのを恐れているのだと考えられる。
・今後我々が彼女を訓練するにあたって、最優先するべきはモチベーション管理とは思うが、我々にはどうしようもできないため、彼女自身が仲間達と共に恐怖を乗り越えていくより他にない。したがって、我々は今後も技能面の訓練にのみ集中する予定である。
・高い走力と身体能力を活かした偵察役のように訓練するか、射撃力を訓練して後方からの指揮官のように訓練するかの2つで検討中であり、本人の希望も調査しながら決めていきたいと考える。
・遠藤マリ
身長:154cm 体重:39kg
静止射撃最高得点:97(Cz75)
動標的射撃最高得点:90(Cz75)
自走射撃最高得点:84(Cz75)
格闘評価:A
指揮評価:C
・A班の女性隊員
・女性で1位、全体で2位の射撃能力の持ち主。平均的な兵士と同等かそれ以上の腕前を有しており、手先も器用なお陰か銃火器全般の扱いを得意としている。射撃する際の呼吸の整え方が安藤に似ており、おそらく彼からある程度手ほどきを受けているのだろう。実際にその甲斐あって射撃の成績は先の通り非常に優秀。
・格闘能力でも好成績を出しており、女性の中で2位の成績を取っている。主に攻撃ではなく、防御の上手いタイプであり、実際に彼女の攻撃を受けてみてもあまり威力はなかったが、相手の攻撃をどのようにいなすかについては直感的に慣れているようで、受け身が上手い。実際に格闘戦になった時には死ににくいタイプと思われる。訓練にも積極的で、これからさらに格闘面でも射撃面でも成長を見せてくれるものと期待している。
・今後の彼女の課題としてあげられるのは咄嗟の判断力と思われる。周囲の隊員たちからヒアリングするかぎり、これは彼女の根の性格のようで、頭が切れる分躊躇が生まれ判断が遅れるようである。その影響があって指揮能力は決して高くない。
・訓練経験によって戦闘時の判断を早めることは可能である。従って我々としては今後は彼女のその点を伸ばしていきたいと思う。彼女の長所である高い身体能力と射撃能力は前線でこそ輝くが、前線でこそ咄嗟の判断力を要求されることは多い。全ての基本となる部分であり、最も育成に時間のかかる分野でもあり、かつ彼女を優秀な兵士へと昇華させる部分なので慎重に、長期的に訓練したいと思う。
・大島広志
身長:157cm 体重:42kg
静止射撃最高得点:80(MP40)
動標的射撃最高得点:61(MP40)
自走射撃最高得点:59(MP40)
格闘評価:C
指揮評価:B
・A班の男性隊員
・一見際立った点は見当たらない男性。だが基本的な身体能力は平均よりわずかながらも上回っており、さらに肩の強さに関しては隊員の中でも最も強い。彼に手榴弾を持たせれば、必ず遠投で活躍してくれるだろう。
・野球でキャッチャーをやっていたようで、足腰が強く、また視野も広い上に協調性も高い。そうして培われた判断力で指揮も決して悪くはない。
・身体能力に対して格闘能力は低い。人を殴ったり蹴ったりしたことがあまりないらしく、そういう際の体の使い方がわからないような印象が見受けられる。受け身など防御面も体は慣れていないようで、素養は未知数である。
・射撃能力は中の上と言ったところ。どっしりと腰を据えて何かに取り組むのは得意なようで、静止した状態での射撃は決して悪くない。今後の伸びしろも感じられるため、訓練によってさらに伸ばしたい
・なんでもそつなくこなせるが、我々としては彼にはもう1ランク上の技能を期待したい。決して低くない身体能力を持っている以上は格闘分野での評価もさらに伸ばせる素養を有している。高い協調性を持ちながら指揮能力を持てるのであれば、優秀な副指揮官として活躍できるのは間違いない。
・今後の訓練では、副指揮官として活躍できるように訓練する予定である。周囲へのヒアリングで収集した彼の性格にも合致し、さらにGSST全体としても珍しい存在となりうる。そのためにもまずは訓練によって格闘能力を最低限持たせ、戦闘に慣らしていく中で副官としての素養を開花できたらと思う。
・金崎さえ
身長:159cm 体重:39kg
静止射撃最高得点:90(M93R)
動標的射撃最高得点:81(M93R)
自走射撃最高得点:42(M93R)
格闘評価:D
指揮評価:C
・A班の女性隊員
・GSSTには明らかに戦闘に向いていない人間が少なからずおり、正直に書かせてもらうなら彼女もそのひとりだろう。
・その要因として、身体能力の低さが目につく。ピアノをやっていたおかげか手首の柔らかさや指先を思うように動かすことには長けているが、スタミナや、瞬発力といった運動神経がかなり低い。そのせいもあって格闘評価はさらに低い。
・周囲へのヒアリングによれば、勉強は得意だったようでそれのおかげか学習能力は高い。知能も低くないので指揮能力は高そうだが、本人が指揮を執ろうとしないことのせいで未知数な部分が多く明確な判断はできなかったが、今回は自主性の部分を評価材料としてあまり高く評価しなかった。
・一方で彼女にも光る部分がある。射撃能力である。自分が静止している状態での射撃ではかなり上位に食い込む成績を出している。自ら動いて射撃するのは大分苦手なようだが、裏を返せば彼女を狙撃兵とすれば動く必要がなくなるので狙撃兵向きとも言える。
・訓練への意欲が強いことも長所である。もう一度ピアノを弾くためという確固たる動機があり、なおかつちゃんと訓練しなければ死ぬという認識があるので、苦手分野である格闘の訓練でも自習を欠かさず、手先の器用さを活かして銃の整備などにも精を出している。
・彼女に対する今後の訓練方針は、彼女の得意な射撃訓練でモチベーションを保ちながら、格闘訓練に注力し、一ヶ所に留まって狙撃を行う狙撃兵として活躍できるように訓練したいと思う。
・藤田真次
身長:165cm 体重:50kg
静止射撃最高得点:53(デザートイーグル)
動標的射撃最高得点:50(デザートイーグル)
自走射撃最高得点:22(デザートイーグル)
格闘評価:B
指揮評価:D
・A班の男性隊員
・全ての隊員の中で最も大柄であり、それを活かした戦い方を得意とする。ただし、それが通用するのは同じかそれ以下の体格の人間であることを集中して教えており、最近では体格を活かしながらもそれに頼り切らない戦い方が見受けられるようになってきた。元々大柄なせいで争いに巻き込まれることも多かったらしく、それによって素養も悪くなく、格闘の評価はBとした。
・体格を活かして大口径の銃を軽々扱えるのも彼にしかない長所。
・一方で課題の多い隊員でもある。根本的な性格として、非常に直情径行な部分が多く、判断こそ早いがその過程に思考が挟まっていない。戦場で感情のままに行動すればそれが生死に直結するため、訓練でも優先的にその傾向の矯正を行なっている。しかし、現状の段階ではなかなか矯正できずにいるため、指揮能力に関しても高成績は出せず、Dとした。
