表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

序章

 俺、田中は今日死んだ。


 ――はずだった。


 確かに学校の屋上から飛び降りた。

 それなのに今はベッドの上にいる。

 病院のベッドではなく、自宅のベッドだ。

 そして朝だった。


「どうしてだ」


 自分の体をあちこち触ってみる。

 特に異常がなかった。

 明らかにおかしい。

 五階建ての学校の屋上。

 そこから飛び降りればただの怪我では済まない。

 にもかかわらず、俺はピンピンしていた。


 俺はとりあえずリビングに向かった。

 いつも通り母親の姿はなかった。

 テーブルには朝食が用意されている。

 これもいつも通りだ。

 母親は朝早くから夜遅くまで働いている。そのためあまり顔を合わせない。

 しかし息子が飛び降り自殺をはかったのだ。いつも通りであってたまるか。


 俺は携帯電話を開いた。

 誰からもメッセージらしきものは来ていない。母親からも、普通の友達からも。


 そこでふと気づいた。


「昨日の日付……?」


 俺は『その日』の前日にいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