オーパーツで人を殴り続けると死ぬ
どくろの水晶を手に入れました。
これには恐ろしい力があります。
そう……これで人を殴り続けると死ぬのです。
恐ろしい物を発見してしまいました。
これで人が殺せるなんて……。
考えたくもありません。
私はこの危険なオーパーツを収容すべく、アメリカの専門機関を頼りました。
しかし……門前払い。
私の話を聞いた職員たちは鼻で笑いました。
誰も私の話を聴いてくれないので、SNSでこの危険性を拡散。
一人でも多くの人に知ってもらいたい一心で、各所に情報を伝播しました。
すると……次第にこのオーパーツで人を殴り続けると死ぬことの恐ろしさに気づいた人々が、私に賛同してくれるようになりました。
ついにはメディアでも取り上げられ、全世界で報道されるようになり、人を殴り続けると死ぬこのオーパーツの恐ろしさを知らしめることが出来ました。
でも……問題はこれから。
人を殴り続けると死んでしまう恐ろしいオーパーツをどこかに保管しないといけません。
しかし、適切な場所は見つかりませんでした。
世界中どこを探しても、この人を殴り続けると死んでしまう恐ろしいオーパーツを保管できるような場所はなかったのです。
仕方なく私は南極へ向かうことにしました。
あそこなら簡単には手を出せないでしょう。
探検隊を組織してオーストラリアへ向かう飛行機に乗り込んだその時、悲劇は起こったのです。
「え? なくした⁉」
なんて恐ろしい……。
人を殴り続けると死なせてしまうオーパーツを紛失してしまったというのです。
あまりに恐ろしいその事実に私は正気を失い……。
「回収した例のオーパーツは?」
黒いサングラスをかけたスーツの男が、白衣の男に話しかける。
「あそこです」
白衣の男は黒い箱を指さした。
あの中にオーパーツが封印されているのだ。
「それで……収容は完了したのか?」
「ええ、あれに人を殺す能力なんてありません。
先ほど材質を確認しましたけど、ガラス製です。
しかも中が空洞になっていて非常にもろい」
「というと?」
「あれで人を殴るとオーパーツの方が壊れます」
「…………」
スーツは肩をすくめる。
「やれやれ、そんなものに振り回されて大騒ぎしたのか。
みんな大して暇じゃないだろうに」
「死人が出なかっただけよしとしましょう」
「それで……処置はどのように?」
「どこかの倉庫にでも適当にしまっておきましょう。
どうせあれはタダの……」
黒い箱の中に眠るオーパーツ。
殴っても人は死なない。