・射撃に関しては全隊員中でも下から数えた方が早い部類である。扱いにくいであろう大口径の拳銃で射撃をしていることも一因にはあるが、そもそも初めは銃の扱いが全くなっていなかったほどなので、射撃というもの自体にまだ慣れていないのだろう。あるいは本人の大雑把な性格が災いしているのか。
・しかし、何事においても熱心な性格なので訓練でも何かにつけて積極的な態度が見受けられる。訓練に対しても前向きで、本人の中に確かな正義感があり、それがモチベーションとなっているようだ。
・彼の性格や技能などを総合すると、彼には常に先陣を切る突撃兵のような存在となってもらうように訓練するべきと考える。よって訓練は射撃に重点をおきながら格闘を伸ばしていく方針でおこなっていく。A班には他に指揮能力に長けたメンバーが多くいるため、指揮に関しては他のものに任せ、彼には戦闘に特化してもらうのが本人の素質を最大限に活かせるだろう。実際射撃さえ伸びていけば強力な戦力となるのは間違いない。
・吉田桜
身長:158cm 体重:44kg
静止射撃最高得点:88(PPK)
動標的射撃最高得点:79 (PPK)
自走射撃最高得点:78 (PPK)
格闘評価:C
指揮評価:D
・A班の女性隊員
・身体能力が高い水準でまとまっており、運動神経が良い部類に入る。特に柔軟性にかけては全隊員の中でも彼女の右に出るものはいない。
・射撃能力もかなり高い。多くの隊員が静止射撃とそれ以外で大きく差が出るのに対し、彼女は他の隊員ほど差が出ていない。これも運動神経が良いことによる彼女の長所のひとつだろう。
・聴力がずば抜けているのも他の隊員にはない長所。
・一方で、高い身体能力を有してはいるが、それが格闘能力に反映するのはまだまだ時間がかかるようである。人を殴るというのに慣れておらず、初めの頃は拳の握り方すらぎこちなかったため、他の隊員たちと比較すると成長は遅い。しかし、高い身体能力は必ず彼女の格闘のセンスを下支えしてくれるはずなので、気長に訓練をしようと思う。
・また、判断力も課題であり、何かと長考しがちである。瞬時に判断する場合もあるが、そちらの判断は失敗しがちである。よって戦場での指揮には向いていない。誰かといるとその指示に従順な傾向があるため、指示を受ける側に専念するのが彼女の性格にも合っているのだろう。
・今後は彼女の聴力が活きるような偵察役をこなせるように訓練していく方針である。もし上記の伊藤が偵察役を志望すれば、この2人で良相性の偵察役となるだろう。まずは目下の課題である格闘能力の訓練を集中しておこなう予定である。
3.2.B班
班員(性別)
洗柿圭輝(男)
糸瑞心音(女)
野村駿(男)
馬矢浩助(男)
原田茜(女)
星野玲子(女)
魅神暁広(男)(リーダー)
特徴
指揮能力に優れた子供たちが多い印象を受ける。ひとりひとりの知能も高いので、生存確率が最も高いのはこの班だろう。
サブマシンガンやショットガンといった制圧力に長けた銃器の扱いが上手い子供たちが多く、総合的な戦闘力は高い。GSST全体を指揮する班を設けるのであれば間違いなくこの班だろう。
強力なリーダーである魅神と強力な銃器を備えており、班という観点で見た際には非常に高い水準でまとまっているが、個々人の技能は特別優れているわけではない。よってこの班の課題はより個々人の技能を上げていくことにある。
以下に各班員の特徴とそれを踏まえた今後の方針を述べていく。
・洗柿圭輝
身長:157cm 体重:54kg
静止射撃最高得点:36(UZI)
動標的射撃最高得点:26 (UZI)
自走射撃最高得点:20 (UZI)
格闘評価:C
指揮評価:C
・B班の男性隊員
・腕力に優れており、子供ながらにサブマシンガンを2挺同時に発砲できるという特技を持つ。これを活かして弾幕を張り続けるのが彼の基本的な戦闘スタイルである。ヒアリングによれば、実際にこれによって突破できた局面も少なくないようである。
・協調性も高く、魅神の指示はしっかりと聞くので、まさにB班でこそ輝ける人材である。また、細かいところで知能が高く、生き残る確率も非常に高い。
・一方で、腕力や知能を有する割にはそれが格闘や指揮の評価に表れていない。格闘に関しては体格のせいか動きが鈍重で、動きにキレがない。当たれば痛いが遅い攻撃はそもそも当たらないのが普通である。
・指揮に関しては、どうやら他の隊員たちを少し見下している部分があり、威張りすぎる部分が見受けられた。一部の人間にだけ強く出る傾向があるようで、これは隊員間の信頼関係に関わる。B班のメンバーにそのような態度をとることはないようだが、他の班のメンバーとあまり関わらせるべきではないと思われる。これが指揮評価の低い理由である。
・射撃能力はもっと低い。これに関しては本人の仕事が弾幕を張り続けることなので精密射撃を要求されることは少ないから現状は問題ないが、それ以外を要求されるようになった時に何もできないという重大な問題を抱えている。
・総評すると、問題点も多いがポテンシャルの高い隊員のひとり。今後はやはり弾幕要員として活躍させつつ、射撃能力や格闘能力を改善し、B班の突撃役を担えるように訓練していく予定である。
・糸瑞心音
身長:150cm 体重:39kg
静止射撃最高得点:92(トカレフ)
動標的射撃最高得点:85 (トカレフ)
自走射撃最高得点:70 (トカレフ)
格闘評価:D
指揮評価:A
・B班の女性隊員。
・高い指揮能力と射撃能力を有する女性隊員。射撃能力は女性陣の中で3位であり、また女性陣の中では指揮能力も最高クラスだろう。
・射撃能力は、どうやら天性のもののようで、湘堂の事件が起きるまではお祭りの射的すらやったことがなかったという。しかし、しっかりと再現性があるためただのまぐれとは言いがたい。
・一方の指揮能力は本人が努力で手にしたもののようである。政治家を志望する彼女は様々なリーダー論を読んできたようで、それが活きている場面も少なくない。しかし、戦場の指揮官ならばもうひと声欲しいのが我々の本音である。主体性に優れ、人を使うことにも長けているが、戦場ではもっと機敏に、かつ柔軟に指示を要求することが多い。これは彼女の才能を認めているからこそ我々は高いレベルを要求しているのである。そしてより優秀な指揮官となるためにはさらに戦闘経験を積み、普通のリーダーと戦場の指揮官に要求されるものの違いをわかってほしい。
・格闘面は低い部類だが、剣道をやっていたことから足さばきには注目するべき点がある。しかし、受け身や攻撃は全くなっていないため努力が大いに必要である。
