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あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 56話 サボテン

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。






池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「……。」




雨音響く部室で1人、あさぎは目を瞑り祈るように両手の指を絡め握っていた。




「……いや、何してるんだ?」




ひいろ入室。




「ああ、ひいろ。」


「懺悔するなら付き合うが。」


「私に懺悔することなんてあるわけないじゃん。」


「…………じゃあ何してたんだ?」


「……、」




あさぎは深く息を吐くと、部室の外の空をぼんやりと眺めた。




「想いを馳せてたんだよ……サボテンに。」


「は……?」


「だから、想いを馳せ


「馳せてたんだよなサボテンに。」


「わかってるじゃん。」


「その上で『は?』なんだよ。いや、ほんと何してるんだ……。」


「…………サボテンってあるじゃん。」


「ああ……。」


「ひいろは知らないかもだけどさ、サボテンって水をあげすぎると枯れちゃうんだよね……。」


「知ってるよ……。」


「だからさ、今日もどこかでサボテンの尊い命が果てているのかと思うと、思わず……ね?」


「だいたい砂漠にいるから心配するな。」


「もしかしたらお隣さんのベランダ辺りに飼い慣らされたのがいるかも……。」


「わかってて言ってるよなそれ。」


「まあね。」


「なら教えてあげればいいだろう。」


「やだなあ、もう部屋の中に入れてるって。」


「……。」




強まる雨音が部室の沈黙をかき消した。




「あさぎは観葉植物、育ててるのか?」


「無理無理。虫来るし。」


「そういえば蚊に刺されやすいんだったな。」


「話は変わるが……部室にも彩りが欲しいとは思わないか?」


「緑以外なら大歓迎……っていうかわかってて言ってるよね?」


「バレたか。……流石あさぎだな。」


「会話の流れでわかるって。」




雨音がいっそう強まった。




「雨、強くなってるな……。」


「砂漠に少し分けたいくらいだね。」


「まだサボテンに想い馳せてるのか……。」


「見た目は可愛いからね。」


「トゲトゲなのにか?」


「食べちゃいたいくらいには。」


「あ〜……あれ食べられるらしいぞ?」


「うげぇ……アレ食べるの……?」


「『食べちゃいたいくらい可愛い』とか言ってた人のする顔じゃないな。」


「じゃあひいろは他人の赤ちゃんに食欲沸くわけ?」


「沸かないな……。」


「そーゆーこと☆」




あさぎはバッチバチのウインクをしてみせた。




「うわー腹立つ。」


「それはそれとしてサボテンって美味しいの?」


「食べたことないからわからん。」


「お隣さんに頼んでみるか。」


「想いを馳せてたやつ、食べちゃうのか……?」


「興味を持つことと想いを馳せることは矛盾しないのさ……!」


「そう言われると……そう、なのか?」


「というわけで善は急げ!」




あさぎはスマホのトークアプリPINEを起動し、少しの間スイスイと画面に文字をうつと……、




「うん、OKだって。」


「軽いなあ。」


「なんかもともと可愛がるように育ててる訳じゃないみたい。」


「お隣さんももともと食べるように育てていた……ということか。」


「いや、どっちかというと傷薬……火傷したとこに塗ったりするみたい。」


「……ん?それって……。」


「どうしたの?」


「なああさぎ、そのサボテンの写真ってあるか……?」


「あるけど。」




あさぎはスマホの画面をひいろに見せると、そこに写っていたのは




「…………アロエだな。」








あーかい部!(4)




あさぎ:投稿完了


白ちゃん:お疲れ様♪今日雨だったけど大丈夫だった?


ひいろ:大丈夫だったぞ。あさぎの頭を除いて、な


白ちゃん:ま〜た雨の中外でてったの?


ひいろ:いや、なんかサボテンに想いを馳せてた


白ちゃん:それは大丈夫じゃないわね


あさぎ:別に草に想いを馳せててもいいじゃないですか


きはだ:草と聞いて


ひいろ:虫か


あさぎ:だから観葉植物は嫌なんですよ……


きはだ:ブンブンはろ〜♪


白ちゃん:(たか)られてるわね


あさぎ:まあこの程度なら部屋の蚊取り線香でなんとか


きはだ:虫呼ばわりされたあげく燻製にされちゃうのぉ……?


ひいろ:飛んで火に入る夏の虫だな


白ちゃん:もうそんな季節なのねえ……


きはだ:おうおうこんどは季語呼ばわりかい?


あさぎ:夏は不満だった?


きはだ:当然


ひいろ:気にするところそこなのか……?


きはだ:どうせなるなら春とかの方がよくない?


白ちゃん:花粉の季節……


あさぎ:あ〜……


ひいろ:どの季節にも何かしら嫌なものはあるものだな


あさぎ:ひいろは嫌な季節とかあるの?


ひいろ:春だな


白ちゃん:意外ね


ひいろ:春の陽気に当てられてバカどもが活発になるからな

ひいろ:なあ?


きはだ:ね〜?

あさぎ:言われてますよ?

白ちゃん:まったく困ったものね




白ちゃん:アロエって食べられるのね


あさぎ:そこらへんに生えてるやつに手ぇ出しちゃダメですよ?

きはだ:道端のは取っちゃだめだよぉ?

ひいろ:常食はやめておけ


白ちゃん:そこまで困窮してないわよ……


ひいろ:きはだとかアロエの調理法とか知ってないか?


きはだ:う〜ん、普通の家庭料理には出てこないからねぇ……


あさぎ:給食とかにも出てきたことないね


ひいろ:生で齧ったりするのだろうか


あさぎ:お隣さんは刺身で食べてたって

あさぎ:あとはヨーグルトに入れたり


きはだ:アロエヨーグルト売ってたねぇ

きはだ:完全に忘れてたよぉ……


ひいろ:ここまで誰も思い出せなかったとは


白ちゃん:普段の食生活も見直さないとね?


あさぎ:どの口が

きはだ:by生き瓢箪(ひょうたん)

ひいろ:まずは自炊からだな


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