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第1話 侵攻開始

 


 午前五時三十二分。


 


 日本列島、

 同時多発的に

 空が歪んだ。


 


 それは、

 自然現象ではなかった。


 


 観測史上、

 最大数のゲート発生。


 


 しかも、

 すべてが

 Sランク以上と推定。


 


 


 探索者ギルド本部。


 


「関東、関西、九州、北海道、

 同時出現を確認!」


 


「反応密度、

 桁が違います!」


 


 管制室は、

 怒号と警報音で

 満ちていた。


 


 


 桜庭源次は、

 中央モニターを

 睨みつける。


 


 


「……魔王軍だ」


 


 


 嫌な予感は、

 当たった。


 


 


 モニターには、

 無数の赤点。


 


 都市部に、

 集中している。


 


 


「政府に非常事態宣言を要請」


 


「全探索者に

 緊急招集をかけろ」


 


「Sランクは、

 都市防衛優先だ」


 


 


 松岡優子が、

 通信端末を操作する。


 


 


「葛城亮さんにも、

 連絡しますか」


 


 


 桜庭は、

 一瞬だけ

 迷った。


 


 


「……いや」


 


 


「もう、

 こちらが呼ばなくても、

 動く」


 


 


 


 葛城家。


 


 


 テレビが、

 緊急速報に

 切り替わる。


 


 


『各地で

 正体不明の巨大ゲートが

 確認されました』


 


 


 亮は、

 画面を見た瞬間、

 理解した。


 


 


「始まったな」


 


 


 あみが、

 青ざめる。


 


 


「お兄ちゃん……」


 


 


 亮は、

 静かに立ち上がる。


 


 


「家から出るな」


 


 


「カーテンを閉めて、

 連絡があるまで

 待て」


 


 


「行くの……?」


 


 


「行く」


 


 


 それ以上、

 言わなかった。


 


 


 玄関で、

 靴を履く。


 


 


「必ず、

 帰ってくる」


 


 


 あみは、

 小さく

 頷いた。


 


 


 


 湾岸第七区。


 


 


 昨日までの

 戦場跡地。


 


 


 そこに、

 さらに巨大な

 ゲートが開いていた。


 


 


 黒い渦から、

 溢れ出る影。


 


 


 魔物。


 


 


 鎧を着た

 兵士型。


 


 


 隊列を組み、

 統率されている。


 


 


「統率型だ……」


 


 


 探索者が、

 呟く。


 


 


 無秩序ではない。


 


 軍隊だ。


 


 


 第一陣が、

 前進。


 


 


「撃て!」


 


 


 銃弾と魔法が、

 飛び交う。


 


 


 だが、

 魔物は止まらない。


 


 


 盾兵が前に出て、

 防壁を展開。


 


 


 後列から、

 魔法砲撃。


 


 


「うわあああ!」


 


 


 防衛線が、

 一気に崩れる。


 


 


 そこへ。


 


 


 黒い影が、

 落ちた。


 


 


 地面が、

 砕ける。


 


 


 影の中心に、

 立つ男。


 


 


 フード。


 


 


 剣。


 


 


「下がれ」


 


 


 低い声。


 


 


 探索者たちが、

 振り向く。


 


 


「葛城亮……」


 


 


 その名が、

 走る。


 


 


 亮は、

 前を見る。


 


 


「……やっぱり、

 軍団か」


 


 


 剣を抜く。


 


 


 一歩、踏み出す。


 


 


 魔物の群れが、

 迫る。


 


 


 亮の姿が、

 ぶれる。


 


 


 次の瞬間。


 


 


 最前列の

 魔物が、

 まとめて

 吹き飛んだ。


 


 


 剣閃。


 


 


 横一線。


 


 


 十体以上が、

 一度に両断される。


 


 


 探索者たちは、

 言葉を失う。


 


 


 亮は、

 止まらない。


 


 


 前へ。


 


 


 斬る。


 


 


 斬る。


 


 


 斬る。


 


 


 血と魔力が、

 宙を舞う。


 


 


 隊列が、

 崩れる。


 


 


 盾兵を、

 正面から

 叩き割る。


 


 


 魔法兵の

 詠唱が、

 終わる前に

 首を落とす。


 


 


 数分後。


 


 


 湾岸の

 地面は、

 黒く染まっていた。


 


 


 だが。


 


 


 ゲートは、

 閉じない。


 


 


 さらに、

 奥から。


 


 


 巨大な影。


 


 


 四メートル級の

 重装魔人。


 


 


 片手に、

 大斧。


 


 


 亮は、

 睨む。


 


 


「……雑兵じゃないな」


 


 


 魔人が、

 咆哮。


 


 


 突進。


 


 


 亮は、

 正面から

 迎え撃つ。


 


 


 衝突。


 


 


 衝撃波。


 


 


 周囲の車が、

 吹き飛ぶ。


 


 


 亮の足が、

 アスファルトに

 沈む。


 


 


 それでも、

 押し返す。


 


 


「はああっ!」


 


 


 剣に、

 魔力を込める。


 


 


 縦一閃。


 


 


 魔人の身体が、

 真っ二つになる。


 


 


 轟音と共に、

 倒壊。


 


 


 静寂。


 


 


 探索者の一人が、

 震える声で言う。


 


 


「……これで、

 勝ったんですよね」


 


 


 亮は、

 首を振る。


 


 


「まだだ」


 


 


 ゲートの奥。


 


 


 さらに、

 影が見える。


 


 


 終わりではない。


 


 


 これは、

 開戦の合図だ。


 


 


 亮は、

 剣を構える。


 


 


「来い」


 


 


 戦争が、

 始まった。



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