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プロローグ ブルーイナフ2002

プロローグ ブルーイナフ2002


雷鳴轟く嵐の夜。窓に吹き付けるスコール。一瞬の光に乗じる夥しい血痕。薄い闇に混じ

った死臭。

「サーティーン・・腕が落ちたんじゃないか?」

不適な笑みー白髪。対戦闘に計算付くされたボディーライン。日本刀。

赤いブルゾンは返り血で染まっている。

ガシャン・・鉄鋼の衝突音。両手に刻まれた文字[ボニー&クライド]

「な〜に・・お前を締め上げぐらい錆びたスパナで十分だろ・・ファースト」

同時にダッシュ。鉄甲がフロアを掠め火花を出す。低空。

待ち受けるファースト。鞘に納められた刀。ゆっくりと虹色に輝く刀身が辺りの暗闇を吸収していく。

「今のお前では俺には勝てない。サーティン・・お前が弱体する前にあの女を斬っておけ。

ばよかった。」

一閃・・受け流す鉄甲&回転、裏拳・・スウェイ&十字の二段切り・・バックステップ

「今日はよくしゃべるじゃね〜か・・このマスカキ野郎が・・てめ〜がブルーイナフを裏切るなんてな」

ステップイン&上下のコンビネーション・・かわし穿つ・・鉄甲=火花

「生憎、俺の器はこの町じゃ狭過ぎるんでな」

「やっぱインテリはジョークが面白くね〜」―ガシャンー「もう泣いても許さないぜクラウス」

弾かれる刀・・拳打・・スウェイ&薙ぎ払う・・刀&鉄甲=交差

「ガキの頃以来だな・・お前にそう呼ばれるのわ・・」

「嫌いなんだろ・虐められっ子のクラウスが。」

前蹴り・・鉄甲のガード・・両者弾かれる・・ぎりぎりの間合い・・硬直

「高みに昇る崇高な魂。非道になりきれないなら親を斬り・・足を引かれるなら仲間も斬る。

・・俺と一緒に来い・・こんな薄汚い街の頂点に立っても与えられるのは吐き気だけ。俺はお前の戦闘能力は高く買ってるんだ。」

「はっ。どうやら馬鹿は高い所が好きってのは本当らしいな」

「残念だよ・・サーティーン。ブルーイナフの悪魔が・・地に足を付けた結果がその答えか。女は消えた・・お前にはもう何も残ってないだろ。」

「俺は元の鞘に戻るだけだ・・だがお前の歩む道には死体が転がりそうだからな。」

「お前らはいつも綺麗事をぬかし、高みを目指す崇高な魂に泥をぬる。強欲の虜になるべきだったんだ・・ブルーイナフの13人に欠けていたのは次なる野心・・」

「俺もその意見には同感だが・・てめーはやりすぎだ。」

灰色一色。スローモーションの深海。最自由。=サーティーンの世界が張り詰めた空気を支配していく・・

「お前は昔から甘いんだよ・・清春。」

ファースト&サーティーン

「お前の理想はくだらない。」

「てめーの理想はくだらねー。」

殺伐。重圧。凍てつく七色の光。=ファーストの世界がサーティーンの世界を穿つ。

・・交差する決定打。空を切る拳の刃・・突き刺さる虹色の刃。

「本当に弱くなったな・・昔のお前が好きだったよ・・女は見つけだして・殺しといてやるからあの世ってのがあった永久に愛を語りあえ・・」

胸に滴る血・・刃をめり込ませファーストの首を鷲掴む。

「やっぱり・・てめーは仕留めとく必要がありそうだ・・」

「死に底ないが・・」

虹色の刃が血で染まる・・。

「時と共に老いいる魂だとしても・・一度誓いを立てたら命が尽きるまで・・女神との約束を果たそう。」

「く・何を・・」

「・・まだ10カウントを数えるにははえーっつってんだよ。マスカキ野朗。」

顔面への強打・・吹き飛び膝を着く・・抜き取り振りかざす刀

破裂音・・コンクリートの壁が崩壊・・セカンド&シックスの声

「サーティーン何処だ。」

・・バックステップ・・

「ツキは俺を見放さなかった。その刀は冥土の土産にくれてやる。」

「てめーを串刺してやる。俺みてーにな。」

「強がるなよ。その傷では立ってるだけで精一杯だろ。この先お前らの運命はブルーイナフの亡霊として最下層まで落ちるんだ。

それがこの町の掟・・暴力と強欲の町・・そして・・名も無き町。」

視界には消えていくファーストと血の海に横たわるブルーイナフのナンバーズと仲間たち。セカンドとシックスの声が聞こえる。

目の前が暗くなってきた・・少し眠りたい。聖地ブラッドバンク・・この町の歴史は常にここで変わる。

それが今日だったなんて・・声が・・遠くなっていく・・・



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