・彼女の訓練方針は本人の希望も含めて指揮官を目指して訓練する。より優秀な指揮官となるために、指揮の柔軟性の重要性を叩き込み、後方から射撃による支援ができる人材となってもらいたい。そこに格闘能力が加われば、彼女は二方面作戦を取った際の一方の指揮官となりうる存在である。是非彼女にはそうなってもらいたい。
・野村駿
身長:156cm 体重:46kg
静止射撃最高得点:74(SAF)
動標的射撃最高得点:66 (SAF)
自走射撃最高得点:60 (SAF)
格闘評価:B
指揮評価:A
・B班の男性隊員。
・高い身体能力に加え、全ての能力が比較的高水準でまとまったオールラウンダー。本人の柔和な性格もあって、他の隊員からは信頼を勝ち取っているため誰と組ませても問題のない、GSSTでは珍しい本当の意味での万能型。
・指揮能力は彼の最大の長所であり、実際にこの班わけを組んだのは彼らしい。仲間を管理する能力に長けており、さらに周囲を見ることもできるのが指揮能力の高さに直結している。だが彼の指揮にも唯一弱点があり、民主的すぎる部分がある。普段の生活においては長所だが、戦場に関しては別で、多少独断的な命令も出さなければならない時がある。その時に彼は非情になりきれないような素振りが時折見受けられた。
・格闘や射撃といった戦闘力に直結する部分も、隊員達の中では高いとはいえまだまだ発展途上である。そのかわり、サブマシンガンを得物としているため戦力としてはやはり心強い。
・我々としては彼には主に格闘能力での発展を期待したい。彼が格闘技能をマスターすれば、彼の性格上他のメンバーにもアドバイスなどをおこなうだろう。GSSTは格闘能力に関して全体的に格差が大きいため、それを埋め合わせてくれる可能性が出てくる。身体能力は高いので、彼の格闘技能の発展は決して非現実的ではない。
・したがって我々は彼に対して格闘面に重点を置いて指導を行なう予定である。もちろん他の分野でも指導は怠らない。そうすることによってB班の副班長、または彼のための班をひとつ設けても良いと言い切れる人材に成長させるつもりである。
・馬矢浩助
身長:154cm 体重:42kg
静止射撃最高得点:65(M4)
動標的射撃最高得点:59 (M4)
自走射撃最高得点:55 (M4)
格闘評価:A
指揮評価:B
・B班の男性隊員
・まず特筆するべきは、他のどの班員達も真似できないナイフの扱いの巧さである。素手の格闘はそこまででもないが、それを補って余りあるほどに彼のナイフ術の素養は高い。実際に幸長と訓練用のナイフで斬り合ったが、15回に1回は惜しいものがあった。ナイフを持たせた彼を素手の格闘戦で圧倒できるものはGSSTでは星野と重村の2人しかおらず、その点も加味して格闘面の評価は高い。
・指揮能力の評価は、副官として輝くものを持っている。主体性はあまりなく、明確な方針を決めることは苦手だが、協調性に優れ、アイディアは思いつくようなので誰かの参謀役として初めて輝くタイプだろう。よってあくまで指揮評価はB
・射撃能力は至って平均的。だが彼の使用する銃はアサルトライフルであるため、最前線で敵との接近戦をこなす際には十分とも言える。だがこれ以上に成長すれば、ナイフ戦も銃撃戦も活躍できる前線役となることは間違いない。
・今後の訓練方針は、本人も得意とするナイフ術を中心に訓練しながら、射撃面を成長させていく予定である。あまり目立つタイプの子供ではないが、各技能にしっかりと伸び代があり、さらにそれを活かせる役どころもたくさんある子供である。B班は格闘に優れた子供は少ないので、彼がそれを少しでも改善してくれれば、班全体としての戦闘力は上がっていくだろう。
・原田茜
身長:159cm 体重:46kg
静止射撃最高得点:89(VP70)
動標的射撃最高得点:74 (VP70)
自走射撃最高得点:70 (VP70)
格闘評価:B
指揮評価:D
・B班の女性隊員
・身体能力が高く、格闘も得意ながら射撃も得意としている女性。
・主に攻撃面での格闘能力の高さが目立つ。下半身の筋肉をふんだんに使った膝蹴りが非常に強力で、当たりどころ次第では一撃で相手を戦闘不能にできるだけの威力をすでに有している。反面防御面は粗雑なほか、膝蹴りをどう当てるかという部分はまだまだ未熟である。実戦ではまだ使えないということから、B評価とした。
・射撃も女性陣で4位という高得点。最近はサブマシンガンの扱いも練習しており、そちらでも同様の成績が出せるようになれば強力なことは間違いない。
・彼女の課題は指揮能力である。「あれやっといて」のような抽象的な指示が多く、あまりにもリーダーに向いていない言動が多かった。これはリーダーで無くても怖い傾向であり、現在は矯正中である。一方で叱咤激励といった面では優れた部分があったので、指示の具体性さえ身につければ副指揮官としては優秀かもしれない。精神面でチームを盛り上げる隊員という珍しいポジションを確立できるだろう。もっとも彼女の本領は指示を受ける側に回った時に発揮されるので、絶対的なリーダーが存在するB班では指揮能力の重要性は低いか
・今後は兵士として最低限のマナーや話し方(具体的に物事を伝えるなど)をまず叩き込み、その上で高い格闘能力や射撃能力が活きるように訓練をおこなっていきたい。細かなところを修正していけば、兵士として強力な人材になるだろう。他にも、どうやら救護に関しても興味を示しているようなので、そちらの面での訓練をしてみるのもいいかもしれない。
・星野玲子
身長:160cm 体重:48kg
静止射撃最高得点:72(S&W M500)
動標的射撃最高得点:51 (S&W M500)
自走射撃最高得点:51 (S&W M500)
格闘評価:S
指揮評価:B
・B班の女性隊員
・なんといっても格闘能力の高さが際立つ女性隊員。女性陣の中で最も優れているのはもちろん、全体でも2位の成績を誇る。肋骨を折っているというハンデを含めても3位以下を圧倒しており、そのポテンシャルには目を見張るものがある。実際の兵士に引けを取らない実力を持っていると言って過言ではない。
・格闘面における彼女の特徴は、日々の鍛錬で作ったというパワフルな打撃。高くまとまった身体能力から繰り出される打撃は女性のそれとは思えないほど重く、また防御面も回避からの反撃が鋭い。
・射撃面に関しては、女性には不向きな大口径のリボルバーを使用しながらも決して悪くない成績を出している。初めは反動に負けて体勢を崩している様子も見受けられたが、今はそのような様子も無く、黙々とさらに成績を伸ばすために訓練を続けている。
・女性陣からの信頼が厚く、指示も的確だがあまり指揮を執ることに慣れていないようで指揮評価はBとした。本人の性格としても後ろで誰かを指揮するよりも自分が前に出て戦う方が性に合うらしく、技能的な適性とも噛み合っているため、指揮能力は彼女に関しては必要最低限分は有していると言える。
