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悠遠の執行者  作者: しゅがー
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その意味とは

「知ってる? ぼくたちの魔力って武器造れちゃうんだよ。ほらね。」


とにこにこ顔で見せつけられたのは、真っ白な本。

・・・鈍器?


魔力測定から2日後、武器練成と使い魔召喚が行われた。

練成といっても、渡された魔石という鉱物に自分の血を媒介に魔力を吸わせる。

自身の魔力の質と量をもとに、魔石が造りかえられていく。


そうやってできたのが。


「・・・鎌? 」


『それも大鎌とか、本当に神の加護受けた自覚あるのかな? なんでだろうな? 』


闇属性に大鎌なんてもう


「ノボルってあれだよね。死神を連想させる出で立ちだね。前世がそうだったらぼく吃驚」

「俺も」


レイは弓。ショートは杖だ。


アレクは造れない。


「ないんだ、魔力」


そう教えてくれた。前に話した忌み子の意味は魔力を持たず生まれた子供を指してると。

特徴は容姿にもあらわれ、アレクのような白髪がそうなんだ。


『まさか髪色に属性が現れるなんて、面白い構造ね』


ルイは水属性だから青、レイは雷属性で黄、シュートは土属性で茶。

で、黒髪の俺は闇属性。うん、合っている。


『次の使い魔召喚は何がでてくるかな』


神だったりしてね。


『神は神でも死神かも』


それだけは勘弁。


「では次、オリハルコンの生徒は集まってください」


行けば、いくつかの魔法陣が描かれた。


「この陣の中でそれぞれ血を流してください。量は問いませんが、命にかかわるバカなことはやめましょう。それと、自分自身より格上を望まないように。餌にされるのが落ちです」


「おっかないね。あ、でもここだけの話。さっきのクラス、なんだっけ一人食われたらしいって」

「そういう情報いつもどこから仕入れているの」

「んー、企業秘密」


うきゃー、ぼくって情報通とか言いながら一番離れた魔法陣へ行ってしまった。

ルイって自由人だな。無邪気というか、本当にタメなんだろうか。


「クロキノボル。次は問題起こさないでくださらない」


魔力測定の件まだ根に持ってんのかな。

レイはプライドが高いのか、自分より上の数値を出した俺が気に食わないようだ。

上といえばルイもそうなんだけど、幼馴染だからか口喧嘩くらいで済んでいる。


『嫉妬というより嫌悪だね。闇属性って嫌われ体質なのよ』


確かに、小説でもいい話はあまりなかったな。

と、落ち込んでもしかたない。

血を流してと、


「我を契約を結ぶこと望むモノよ。我の声に答えよ」


魔法陣から禍々しいオーラが溢れて、俺を包み込もうとしている。


「まずい、早くその陣から出なさい」


「えっ」


身体が反応するより先に、闇が俺を飲み込んだ。




「遅い、待ちくたびれた」


闇が晴れたその先には、


「クロキノボル、少しはマシになったかしら」


純白の羽に不釣り合いの大鎌を携えた天使がいた。


『サリエル』


サリエル? えっと昔読んだことのある何かで見たような・・・


「あら、しっかり混ざっているのね。うふふ、いい経過だわ」

「え、ヒメノの声わかるのか」

「ふーん、そう名乗ってるんだ。かわいい」


『ちっ、そういう魂胆か。道理で中身が薄いわけね』

「仕方ないじゃない。ここは別次元。できることに制限あり過ぎるのよ」


え、何話が見えない。


『あの方は元気でいるの』


「あははは。無理無理無理、めちゃくちゃにルール捻じ曲げていて咎めなしなわけないでしょう」


「見て、このピアス。きれいな色の目してない? 」


見せつけられた目と視線が合う。


「誰のかわかる? あなたの敬愛するパパの目よ」


『あああああ、許さない、許さない。たかが天使の分際であの方に傷を』

「それをいうならあなたもそう。まがい物のくせに私を馬鹿にしないことね」


「いいこと、私はただ神の願いを聞き入れた。その代償に目を頂いてアクセサリーとして身に着けているだけよ。どうせ神の目なんてすぐ再生され、こっちはただのレプリカとして機能は失う。誰も損はしてないわ」


『それでも、使えている主に対して冒涜よ』


「あら、そうかしら。ただ私は世界の歯車として動いただけのこと。そしてこれからあなたへ力を貸すのよ」

「力? 」

「そう、神が託せなかった最後のピース。これで全てが揃う」


ちゅっ


唇から熱が伝わって、身体が燃えるように熱い。

いや、ファーストキスだから恥ずかしいのか。なんなんだこれ。


「うふふ、ピュアねぇ。いつまでもそのままでいてくれるかしら」

「それはどういう意味? 」

「時間が教えてくれるわ。それじゃ、契約は・・・はいこの子で」


ぬいぐるみのようなミニマム死神。


「終わったから、さっさと帰ってね。バーイ」


そういって闇が彼女を飲み込んでいく。

気づけば、元居た体育館に立っている。


「し心配したんですのよ。あなた黒い何かで消えたと思ったら抜け殻のようにぼーっと突っ立っているだけで。呼んでも何も返事がなくて、怖かった」

「うわーん、ノボル死んじゃいやだー」


「そっか心配かけてごめん。でもほら、この通りちゃんと契約もできたよ」


そういってちび死神を見せる。

二人が泡吹いて倒れた。


と、目の前がチカチカする。


『ノボル』


え、ヒメノが俺の名前呼んでくれた。ちょっと感動と思ったら声が震えていた。


『スキルがアップグレードしたわ。これから本格的に動くことになる』


スキルのアップデート? なんだよそれ。


『見えるようにするわ。まず一つ目【解析】よ』


目の前に映し出されたのは倒れた二人の情報。その片方ルイにだけなぜかどくろマークがついていた。


『ターゲットの可能性があるのは彼ね』


なぁ、これなんだよ。


『なにってあなたの仕事よ。監視役としての』


監視って、それに【橘歩夢】って誰だよ。こいつはルイだろ。

なぁ、ルイそうだろ。お前は転生者じゃないんだよな。

嘘だよな。


『まだこの情報が本当かはわからない。だけど彼は関係あるかもしれない』


大量殺人なんてこいつにできる訳ないよな。




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