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第一章 四幕 Miho&Fischerreyes

PM7:50 Sunday


Egg-poker・・ブラックマンバの支配下にあるCLUB

暗闇を彩るネオン&ミュージック。踊り狂う烏合の衆、大理石のテーブルに並ぶカード&ドラック。毎晩飽きもせず繰り広げられる欲の縮図。カウンターで酒を食らうロト・フィッシャーレイズ。短髪をブルー&ゴールドのアシンメトリーにきめ、舌&鼻&瞼&全体にボディーピアスをしギターケイスにライフルという下手な形の殺し屋。その横で髭面を手で撫でながら踊るアバズレを食い入る様な目で追いかけているのが弟のダニエル。職業は兄達と同様・・名も無き街に代々居据わる殺し屋=フィッシャーレイズ家。

ロトはお気に入りのジンをあおりながら告げた。

「ダニエル・・聞いたか。NBTに出場するマンバの代表が決まるとよ」

ウォッカを一気に流し込みドンとテーブルに置いた。

「殺るのか兄貴」

ロトはクビを振りアシンメトリーにハットを被せた。

「余興ってもんを楽しもうぜ」

「余興ね。へへ・・わざわざ蛇の縄張りに来て女漁らずに仕事だけってのもつまらねーよな・・へへ・・俺はナインポインツの争いなんて興味ねーからよ」

「へへ」って癖を注意しロトはジンのボトルをダニエルの頭に叩きつけた。髭を撫でる様に殴られた頭を撫でる。これは日常茶飯事の出来事・・

「頼むぜ兄弟・・NBTにはタンも出るんだ。あいつの敵を俺らが始末する・・ママの言い付けだろ」

「ママはタンを一番愛してるからな・・へへ・・俺は兄弟の中で一番タンが嫌いなんだよ。無口なツルッパゲめ・・ママの舌まで食いやがって・・ウィザードって野朗をさらった時の事、覚えてるよな」

黒のドレスシャツを捲り、腹に残った二発の弾傷を指で弾く。

「あのガンファイターただ者じぁなかったな・・さすがは元ブルーイナフってとこか」

「へへ・・俺ら兄弟五人がかりでやっと捕まえたんだ・・」

「その代償にジャッカスとルーチが逝っちまった。」

「なぁ兄貴・・タンがあいつの舌を切り取り食っちまうとこ見たろ・・ママのもあーして食ったんだぜ・・俺はあいつが許せねー」

「ダニエル・・・ダニエルよ・・ママの舌を食ってからだ。タンがママに一番愛される様になったのは・・」

「兄貴がマザコンでタンは助かったな」

「明日はそのタンから高額な仕事が入ってるんだ。文句言うなって」

「タンの仕事はグリルが絡んでんだろ。まぁ・・相手はサティーンだからな・・もう八年も経つかな、借り返すついでに金も貰えんだ。ラッキーだぜ・・へへ」

「あぁ・・そうだな」

メインフロアを照らすネオン&ミュージックが止み、敵艦に囲まれた潜水艦が写すソナーの様にポツリポツリとざわめき始めた。スポットライトがエッグポーカー専属MCに当てられる。

「レディース&ジェントルメン。玉無しにアバズレ共め・・」

酷いブーイング・・MCを取り囲む様に人柱の即席リングへ変化していく玉無しにアバズレ。歪な円の中には3人の男がいる。

「今日はブラックマンバの最強を決める日だ。傭兵もクソも関係ねー。勝てば金も権力も一夜にして手に入る最高に夜・・ナインポインツ主催のネオブラットトーナメントに代表として出場できる天国のフライト付きだ」

闇に蠢く蛇共は狂気の雄叫びをあげた。再びネオン&ミュージックが混血のスコールの様にメインフロアに降り注ぎ、フロアを取り巻く鼓動のリミットをぶっちぎる。その中で虎と龍が如く睨み合う蛇。一食即発・・仕切るのは俺だと言わんばかりにMCが割ってはいる。