・唯一懸念材料を挙げるならば負けず嫌いな性格か。訓練の際には良い方向に作用することが多いが、実戦において勝負に固執し過ぎると命に関わる。本人も分かってはいると思うので強くは言わないが、認識させることは怠らない。
・総合的に、非常に高い戦闘力を持っていると言っていいだろう。B班を下支えしているのは間違いなく彼女の戦闘力であり、またGSST全体の戦闘力も彼女によって大きく底上げされている。
・今後の訓練は、より格闘能力に磨きをかけてもらい、その上で射撃に注力する予定である。指揮能力は彼女において重要ではないのでより長所を伸ばす方針で訓練をおこなう。うまくいけばB班では珍しい個人技能に長けた1対1を得意とする人材が育つ可能性が高い。今後の期待がとても高い隊員のひとりである。
・魅神暁広
身長:155cm 体重:42kg
静止射撃最高得点:78(M870)
動標的射撃最高得点:64 (M870)
自走射撃最高得点:70 (M870)
格闘評価:B
指揮評価:S
・B班のリーダー
・彼の最大の長所はなんといってもその指揮能力の高さである。他の班員の長所と短所を分析することに優れ、それをいかに活用するかを自分の中に明確に持っている。勉強は苦手なようだが瞬発的な判断力に非常に優れており、周囲の状況分析も得意なようである。作戦の立案も得意なほか、班員たちのモチベーション管理までしっかりとおこなえる、おおよそ子供とは思えないようなリーダーシップを持つ。いつかGSST全体の指揮官を設けるのであれば彼ほど適した存在はいないだろう。それほどまでに実戦での彼の指揮能力は高い。
・彼を彼たらしめているのは班員の管理のうまさだろう。彼に他の班員や隊員についてヒアリングすると、全員分の的確な返答が返ってきた。彼自身は他の隊員たちを強く信頼しており、その結果この指揮能力の高さを遺憾無く発揮できているといえよう。
・射撃に関しては、ショットガンを愛用している。子供にはやや大きいかと思われたが、彼は反動にも負けずに的確に扱っている。そもそもショットガンを扱っている子供は少ないが、GSST全体を見てもショットガンを最も有効に扱える存在だろう。まだまだ伸び代はあるので訓練によって伸ばしていきたいと思う。
・格闘能力は彼の課題のひとつ。プロレス観賞が趣味だったようで、体術というものに抵抗は無いため動きは悪くないが、ふとした時にプロレスの動きが混ざってしまいがちなのが欠点である。プロレスの技は足を止めてしまいがちな都合上どうしても実戦には不向きである。現在矯正中であるが、これが治ってもまだまだ格闘能力は高い部類ではない。正直に言ってしまえば彼個人の戦闘力はショットガンに大きく依存しているため、格闘能力の改善は必須である。
・しかし、中の上ほどの個人的な戦闘力を補って余りあるほどの指揮能力を有しているのも事実。よって今後はその指揮能力をさらに伸ばすために、より実戦での指揮を積ませたいと思う。何か事件があれば優先的に彼に指揮を執らせたい。そうして将来的にはGSST全体の指揮官をさせたいというのが我々訓練教官一同の総意である。
3.3.C班
班員(性別)
川倉竜雄(男)
黒田明美(女)
黒田武(男)
斉藤遼(男)(リーダー)
重村数馬(男)
中西桃(女)
山本香織(女)
特徴
班として見た時にはバランスが良くないチーム。しかし、それぞれが違った方向に尖った強みを持っており、それが奇跡的に噛み合っているような印象を受ける。
個々人の技能に大きく振れ幅があるため、誰か1人の欠如が班全体に大きなダメージを与える可能性が大きい。特にこの班の戦闘力は重村に、指揮能力は斉藤に大きく依存しているため、彼らのどちらかが倒れると途端に戦力が低下する。
それらを踏まえて各班員の特徴や今後の訓練方針を記していく。
・川倉竜雄
身長:156cm 体重:45kg
静止射撃最高得点:70(M84F)
動標的射撃最高得点:64 (M84F)
自走射撃最高得点:61 (M84F)
格闘評価:A
指揮評価:D
・C班の男性隊員
・一見して格闘能力以外が目立たない隊員だが、彼の最大の特徴は異様な頑丈さである。数値化しにくい分野なのでなかなか評価は難しいが、簡単に言えば湘堂脱出からヤタガラス撃破までに最も被弾しているのが彼でありながら、1番最初に回復しているという事実がある他、そもそも少し強めに攻撃したくらいでは痛がりすらしない。過信できない特徴ではあるが、万が一安定した運用ができる、つまり彼の耐えられる攻撃に一定の明確な基準があれば、非常に強力な盾役になりうる。
・格闘能力は上の下といったところ。元々格闘技について興味はあったようで、その甲斐あって構えやガードなどはしっかりしている。ただし、動きなどはまだまだ硬く、攻撃面がぎこちない。だが訓練に対するモチベーションが高いため、今後どんどんと改善されていくだろう。成長速度は未知数だが、訓練への情熱がこのまま維持されるのであれば、近い将来成長するに従って顕著になる男女の体格差もあって上記の星野と並ぶか追い越すかするだろう
・射撃能力については、期待できる要素が多い。一見すると成績はそこまで優秀ではないが、彼は現状唯一拳銃、突撃小銃、散弾銃を使い分けている隊員である。今回の試験の点数も、彼だけはその3種の銃器を使用し、最も合計点数の高かったものを採用したのである。他の銃器でも似たような成績を出してはいたので、このまま順調に成長すれば3種の銃を状況に応じて使い分けられる個性的な隊員となりうる。
・指揮能力は低い。本人が悲観的な性格であり、状況分析は得意なようだが、ネガティブな発言は部隊全体の士気に関わるため指揮官がやっていいものではない。そして本人は崩れると悲観的な思考が加速するため逆境に弱い。よって指揮官には向いていない。指揮を受ける側に回れば優秀なので、そちら側で活躍するべきだろう。
・総合すると、兵士に向いた隊員。3種の銃器の使い分けや並外れた頑丈さなど、彼にしかできない部分も多く、またその部分の伸び代も大きい。一方で指揮などは本人の素質として向いていない。明確に得意不得意がある隊員と言える。よって我々は彼の得意分野を徹底的に伸ばす方針で訓練を行なう。彼に対して指揮に関する指導は行なわず、本人の興味が最も強い格闘面に注力しながら、3種の銃器の使い分けに関しても指導をおこないたいと思う。
・黒田明美
身長:157cm 体重:40kg
静止射撃最高得点:58(トルーパー)
動標的射撃最高得点:47 (トルーパー)
自走射撃最高得点:43 (トルーパー)
格闘評価:C
指揮評価:B
・C班の女性隊員。
