軽蔑という名の
遅くなりました!
何か不具合があればお知らせ願います(- -)
「.....なんですか?」
「今誰と一緒にいるか.....知ってる?」
「は、誰が?」
「ユー。優真だよ!」
先ほど仕事の話をしていたなぁと考えながらも
「さぁ?私には関係ないですねー。では」
「えーっ。ちょっ」
まだ何か言いたそうだった彼の言葉を無視してカツカツを歩いて行った。
駅に着いて階段を登れば、電車待ちの人がたくさんいた。
「うっわー。よくこんな人の多いところで」
「ホントだよーこっちが恥ずかしいわ」
電車を乗る前に小声でそんなことを言っている3人組を見てその視線を追って見た。
それを見て一瞬。冷たい風が吹いたような気がした。
そしてすぐに莉彩は向く方向をかえて再び歩き電車へ乗り込んだ。
電車内でグラグラと揺られながら、さっき見た事を思い出した。
ーーー駅前でキスをする男女を
はっきりとわかった。男は間違いない。優真だった。
もう一つわかったことがある。
今見た人が莉彩がいままで彼と一緒にいた女の人とは違う人で、
彼は二股をしていたのでは無かったことを
きっと
きっともっと大人数の『相手』をしていたのだろう。
(.....あんなちっちゃな事で泣いていた自分がバカみたい)
大股で歩きながらただ一つ、彼に抱いた『感情』は軽蔑だ。
ーーーバカバカしい。
ーーー自分は何とも思われていない、その他多勢だ。
そう考えても額に流れる涙を止めることができない莉彩はそんな自分が一番気に入らなかった。
....封じなきゃいけない
ーーーこの【思い】
「すー.....はー」
莉彩は大きく深呼吸をして自分の家に帰ったのだった。