「ヘイ。スキット調子はどうだ。」

黒色の肌にドレットの軍隊上がりの傭兵・・・スキット

「悪くねーな、それよりアバッキオの心配してやれ、顔色わるいぜ・・ちびって声も出ないんじゃねーか」

「アバッキオ。こいつやる気120%だぜ」

マンバの私兵団隊長。ストリート育ちのフリースタイル・・アバッキオ

「そろそろ片付けねーとな。マンバの牙って名は2人もいらねーだろ」

「イャー。今日は超満員300人ギャラリーだ。好きに暴れろ蛇共・・Are the preparations good・・COME ON!」

骨が軋む音はギャラリーのアドレナリンを沸騰させた。

「へへ。兄貴どっちに賭ける」

「俺はスキットに100ドルだ。あいつ相当強いぜ・・」

「じゃ、俺はアバッキオだ・・」

「正気か。あんなチンピラじゃもらったも同然・・ダニエル、どうした」

「あの女・・どっかで・・あっ、ブルートルウィッチ」

「あの残忍なビッチか・・おい、スキット、てめー立て・・聞こえねーのか・・雑魚、立てっ言ってんだろーが・・よし・・」

「兄貴、俺ちょっと行ってくるぜ」

「なに・・もうすぐ狩りの時間だぞ」

「その前に魔女狩りだよ」

ミホは流れるリングに流れる血を怪しげに見つめていた。灼熱の砂漠の中、オアシスの幻影を見るかの様に眺め「残忍な魔女には物足りないんじゃないのか」と、男に声をかけられ「あら・・私を知っているのね」すでに誘惑する眼つきに変わっている。

ダニエルは髭に手を当てながらにニヤける口元を覆った。

「WWWのタトゥーにこんないい女だ。一度見たら忘れないぜ。まぁ手配書で見ただけだけどな・・へへ」

「手配書に写る私を見てやりたいと思ったでしょ」

「随分ストレートだな。チームが解散して娼婦に成り下がったってのはホントだったのか・・へへ・・へへへ」

ミホは掌に指を二本足し微笑む。ダニエルの財布の中身は600ドルだがアバッキオが勝てばロトから100ドル入ることで成立した。トイレに向かう途中、ダニエルはロトにニヤリと笑ってみせた。

「あのドMめ・・魔女に切り刻まれろ・・・おい、スキットまた同じパターンにハマりやがって・・クソ」ダニエルがトイレに消えていくと同士にスキットはダウン、勝負は決まったようだ。

「クソ・・100ドル損したぜ。」

ロトはカウンターにコインを弾くと懐から銃を抜きバーテンダーの額を打ち抜き、ギターケースを悲鳴&パニックのギャラリー無視でゆっくり開きアサルトライフルを手にアバッキオまでの道に乱射・・命中・・無数の鉛を喰らい穴だらけの勝者・・それをダウンしているスキットが見つめる・・バウンサーは一瞬で蜂の巣・・フロアに残るのはスキット&ロト&死体・・スキットを見下ろし銃向ける。

「てめー、何の為に・・誰に雇われた・・」

「全てはフィッシャーレイズ家の為に」

ダダダダダ・・・


「キスも無しかよ」

「ダメ、先に払ってくれないと・・」

「なぁもういいだろ」ダニエルは財布を出した。

「わかった気持ちよくしてあげるから目をつぶって・・」

舌が絡み合った・・様にミホの手はダニエルの喉笛近くまで行き

「ん・・」

「どお・・気持ちいい」

魔女はどんな魔法を使ったのかワンタッチで顎を外した

「んんん・・」

「じゃね、お猿さん」

ミホがトイレから出てきたのは丁度スキットが撃たれたあとだった。

「・・・何よこれ・・・」

ロトはミホを見て目を覆った・・「ダニエル・・早漏か・・」

ミホは100ドルの件を話した

「さすがブルートルウィッチだな。この状況で100ドル請求できるか・・気に入ったぜ。」

札を掴みフロアを後に・・「ふぅ・・」

「ダニエール・・ダニエール・・・・」

トイレに蹲っているダニエル・・「どうしたダニエル・・はは・・分かったぜ、アソコ舐めてたら外れちまったんだな・・うけるぜ兄弟」

「んーーー、んーーーーーー」

「ママが見たら泣くぞ・・・」


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