・各種身体能力が高い女性。女性陣の中では足が速い部類であり、また他の女性陣にはない非常に優れた腕力を持つ。また、精神的にも身体的にもタフであり、適度なドライさも持っている。動物的な直感の鋭さや察知能力も有しているため、生存能力が高い女性。
・優れた腕力を用いた格闘能力は決して悪くはないが実戦投入はまだまだ遠い。なんでも力任せに片付けようとしてしまうため、まだまだ技が身についていないのである。そしてその片付け方が掴んで投げるというものなので、自分より強い人間には絶対に通用しないのである。よって格闘評価は低い。
・射撃能力は実際のところはまだ不明瞭である。本来なら彼女は突撃銃も扱えるにも関わらず、「普段持ち歩く方でやる」と言って短銃身の射撃精度の低い銃を選んだため、本来の実力はよくわからない。
・指揮能力は、C班の中では悪くない。判断力に長けており、決断も思い切りがいい。しかし、それらは全て彼女自身の「直感」に依存しているらしく、正直なところ何も考えていないように見受けられる。再現性がどこまであるのかも不明であるため、頼りすぎるのは危険なように見受けられる。今回は再現性の面は考慮せず、純粋に今回の結果のみで判断した。
・周囲へのヒアリングによれば、おそらく彼女の最も得意な分野は情報収集であると考えられる。どうやら将来は新聞記者を志望しているようであり、それに向けて努力しているとのこと。高い身体能力とタフな心身を活かせば、確かに新聞記者向きで、戦場で言うなら偵察役として活躍する能力は有している。よって我々としては、彼女の格闘能力に重心を置いて訓練をおこない、C班の偵察役を担えるような人材へ育成したいと考えている。彼女の脚と怪力を遺憾無く発揮できる役回りであると考えられるので、今から期待が高まる。
・黒田武
身長:153cm 体重:40kg
静止射撃最高得点:48(キングコブラ)
動標的射撃最高得点:35 (キングコブラ)
自走射撃最高得点:30 (キングコブラ)
格闘評価:B
指揮評価:C
・C班の男性隊員
・何か尖っている面を持つ隊員が多いC班において、比較的バランスの取れた能力を持つ隊員。身体能力は高いほうであり、体を動かすことは得意なようである。丈夫な体と基本的に物怖じしない落ち着きを持っており、C班においては重要な一歩引いて見守ることができる人物。
・身体能力の割にはまだ格闘能力は低い。パンチは痛いが振りが遅く、また防御面もガードが硬すぎるきらいがある。理想的な防御は、相手の攻撃を流すことであり、受け止めることではない。本人も訓練の中でわかってきたようで、最近は改善の傾向が見受けられる。これらを除けば決して筋は悪くないのでじっくりと育成したい。
・我々として彼に期待したいのは指揮能力である。彼の協調性の高さや落ち着きはサブリーダーとして輝くものを持っている。現状のC班は指揮に長けたものが斉藤しかいない(黒田明美は再現性が不明なので除外)ため、安定した能力を持つ彼にはこの分野で活躍してもらいたい。しかし、現状では瞬間的な判断、そして判断した内容を他者に伝えるという2点が苦手のようで、まずはこの分野の改善を図りたい。
・射撃能力も高くはない。足腰がしっかりしているので構えはいいが余分な力が指先に入ってしまう上、元々精密射撃には向かないリボルバーを使用しているので点数が低くなりがちである。しかし最近はアサルトライフルを練習中なのでそちらで高成績を残せるように訓練したいと思う。
・今後の訓練方針は、指揮に重点を置きたい。彼はあらゆる分野に伸び代があるが、彼が所属するC班の都合上、サブリーダーがすぐにでも欲しい。彼の適性によるでは無くこちらの都合による役割の選択だが、彼ならば可能であろう。そうしてサブリーダーになったところで射撃能力の改善を図っていきたい。
・斉藤遼
身長:156cm 体重:44kg
静止射撃最高得点:78(UMP)
動標的射撃最高得点:66 (UMP)
自走射撃最高得点:60 (UMP)
格闘評価:C
指揮評価:A
・C班のリーダー
・C班の中では唯一といっていいほど安定して指揮能力の高い存在。その指揮能力はGSST全体で見ても高い部類に入る。身体能力もGSSTではトップクラス。スタミナと俊足の他、遠投や体操といった全身運動も得意である。知能も高く、基礎的な能力に関してはGSSTでも上位にいる。
・射撃能力も上位に位置する。サブマシンガンでここまでの成績を出すものは体格や反動の都合上なかなかおらず、それだけ彼がよく訓練し能力を身につけているということである。
・指揮能力に関してはほとんど文句はない。個性が強く扱いが難しいであろうC班の面々をよくまとめ上げている。唯一欠点を挙げるなら、ドライになりきれていない部分があるということ。これは彼のプライベートに関わるので詳しく書きたくはないが周囲へのヒアリングによると、同じ班の山本と交際しているようでそれが理由で山本には危険な指示を与えようとしない。これに関してはあまり好ましくないが、プライバシーに関わる部分なので強く言えないのも事実である。
・格闘能力は低い。空身で訓練する際には技を応用して小器用に動くが、いざ実戦となるとそれらが何ひとつできなくなる。おそらく彼は性格からして攻撃的ではなく、人を傷つけることに抵抗があるのだろう。特に格闘となると自分の手で直接相手を傷つけるので、その感触が苦手なのだと思われる。
・総合して、直接戦闘ではなくその少し後ろから指揮をするのに向いた隊員といえる。C班を指揮する能力は非常に高く、射撃能力も十分だが個人的な戦闘力は格闘能力に代表されるように決して高くない。よって今後は彼個人の戦闘力、主に格闘能力に集中して訓練をおこないたいと思う。ここで戦闘力まで身につければ非常に優秀な現場指揮官となることは間違いないだろう。
・重村数馬
身長:160cm 体重:49kg
静止射撃最高得点:82(M92F)
動標的射撃最高得点:84 (M92F)
自走射撃最高得点:86 (M92F)
格闘評価:S
指揮評価:D
・C班の男性隊員
・格闘能力は全体1位、射撃成績も優秀。その戦闘力はGSST全体で見ても頭ひとつどころかいくつか抜けていると言えるが、班として動く際には扱いの難しい隊員である。
・彼の最大の特徴はやはり格闘能力にある。ヒアリングによれば、最終的にヤタガラスを撃破したのは彼の格闘によるものらしい。実際それに違わない動きを訓練から常々見せてくれている。彼の格闘攻撃は非常に鋭く、教官である我々も時に完全に受け損なう。それ以上に優れているのは防御面で、間合いを外すのがとにかく巧い。攻めている時すら相手の殺気を感じ取るとすぐに回避に回るため、彼に一撃当てることすら普通の兵士では難しいだろう。元々格闘技をやっていたらしく、それの賜物だろう。
