ー殺人狂ー
まわる‥まわる‥、
世界が
俺の頭上の空間が
俺の内側が‥。
ぐるぐるぐるぐるまわって‥
まわって‥
俺は俺ではなくなる。
序章
「事件発生」
某日某所
「ブウゥゥーン」、と車の走行音が鳴り響く。
その車は白と黒の配色にサイレンというかなり有名な車、パトカーであった。
まだ辺りは薄暗く、一日の始まりを告げる太陽が顔出し始めたところだった。
パトカーはよくあるような住宅街のよくあるような細道に入る曲がり角で止まった。
ガチャっと扉が開き、当たり前だが警察官が出てきた。警察官は後ろ手でバタンっ、と扉を乱暴に閉めた。
またよくあるような事件だろう‥と、警察官は思っていた。
(な~にが袋から変なにおいがする‥だよっ、朝っぱらからよ~。)
バタンっともう一人いた警察官がパトカーから出てきた。
「あ~、パトカーの中いて良いぞ、ちょっと確認して持ってくるから」
そう言うと最初に降りた警察官は歩み始めた。
薄暗い細道を‥、道の奥などしっかり見えない暗さだった。その道を進む。
「これか‥」
警察官はそうつぶやいてまっ黒なゴミ袋をのぞきこんだ。
-世界は広い。
この星には70億もの人類が存在するらしい、
想像も出来ない人の多さだ‥
そんなにたくさんいれば‥
『狂ってる』と、言われる人もいるはずだ-
朝の薄暗い住宅街に己の仕事を甘く見た男の惨めな悲鳴が響き渡った‥




