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感情喪失  作者: 娑紅羅月
15/17

誘い


夏休みの方が忙しい.....更新遅くて申し訳ない


誤字脱字、物語の食い違いがある場合は指摘下さいませ。








駅着いて、場所へ移動すると、変装をして壁にもたれかかる優真が見えた。そして彼も莉彩の存在に気がついてよってきた。


「遅いぞ」

とそう言われると、莉彩は近くの時計をチラ見した。

「正確にいえばまだ1分前です」

「5分前行動が社会の常識だろう」

「そんな常識ありません。そもそも貴方に常識が存在していることに驚きです」

莉彩がそう言うと、優真は「心外だな」と言いながら軽く笑った。

「自慢だが、時間に遅れたことは一度もないぞ」

「そうですか」

そう返事をすると、少しの間沈黙となり、近くにいる人の会話が聞こえた。


「ねぇ!あの人松宮優斗に似てない?」

松宮優斗は優真の偽名である。

「似てるけど、本物がこんなところにいるわけないじゃん」

「ま、そうだよねー。人生そんなにうまくいかないよね」

そう言って階段を下りて行った。


優真は先ほどの会話を聞いたのかつけていた帽子を少し深くかぶりなおした。


「場所変えるか、腹が減った」

優真は少ししたを向いたまま莉彩にはなしかけ、返事は待たずに歩き出した。

「貴方のお腹具合なんて知りませんよ」

「どうせ仕事おわって飯食べてないだろ?」

「まぁそうですね」

莉彩はどうせ少し遠回りして食事をしようと思っていたので、優真について行くことにした。



「......以上でよろしいですか?」

「はい」

「では少々お待ちください」

いつもの場所に着いてメニューを決めると、莉彩の携帯が着信を知らせた。相手は比呂だった。


「はい」

『あ、もしもし?突然悪いんだけど、明日の午後って空いてる?来月に手術する患者の事で関係者は打ち合わせをするらしいんだけど』

「あ、そうなんですか。特に夜は予定いれていないんで大丈夫だと思います。どこでやるんですか?」

『場所は美香が前から行きたいて行ってたところにしようと思ってるんだけど』


「会議室ではないんですか?」

『まぁたまには食事でもしようかと思ってね。上もそうしたらいいって言ってたからね』

「了解です。

では詳しいことは美香さんに聞きます」


『ああ、そうしてくれるといいね。じゃあ』


通話を終えると、優真が「誰だ」と聞いてきた。


「何でですか?」

「.....なんとなく」


「じゃあ別にいいですよね」


莉彩がそう言って水を飲んでいると、優真が大きくため息をついて


「ま、確かにそうか」

と言った。


それからすぐに料理が来て、2人とも食べ始めた。



「前あげた本の作者---また新しい本出してるけど、知ってるか?」


「そうなんですか。まぁ覚えてたら買います」


「.....ああ」


そう返事が帰ってくると、2人は再び料理を食べ始めた。その時に会話はない。




それからおよそ10分。

不意に今度は優真の携帯が着信を示した。


「....俺だ」

そう発せられた声が普段と違い一段と低く、一体誰から発せられたのかと莉彩は顔をあげた。


〝あー。俺!俺俺〟


優真とは違ってテンションが高い声が聞こえた---莉彩の耳まで。


「詐欺なら切んぞ」


〝ちょっ.....社長が急用だと〟


「.....すぐ行く」


携帯を切った優真は立ち上がり


「用事が入った」

と言って二千円札を机に出した。


「そういえばお金返したいんですけど」

珈琲をすすりながらそう言った。


「別に金には困ってねぇし、いらねー」


じゃあ呼ぶなよ.....と思いつつ

「.....そうですか。では」


莉彩は再び珈琲を口にした。




「.....」

優真が去って10分弱


莉彩はカシャン。という音を立てて珈琲カップをお皿に置いた。



(....視線が痛い)


店に入って後ろの席からずっと痛いくらいの視線を感じていた。


そして先程の電話。うしろからも声が聞こえてきていたことから優真の電話の相手が後ろの人達だろうと莉彩は確信していた。


しかし、何故だろう。と思いながら残りの珈琲を飲み干した。



「ねーねー」

会計を済まして店をでてすぐに後ろから声をかけられた。


振り向いてみればそっくりな男2人が莉彩の方を向いて立っていた。



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