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閑話 明徳と玄徳 五連続敬遠2

石川県七尾駅からすぐのリボン通り。

通りの入り口には、銀の大きなリボンの飾りがあるらしい。

貸本屋があるって、すごい。

行ってみたい。

昭和の香りがする。

古びた居酒屋さんにも入ってみたかった。

でも、一人で居酒屋って、ちょっと勇気がいるな・・・

石川には、数年前に行ったけれど、飛行機の時間に追われるだけ。

七尾駅にすら、たどり着かなかった。

ちょっと貸本屋さんを覗いて見てみようなんてとんでもない話。

まだ、あるのかな?


高知県帷子崎の付け根、半島の尾根。

室戸岬、足摺岬の両方を眺望できる展望台。

横浪黒潮ラインは、通った。

運転手をしてた方が下手っぴだった。

お刺身定食をちょっと食べすぎてた。

なので、吐きそうだった記憶だけ。

景色を見た記憶はない。

時間さえあれば、いつか行きたい。


そんな石川と高知の高校野球の話の続き。


 ◆ ◆ ◆ 星稜のフリーマン ◆ ◆ ◆


星稜高校には、フリーマンがいた。


3番を打っていた投手。


フリーマンと同じくバットコントロールに優れ、振りもコンパクトで力強い。


1回の第一打席にセンターとレフトの間を抜く3塁打、そして9回2アウトからも、レフトオーバーの3塁打を打ったことでも分かるように、長打力もあるし、足も速い。


ピッチャーで、俊足で、打撃は、フリーマンなんだから、きっと、野球センスの塊って人なんだろう。


ここからは、結果論の話。


結果論で言うと、星稜は、2番に、松井を置くべきだった。


3番が、フリーマンなんだから・・・


3番のフリーマンに、2番松井をバックアップさせて、相手ピッチャーを、自チームの強打者と勝負せざるを得ない状況に追い込むこと。


これこそが、采配であり、ベンチワーク。


ドジャースは、これが出来て、エンジェルスは、出来なかった。


シーズン途中で、トラウトと大谷、どっちかが、故障しちゃうんだよね。


そして、星稜も、これが出来なかった。


あの試合は、馬淵采配の勝利だと思う。


 ◆ ◆ ◆ 馬淵采配の勝利 ◆ ◆ ◆


そういえば、2023年のUー18ワールドカップ。


サッカーじゃなくて野球。


3連続バントで、決勝点。


日本が優勝した。


台湾チームの監督が「チャンスがなかろうとも、二塁に走者を進める。2アウト三塁の場面ですら、バントだ。」って日本を評していた。(2アウトじゃなかったけどね!)


全英オープンは、聖地ウィンブルドン。


全仏オープンは、ローラン・ギャロス。


元旦は、国立、じゃなくなったけれども・・・


マスターズは、オーガスタ。


高校野球は、聖地・甲子園。


育成年代だけど、聖地・甲子園だから、ルール内で、やれることをして勝ちに行く。


そこは、私の許容範囲。


けれども、育成年代の国際大会は、打たせて欲しい。


木製バットで他国の投手相手に、どのくらい打てるか挑戦させて欲しいって思った。


「スクイズで、全員セーフに!イエスっ!送球が逸れ、2点入った!」

「ランナーが走った瞬間、三塁方向にバント。」

「スクイズは、完璧に実行された。」

「日本は、基本に忠実で、うまい。」


アメリカの中継が言った通り、日本の高校生お見事だし、日本代表監督・馬淵采配お見事は、その通り。


信念を貫いたと思う。


でも、Uー18W杯は、星稜の山下監督タイプに引き受けて欲しいって思った。


うん、これは、さすがに私の身勝手だ。(いままでの話、全部ね!ってツッコミが欲しい)