・射撃能力は一見高く見える。しかし、なぜか静止している時より的か自分のどちらかに動きがあった方が成績が良かったり、体格や知識的には十分扱えるであろう散弾銃や小銃では目も当てられない成績を取ったりと不思議な部分が多い。結論としては拳銃しか使えないのだろう。
・それ以上に問題なのは指揮能力と集団の中での態度である。どうやら彼はGSSTのメンバーのほとんどを信用していない様子である。それによって出す指示は「待機」または「うまく合わせろ」のみ。命令に対する反発も少なくない。また、指揮役を任されても率先して危険な最前線に立ちたがるため、そう言った面でも指揮官には向いていない。しかしスタンドプレーを好む訳ではなく、自分が一番強い自負があるからこそ前線に立ちたがるようである。単独行動の際にはその戦闘力もあって非常に強力だが、集団行動が主となるGSSTでは扱いにくい存在と言えよう。
・今後の方針は、とにかく格闘面の強化である。彼の場合、集団行動ができないわけではなく敢えてしていないようなので、この場合は周囲が彼に匹敵できるだけの戦闘力を持たない限り彼の本来の集団行動力は発揮されないだろう。ともすれば無理に指揮能力を訓練するより、本人のモチベーションも素養も高い戦闘能力の向上を図るのが良いと考えた上でそちらの訓練を行う。将来的には、ただでさえ他のGSSTの誰よりも高い戦闘力がよりひとつ抜きん出た、部隊の根幹となる兵士になりうるだろう。
・中西桃
身長:157cm 体重:43kg
静止射撃最高得点:95(オートマグlll)
動標的射撃最高得点:87 (オートマグlll)
自走射撃最高得点:80 (オートマグlll)
格闘評価:D
指揮評価:D
・C班の女性隊員
・全体で3位の射撃成績を誇る女性。他の能力は逆にかなり低く見えるが、彼女の長所はこれらとは全く別の部分で、手先の器用さという一点に集約される。
・誰に仕込まれたのかは一切不明だが鍵開けができるほか、応急手当もほどほどにこなせる。おそらく教え込めば爆弾処理や作成も可能だろう。これはC班のみならずGSST全体でも稀有な技能である。
・そういった手先の器用さを応用して射撃能力も高い。初めは小型拳銃を主に使用していたが、最終的に大型かつ大口径のオートマグに切り替えて成績が上がった。反動はオートマグの方が厳しいはずだが何故か扱いが巧い。小型拳銃の方もサブウェポンとして運用し続けるようで、また新たにサブマシンガンの扱いも練習中である。
・格闘能力は低い。喘息もちのせいであまり運動をしてこなかったようで、スタミナや走力、腕力といった基礎的な能力がそもそも低く、比例して格闘能力も低い。しかし、闘志は誰よりも見受けられる他、努力を惜しんでいる様子も見られない。今後の向上は十分期待できる。
・指揮能力は未知数。少なくとも本人は「無理」と言って一切指揮を取ろうとしない。人と関わるのもそもそも苦手らしく、コミュニケーション能力が高くない。今回はそこの部分を評価材料として指揮評価はDとした。
・今後の訓練方針としては、高い射撃能力と本人の特殊技能を活かす工作兵のような運用を目指していくため、格闘と指揮は一度優先度を下げ、射撃能力の面を重点的に訓練していく予定である。同時に爆弾処理や鍵開けといった特殊技能の訓練もおこなっていきたい。上手く育てばGSSTでも唯一無二の存在となりうるだろう。
・山本香織
身長:149cm 体重:39kg
静止射撃最高得点:62(ブローニングM1903)
動標的射撃最高得点:48 (ブローニングM1903)
自走射撃最高得点:47 (ブローニングM1903)
格闘評価:D
指揮評価:D
・C班の女性隊員
・正直に言って明らかに戦場に向いていない人間のひとり
・精神面、身体面、双方から考えて戦場には向いていない。戦場において臆病さは必要だが臆病すぎるのは問題であるし、彼女の小柄な体格や非力な腕力では強力な銃器は扱えない。一応現在は小型拳銃を扱っているが、正直この銃ではあまりにも威力がない。
・身体能力は思いの外高い。足は速く、よく動けるがそれが一切格闘能力に反映されていない。回避能力は高いが、攻撃が何ひとつできていない。怖くて攻撃できないのだろう。
・射撃能力も平均的。扱っている武器に特徴はなく、ただの小型拳銃であるため火力はない。唯一彼女が平均と比べ劣っていない部分であるためここを重点的に訓練するべきか。
・指揮能力も低いため指揮官として活躍させるのも難しい。プライベートで斉藤と仲が良いためにサブリーダーになりうるかと模索したが、本人の作戦立案能力や判断力が高くなかったために断念した。
・中西のような特殊技能も持たないため、今後の訓練方針を立てることにも難儀している。
・強いて言うなら訓練へのモチベーションは比較的高い。プライベートで仲の良い人間が一緒にいるため、彼の足を引っ張りたくないからだろう。なので我々が訓練方針を明確にすれば大化けする可能性はある。
・我々としては、ひとまず彼女を衛生兵のような運用ができるように訓練しようと思う。同じく衛生兵に向いた中西はそれ以上に射撃能力が高く他に向いた職があるので、そこを補完できると考える。戦闘に関しては射撃能力を強化し、順を追って格闘能力も訓練していきたい。
3.4.D班
班員
池田良子(女)
河田泰平(男)(リーダー)
細田蒼(女)
保高めい(女)
前田理沙(女)
宮本竜(男)
吉村正(男)
特徴
特殊技能に優れた班員が多い印象を受ける。今後GSSTとして活動する中で独自の活躍を見せる可能性が高い。指揮系統もしっかりしており、班としての完成度は部分的にはB班を上回るかもしれない。
一方で戦闘力は平均をやや下回る。接近戦が苦手な隊員が多く、特殊技能に頼れなくなった時が怖い。そのため、全体の方針としては射撃能力や格闘能力といった分野の強化に集中しつつ、各自の特殊技能にも目をかけたい。
・池田良子
身長:151cm 体重:44kg
静止射撃最高得点:76(HSc)
動標的射撃最高得点:70(HSc)
自走射撃最高得点:58(HSc)
格闘評価:D
指揮評価:D
・D班の女性隊員
・戦闘に向いていない隊員のひとり。悲観的な思考とそれを表に出しがちな性格は士気を下げ、さらに本人の戦闘技能も低い。
・一方で救護の技能が高い。射撃成績もほどほどにあるため他の戦闘に向いていない隊員ほど戦闘への適性がないわけではない。
・格闘能力に関しては、元々運動不足なのがたたっており、かなり低い。攻撃も防御もまだまだ身になっておらず、本人のモチベーションも高いとは言えない。ただし危機察知能力には長けているので逃げは上手い。
・指揮能力も低い。前述の通り悲観的でそれを表に出してばかりなので彼女が指揮を執れば部隊の士気は下がる一方である。想像力が豊かなので参謀役としては活躍できそうであるが、彼女の場合は最悪の事態を想定した後は思考停止する傾向があるので、その面でも危険である。
