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感情喪失  作者: 娑紅羅月
5/17

退院


今回はかなり飛ばして話を進めてしまいました。

なかなか思い通りのテンポで話が進めていけないのですが、ちょくちょく改稿をしていき、改善していきたいと思います。


お気に入り登録数、300を超えました。

お気に入り、評価などをしてくださっている方々、本当にありがとうございます!

増えているたびに、よし!頑張ろう、と思わせていただいております。







「明日にはもう退院して大丈夫です」

「分かりました」

医師の検査で莉彩は明日退院できることになった。

カルテ業務員は、医師とは特に接点がないので、会話も必要以外はほとんどなかった。

「打撲程度で後はほとんど無傷で・・・・・当たり所が良くてよかったです」

「私もそう思いました」

莉彩が目覚めてすぐ思ってことをやはり医師も思っていたようだ、交通事故で打撲で済むようなことはめったにないだろう。



本当によかった、と莉彩は思う。


そして退院の予定時を午前10時にした。

「では」

そう言って医師は病室から出て行った。





「やっとか・・・・・・」

ようやく退院できる、と莉彩は呟いた。


窓から殺風景の広がる景色を見て、風に当たりながら、莉彩は携帯を手にして、友里と美香に「明日退院できる」といった内容のメールを打った。


メールが送信された後、新着メールが来ていたことに気が付いた、送り主は、優真だった。

昨日の返信だろう、と莉彩はメールを開封した。


『構わない

それより、退院日はどうなった』

やはり昨日の返事のようだ。


返信に、もう一度お礼と、退院日を書いて送る。


『有難う御座います

退院は、明日できるそうなので、午前10時位に』

両者とも非常に愛想のないメール内容だ、今時の人とはかなり言い難い。

莉彩にとっては、どうでもいいことだが。


送信完了と画面に出たことを確認し、莉彩は携帯を机に置き、ベッドに座った―――直後、携帯にメールが届く、送り主は美香だった。メールの内容を確認する

『わかった、でも案外早いのね

退院したら、3人で作戦練るわよ!!』

という内容を見て、3人のもう一人は友里だと悟る、しかも半強制口調なので参加しなければいけないだろう。


美香は面倒見も良く、人懐っこい、非常に良い性格だ、だから知り合いがかなり多いのだ。

出会ったのは2年前、それでもかなり親密になっている、仕事で上手くやっていけるのも彼女のおかげだろう。

「了解です」とメールを返信した。





友里からのメールが来たのはそれからおよそ10分後だった。

『あ、そうなの?早いもんだねー、良かったじゃん

体は頑丈なんだ、背は小さいのにぃ~(笑)』

さらっと嫌味を言われたが、やっぱりみんな入院期間が短って思うのか、と別の事を心の中で思っていたのだった。




 返信が終わると、窓の外に見える飛行機雲をぼーっと眺めていた、今日はいい天気だ、と莉彩は久しぶりに天気のことを考えていたのだった。




 昼食を終えると、やることがなく暇だったため優真に貰った本を手にして、読み始めた。

本を読むことは、小さいころから好きだった、入り込んでしまえば、周りの声が聞こえない時もあった、それでよく母親に怒られていたのだ。

だがその甲斐あってか、莉彩は特に漢字が得意だった、漢字検定を、準1級まで所持しているのだ。




気が付いたら、午後5時30分を過ぎていた。

3度目を読み直し終わると、時間の流れを忘れていた莉彩は本を置いた。

そして目を閉じて本の内容を考えていた、振り返り、というやつだろう。

最後ラストに、主人公は、呪縛から抜け出せることができたのか、これが最大の迷宮だろう、バットエンドかハッピーエンド・・・・・これを考えるのは読者だろう。

(私だったならば――――――)


「・・・・・・・・・・」

莉彩はポツリと呟いたのだった。







次の朝、病室を出る準備を整え終わった莉彩は、またしても窓から外を眺めていた、何かを眺めるといった決まったものではなく、景色全体をぼんやりと眺めていたのだった。




病室から出ると、受付を通って、病院を出る。

時刻は9時58分、ほぼ予定時刻だ。

今日はタクシーでも呼んで家に帰ろうと思いながら、駐車場を歩いていたとき、目の前に人影が現れた―――

莉彩は、その人の名前を呼んだ。



「・・・・優真さん」




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