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第3話 勇者狩り部隊

 


 夜。


 


 前線指揮所。


 


 


 モニターには、

 複数の戦場映像。


 


 


 だが。


 


 


 ある地点だけ、

 真っ黒だった。


 


 


「……通信、

 途絶しています」


 


 


 オペレーターの声が、

 震える。


 


 


「Sランク部隊、

 第六小隊です」


 


 


 室内が、

 静まり返る。


 


 


 Sランク。


 


 


 日本でも、

 数えるほどしかいない

 最上位探索者。


 


 


 その部隊が、

 丸ごと消えた。


 


 


 桜庭源次は、

 拳を握る。


 


 


「生存反応は」


 


 


「……ありません」


 


 


 


 現場映像が、

 復旧する。


 


 


 瓦礫の山。


 


 


 倒れ伏す、

 探索者たち。


 


 


 身体は、

 ほぼ原型を留めていない。


 


 


 誰もが、

 一撃で殺されていた。


 


 


「……魔王軍の、

 新戦力か」


 


 


 松岡が、

 唇を噛む。


 


 


「分析班より」


 


 


「敵は、

 勇者級の反応を

 優先的に狙っています」


 


 


「コードネーム、

 “勇者狩り部隊”」


 


 


 亮は、

 モニターを見つめる。


 


 


「俺を、

 狙っている」


 


 


 桜庭は、

 否定しない。


 


 


「可能性は高い」


 


 


 


 数時間後。


 


 


 郊外の廃工場地帯。


 


 


 亮は、

 単独で立っていた。


 


 


「……来い」


 


 


 気配が、

 現れる。


 


 


 闇の中から、

 六体。


 


 


 全員、

 人型。


 


 


 黒い装束。


 


 


 仮面。


 


 


 声は無い。


 


 


 だが。


 


 


 殺意だけは、

 はっきりと

 分かる。


 


 


 亮は、

 剣を抜く。


 


 


 一体が、

 消える。


 


 


 背後。


 


 


 金属音。


 


 


 亮は、

 振り向きざまに

 弾く。


 


 


 短剣。


 


 


 もう一体が、

 足元へ滑り込む。


 


 


 斬撃。


 


 


 胴が、

 両断される。


 


 


 だが。


 


 


 死なない。


 


 


 黒い霧に変わり、

 再構成される。


 


 


「……不死か」


 


 


 三体が、

 同時に突進。


 


 


 亮は、

 地面を蹴る。


 


 


 空中で、

 回転。


 


 


 二体を、

 一瞬で斬る。


 


 


 残る一体。


 


 


 腕が変形。


 


 


 大剣になる。


 


 


 正面衝突。


 


 


 火花。


 


 


 亮の腕が、

 痺れる。


 


 


「強い」


 


 


 背後。


 


 


 魔法陣。


 


 


 雷撃。


 


 


 直撃。


 


 


 亮は、

 地面を転がる。


 


 


 立ち上がる。


 


 


 血が、

 口から垂れる。


 


 


「……遊びじゃないな」


 


 


 六体。


 


 


 連携している。


 


 


 完全な

 対勇者用。


 


 


 亮は、

 剣を強く握る。


 


 


「来い」


 


 


 次の瞬間。


 


 


 全方向から、

 同時攻撃。


 


 


 亮は、

 受け切れない。


 


 


 肩を、

 貫かれる。


 


 


 腹部に、

 衝撃。


 


 


 膝を、

 つく。


 


 


「……くそ」


 


 


 初めて。


 


 


 明確に、

 押されている。


 


 


 その時。


 


 


 遠くで、

 爆発音。


 


 


 探索者部隊が、

 到着。


 


 


 勇者狩り部隊は、

 一斉に後退。


 


 


 闇へ溶ける。


 


 


 静寂。


 


 


 亮は、

 剣を支えに

 立つ。


 


 


「……次は、

 負けない」


 


 


 だが。


 


 


 それは、

 ただの強がりだった。


 


 


 敵は、

 確実に

 進化している。



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