・射撃能力は比較的高水準。本で読んだという謎の知識により銃の構え方がしっかりしている。銃を構えるとなぜか落ち着くようで、構えている間は呼吸が安定している。それのおかげで射撃能力は中の上ほどはある。おそらく今後の彼女の戦闘能力の根底となるだろう。
・彼女の特殊技能は先にも述べた通り救護である。保健委員をやっていた甲斐あって手際は悪くない。本人としてもこの面には適性を感じているようであり、モチベーションが高い。同じ班の前田と共に救護の要となってもらいたい。
・今後の訓練方針は救護技能に磨きをかけつつ、比較的優れている部分である射撃を優先的に訓練したい。最終的には後方支援に長けたメンバーという独自の立ち位置を獲得してほしいと思う。
・河田泰平
身長:156cm 体重:48kg
静止射撃最高得点:91(P-90)
動標的射撃最高得点:87 (P-90)
自走射撃最高得点:86 (P-90)
格闘評価:B
指揮評価:S
・D班のリーダー
・特筆するべきはその知能の高さである。瞬間的な発想力や判断力、そしてそれらの基礎となっている豊富な知識や教養といった頭脳面はおおよそ小学生のそれとは思えない。この知能の高さが根底にあるため、指揮能力も非常に高い。
・射撃能力も非常に優れており、扱いが難しいであろうサブマシンガンで精密な射撃を行えている。おそらくサブマシンガンの扱いにかけてはGSST全体でも最上位だろう。射撃能力自体も優れている上、本人は類まれな努力家であるためこれからさらにそれが向上していく兆しがある。
・格闘能力は平均的。身体能力は低くなく、またどうやら喧嘩慣れしているようで基本的な動きは悪くない。フットワークも軽いため、回避などにも長けているがまだまだ垢抜けない部分が多いため今回はB評価とした。しかし訓練による伸び代は非常に大きく、本人の努力も合わされば十分上位に食い込めるだろう。
・指揮能力は既にほとんど完成していると言っても差し支えないだろう。判断力はもちろん、特に作戦立案能力に秀でておりそれを実行するプランの作成まで抜かりない。最悪の事態を常に考慮しながらも悲観せず現状を分析し周囲を鼓舞することもできるので、そういった面にかけても能力は高いと言える。かといって情が深すぎることもない。その代わり、周囲に要求する能力は魅神と比べてかなり高い。魅神が人員を前提に作戦立案をおこなうなら彼は作戦立案を先に考えて人員を配置するタイプである。
・総合してかなり期待値が高い隊員の1人。基本的な戦闘力さえさらに身につけば腕の立つ指揮官として班を率いてくれるのは間違いないだろう。魅神と比べるとGSST全体を指揮する際には参謀役に向いているといえる。本人が一切の努力を惜しまない性格であり、あらゆる能力の成長もかなり期待できる。
・今後は格闘能力に重点を置いて訓練を行う。他の分野に関しては本人の自学自習に全て任せても最悪問題ないと言い切れるだけの素養は十分有しているため、そちらに訓練のリソースを割かず、格闘能力の訓練に集中することで個人の戦闘力を上げる。彼に個人戦闘力が身につけば鬼に金棒と言えるだろう。
・細田蒼
身長:151cm 体重:43kg
静止射撃最高得点:70(グロック17)
動標的射撃最高得点:50 (グロック17)
自走射撃最高得点:45 (グロック17)
格闘評価:C
指揮評価:C
・D班の女性隊員
・小学生の域を超えた豊富な科学知識を有するのが最大の特徴であり、彼女の特殊技能である。特に化学の分野に関しては非常に優れており、必要な素材を渡せば爆薬や煙幕も調合できるだろう。
・それ以外の全体な能力は中の下。
・射撃能力は平均よりやや上。教えた通りのことを教えた通りに実行しており、それを独自にアレンジすることもないため、非常に教えやすく、さらに伸びも速い。この成績でも十分伸びた方ではあるが、さらに成長が期待できる。
・格闘能力は平均より下。身体能力がそもそも高くないので、格闘能力にもそれが反映されている。ビンタは強いが実戦では役に立たないだろう。しかし、受け身と蹴りはどことなくセンスが良さそうな兆しを見せている。今後の訓練次第では大きくこの2点が成長する気配がある。
・指揮能力は高いとは言えない。論理的な思考に優れており、作戦立案は得意なようだが、いざ実行するとなると無茶な命令と辛辣な言葉を浴びせる傾向がある。それに加えて何をするにしても本音が口や表情に出てしまうため、指揮官には向いていない。
・今後の訓練方針としては、やはり本人の興味が強い科学分野の知識を強化していきたい。GSSTにおいてこのような分野のエキスパートとなりうる人材は非常に貴重で、なおかつ1人でもそのような存在がいれば科学兵器を使うテロにも対抗できるようになり得る。GSSTの在り方を変えられるかもしれない人材の1人であり、注意して各種訓練に参加させたい。
・保高めい
身長:151cm 体重:50kg
静止射撃最高得点:66(Vz61)
動標的射撃最高得点:51(Vz61)
自走射撃最高得点:52(Vz61)
格闘評価:A
指揮評価:B
・D班の女性隊員。
・他のD班の隊員に比べて特殊技能を有していない代わりに、純粋な戦闘力が高い隊員。どうやら特殊な家庭環境で育ってきたらしく、なぜか修羅場でも物怖じしない上、基本的に生存能力に長けている。
・射撃能力は平均的。その代わりサブマシンガンを得物としているので、制圧力は高い。反動に負けている様子もなく、手にも性格にも合っているようなので訓練すれば確実に成績を上げてくるだろう。
・格闘成績は高い。同い年くらいの子供に比べ体重や腕力があり、それでいて相手の拘束から逃れたりするのも非常に小器用にこなす。度胸もあり、自分の短いリーチを補うために相手の懐にどんどんと入っていける。回避も上手い。あとはその場に居着かないような立ち回りを覚えてくれれば、さらに生存確率は上がるだろう。
・指揮能力は意外にも高い。周囲のことをよく見ており、ほとんど全員の長所と短所を把握している。そこに加えて先述の通り度胸があるため、決断の思い切りがいい。一方で瞬間的な判断力と班員の管理には長けているが、作戦立案は苦手なようであるので評価はB。もっとも、この班に作戦立案に最も長けた河田がいるので、彼の補佐役としてこの班の副班長をこなしてほしいと思う。
・今後の訓練方針は明確で、射撃能力と指揮能力に重点を置く。十分高い戦闘力に、サブマシンガンによる射撃能力が身につけばGSST全体でも上位に食い込む戦闘力を誇るようになるだろう。指揮能力に関しては、やはり副リーダーとして有していてほしい。河田が優秀でさらに周囲にも高い能力を要求する以上、副リーダーの彼女も優秀であってほしいというのが我々教官一同の考えである。
