貴族が現代社会へ転生!?
異世界の者を呼び出す術があるのなら異世界に行く術もあるのだろう、そんな安易な考えから我は異世界へ旅立とうと術を駆使するのだった。
我は王国きっての大賢者が一人、クリス・チアーノである。
この王国、リスボリドの貴族である。
我は異世界というものが実在するのか日夜研究を重ねている。
様々な魔術がある中、なぜそれに目を付けたか…。
テレポートやその場から離れた者と交信できる術はあれど、異世界というものに魅力を感じてしまったのだ。
昔の文献、異世界の者についての著書は少なくないが、やはりこぞって我先にと研究するがどれも結果がつかなかったこともあり早々に見切りを付けるものが後を経たなかった。
我は未知の世界を考えるだけで興奮冷めやまなかった。
だがやはり険しい道のりだった…。
異世界の書物や絵画といったものが術により現れるが、肝心の異世界へと旅立つ術式がまだ完成しない…。
根本的に術の組式が違うのではないのだろうか?
あらゆる視点で再度構築を重ねていた時だった。
目の前がまばゆい光に包まれた。
こ、これだ!おおなんと神々しい光だ!
光に包まれるように我は異世界への扉を開くのだった。