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ディメンション×ソード   作者: 空のいさや
第七章-大演武(弐)-
41/51

大演武(弐) ~北領の怪物~

「夾くん、おはよう」

「衛上くん、おはようございます」

「由良、帝、おはよう。二人は相変わらず早いな。まだ集合五分前なのに、俺が遅刻してきたみたいじゃんか」

「私も今来たところだよ!」

「なんだそうだったのか。ちなみに帝は?」

「僕は20分前からいましたよ」

「……」


 さすが帝、たしかに帝が遅刻をしているのは見たことない。

 そんなこんな話をしていると、後ろから忍びよる影が……。


「お兄ちゃ~ん」


 後ろから突然抱きつかれた。相手はもちろん。


「彩萌、だから抱きつくなよ」


 桜色の髪を揺らし、弾むような高い声で俺を呼び、抱きついてきた。帝と由良はまた始まったというような顔でこちらを見ている。


「なんで~?」

「それは……」


 いろいろな所が当たっているからとは口が裂けても言えない。


「……恥ずかしいから」

「夾ちゃんは可愛いな~」


 そう言って俺から彩萌は離れた。


「からかうなよな~」

「からかってないよ~。でもそういうところが……」

「そういうところがなんだよ?」

「……ううん、なんでもない」

「気になるじゃん、教えてくれよ~」

「今は教えてあ~げない」


 彩萌はたまにこういうところがある。肝心なことはなにか俺に隠している気が、昔からしていた。


「そういえば彩萌、夏陽と一緒に生徒会の仕事があったんじゃないのか?」

「もう、先輩一人で大丈夫そうだったから抜け出してきちゃったんだ」


 おい、それ。夏陽の怒っている顔が安易に想像できた。


「まあじゃあそれはいいとして、彩萌は今日初戦だろ。大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ」

「負ける心配とかないのか?」

「ないよ。私は負けない」


 そう言う彩萌の顔はどこか明るくて、どこか影があるように見えた。


 大演武の会場となるコロシアムまで来ると、人がたくさんいた。それもそのはずである、なぜなら今日から大演武が始まるし、開会式もあるからだ。


知った顔がいないか俺は周りを見ていると。突然帝が俺たちに声をかけた。


「あれを見てください。北領の選抜メンバーですよ」


 帝が指を指した方向を見ると、そこにはまとまって歩く団体がいた。そしてその先頭を歩く少女に俺は見覚えがあった。


「北領は伝統で、毎年ああして選抜メンバー全員で開会式の会場に来てるんですよ。そしてあの先頭にいる生徒が、去年2、3年合同の部の大演武で優勝した、北領の怪物と言われている……黒曜雅ですよ」

「……黒曜、雅……!?」


 俺は去年、兆也に負けてから入院していて閉会式に出れなかったので、2、3年生合同の部の大演武優勝者を知らなかった。だけど、まさか……。





 







 

 

 


 

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