・前田理沙
身長:160cm 体重:44kg
静止射撃最高得点:73(P230)
動標的射撃最高得点:60 (P230)
自走射撃最高得点:40 (P230)
格闘評価:C
指揮評価:A
・D班の女性隊員。
・彼女の特殊技能は応急手当である。その技能だけならGSST全体でも群を抜いている。どういうわけか医療知識が豊富で、加えて手際が非常に良い。一般的な衛生兵と比べても遜色ないだろう。その他の技能は平均的。
・射撃能力は平均的。運動能力の影響で、自分で走りながら的に当てるというのは苦手なようであるが、それ以外は平均的。落ち着きはある方なのでじきに射撃成績も伸びてくると考えられる。
・格闘能力は高くはない。だが格闘に必要な柔軟性や瞬発力といったものは有しており、それを活かした受け身は上手い。課題は多いが、実戦に出しても最低限受け身ができれば死にはしないだろう。
・指揮評価に関してだが、彼女に対してはやや特殊な評価をした。彼女の戦闘指揮は決して高くないが、医療指揮には目を見張るものがあった。具体的には一切救護訓練を受けていない子供に指示だけで最適な治療を実行させたりである。これに関してのみ考慮すればS評価を出しても問題ないほどではあるが、先にも述べた通り戦闘指揮は低いので、両者を総合してこの評価をした。おそらく指揮能力自体は高く、教えれば戦闘指揮も十分こなせるだろうが、彼女の技能から考えて戦闘指揮よりも救護技能の方を優先したい。
・今後の訓練方針も同様で、彼女に関しては戦闘訓練は最低限にし、救護訓練の方を最優先にしたい。GSSTにおいては衛生兵の存在は非常に貴重であるため、1人でも多く優秀な衛生兵が欲しい。彼女がそうなってくれれば、GSSTの戦略の幅も広がるだろう。
・宮本竜
身長:162cm 体重:47kg
静止射撃最高得点:63(M29)
動標的射撃最高得点:50 (M29)
自走射撃最高得点:48 (M29)
格闘評価:B
指揮評価:C
・D班の男性隊員
・彼の最大の特徴は豊富な軍事知識であろう。訓練を始めたばかりのかなり初期の頃から、何も教えていないにも関わらず相当な数の銃器の名前や特徴を軽々言い当てている。それ以外にも戦闘機や車両、兵器に至るまでプロであるこちらが舌を巻きそうになるほど軍事には詳しい。
・格闘能力も知識、体格、身体能力が相まって決して悪くない部類である。だが格闘の知識には偏りがあり、攻撃面の知識は詳しいが実戦性に乏しく、防御面に関しての知識は欠如している。そのため攻撃時は体が動きすぎ、受けに回ると弱い。興味は強いようなので今後の訓練で徐々に改善されるだろう。
・射撃能力は平均的。だが大口径のリボルバーでここまでやっているだけでポテンシャルは高いと考えられる。本人も将来的には突撃銃を扱いたいと考えているそうなので、その際には活躍してくれるだろう。
・指揮能力はやや低い。戦略や戦術には詳しいが周囲の人間に興味がなかったようで、他の班員たちの長所短所を把握していない。そのため判断自体は合っていても班員たちの適性を見ようとしていないため一歩間違えると背中から撃たれる可能性もある。結論として彼は前線向きだろう。
・今後の訓練方針は、格闘能力の強化に重点を置く。本人の射撃に対するモチベーションが十分に高いので、射撃能力の改善は本人の自己鍛錬で十分と我々は考え、本人が今後担うであろう役割を考えた時に必要な格闘能力の訓練を重点的に行う。また、本人の軍事に関する知的好奇心も可能な限り満足させたいと思っており、GSSTでも随一の軍事知識の宝庫になってもらいたい。彼の軍事知識があればGSST全体で作戦立案する際にも戦術に深みが出るだろう。
・吉村正
身長:149cm 体重:38kg
静止射撃最高得点:70(USP)
動標的射撃最高得点:68 (USP)
自走射撃最高得点:60 (USP)
格闘評価:C
指揮評価:C
・D班の男性隊員
・彼の特殊技能は電子工作と爆発物の取り扱いである。どういう理由なのかは一切不明だが爆発物の取り扱いに非常に慣れており、爆薬の調合も現時点で十分こなし、我々が訓練を施すと爆弾解除技能も現段階で5割ほど身につけた。
・電子工作に関しては幼い頃から電子機器を工作していたこと、およびパソコンを自作した経験が活きている。インターネットに関しても詳しく、簡単なハッキングなら現時点でも十分こなせる。
・射撃能力は、点数自体は平均的。だが射撃状況によらずほとんど安定した成績を出しているのは単純に平均的と言い切るには惜しい。ポテンシャルはかなり高いと思われる。なお実戦ではグレネードランチャーを使用するようであるが、ここではそれを訓練できる設備がないため、拳銃でテストを受けてもらった。
・格闘能力は低め。本人の得意技が頭突きであり、さらに小柄であるためよほど相手と密着しないとまともに戦えない。だが本人が打撃系の技能をまだ不得手としているため密着状況を作り出すのも難しい。動きは俊敏で回避は上手いが、攻撃面では課題が残る。
・指揮能力も高くない。人と話すのが苦手なようで、自分の考えをうまく伝えることができていない。仲の良いメンバーに伝えることは得意なようだが、班員たちの多くをどこか警戒しているようであり、指示も上手く出せていない。しかし思考能力は高く、話を聞いてみると作戦も理に適っていることが多い。これは彼の精神的な問題だろう。それだけに改善は難しい。
・今後の訓練方針としては、彼の特殊技能を優先的に伸ばす方向で考えたい。電脳も爆破も現状彼しかできない技能であり、任務内容次第では作戦の中心人物になりうる存在である。よって、戦闘技能よりもそちらの技能を優先して訓練したいと思う。
4.総評
ほとんどの隊員が何かしら光るものを有しており、訓練次第では期待以上の特殊部隊が出来上がる可能性が高い。一方で現時点の戦闘力はやはり子供であるせいもあって低い。訓練に対するモチベーションも個人差が大きいので、ただでさえ存在する実力差がさらに開いてしまう可能性も捨てきれないだろう。
訓練をおこなうにあたって、今後最重要視するべきは彼らのモチベーション管理であろう。ただでさえ彼らは故郷を奪われ、命辛々逃げ延びた後である。そんな中で戦うことを決意してくれたこと自体が感謝するべきことであり、普通ではありえないことである。だからこそ、彼らのひとりひとりとしっかりと向き合い、可能な限り要求に応えることが重要と考える。
最後までご高覧いただきましてありがとうございます
お気に入りのキャラや班はありましたでしょうか?
簡単にまとめますと
A班(佐ノ介の班)...バランス型
B班(暁広の班)...チームワーク重視
C班(数馬がいる班)....個人プレー多め
D班(泰平の班)...職人集団
というようなイメージです