優勝は、素直に嬉しかったし・・・


 ◆ ◆ ◆ バレンタインの申し子と安全牌 ◆ ◆ ◆


球界屈指の捕手。


繊細なリードで投手を助け、強肩で守備も良い。


打率は、高くないが、外角の球を打つことが上手かったし、引っ張れば、レフトにホームランも放った。


雨中の満塁にめっぽう強く、神宮で、二死からの満塁逆転弾を2本も放り込んでいる。


WBCにも出場し、優勝している。


あっ、徳島県出身なんだ。


川上選手や、板東選手と一緒。


もちろん、川上の下の名前は、憲伸。


偉大なカットボールの使い手、川上憲伸投手だ。


板東の下は・・・英二・・・である。


この捕手、理論は、抜群。


口もうまく、NHKの野球番組でも準レギュラー格で、面白いコメントを残す。


「カツラは、経費だが、植毛は、経費に入らない。」


坂東英二さんも、面白かった。


もしかして、徳島の名選手は、口がうまく面白いのか?


捕逸が、日本一少なく、守備は良いのに、野球ゲームの守備力評価は、CかD。


盗塁阻止率が1割台と低い年があるのが、原因だろうか?


そういう野球ゲーム・・・やったことないけど。


そんな球界屈指の捕手が、言っていた。


「ルーキー相手には、オープン戦でとりあえずインハイのストレート投げます。」


プロ野球1年目の打者には、内角高めの真っすぐを投げる。


打てなければ、シーズンに入っても、そこだけ投げ続ければいい。


ファール2つで、2ストライク。


あとは、外の変化球で、くるんとバットが回って、三振。


バットに当たっても、ひっかけて内野ゴロか内野フライだし!


こういうバッターを、安全牌と言うらしい。


つまり、ここで1つアウトを取るのが、確定ということである。


 ◆ ◆ ◆ ベーブルースの呪い ◆ ◆ ◆


星稜高校の5番と9番が、そんな「プロ1年目」だったらしい。


いや、プロでもルーキーでもないんだけれども、アウトを取ることを計算される選手。


まず、1つ先に言うと、甲子園に出るくらいだから、ものすごい高いレベルの選手のはず。


草野球なんかに混じったら、たぶん「反則っ!」って言われる。


そういう草野球・・・やったことないけど。


この2人の打者も、コントロールを間違えたら、あっさりヒットを打たれるし、5番の選手なんか、ホームランまであり得る。


それを頭に置いた上で、高いレベルの戦略上の「安全牌」であったということ。


内角高めの真っすぐを投げる。


外の変化球で、くるんとバットが回る。


当たっても、ひっかけたゴロや、小フライ。


明徳は、少なくとも星稜の5番の二塁手と9番の捕手で2個のアウトを取ることを計算していたわけだ。


4番は、四球で、5番で1個、678番で1個、9番で1個、アウトを取る。


そう考えると、ノーアウトから四球でも、最少失点で3アウト取れそうな気がしてきた。


打ち勝つためには、自チームのポイントゲッターに対し、相手が四球で逃げないための手段をとる必要がある。


「3番のフリーマンの前にポイントゲッターを置く」・・・エンジェルスでは、出来なかったことをドジャースは成した。


これが、チーム力の差。


そんなチーム力の差を見せた明徳に、次の3回戦で、広島工業は、8対0で勝っている。


もう少し、広島工業が、評価されていいと思うのは、私だけだろうか?


と思ったのだが・・・


準々決勝で広島工業は、尽誠に5対0、準決勝で尽誠は、拓大紅陵に5対4、決勝で拓大紅陵は、西日本短大付属に8対6で負けている。


うん、この後の試合、何か呪いが、かかっていたみたい。(嘘です・・・ただ、騒ぎの影響が全くなかったわけでは、無いと思う、主に精神面で)


それはともかく、優勝の西日本短大付属について、全試合、試合時間の短さにびっくりした。


 ◆ ◆ ◆ 曹操の祀文と周瑜の妻 ◆ ◆ ◆


曹操祀文の一文「故の太尉橋公は、しばしば【【明徳】】を誕わし、汎く愛し博く容れた。」


後漢時代の名士・橋玄は、洛陽で無名時代の曹操の訪問を受け、感嘆した。


彼が「天下の名士を多く見てきたが、曹操のような者はいなかった。願わくば、自身の亡き後、曹操に【妻子を託したい】ものだ」と評したため、曹操の名声は、都中に響いた。


西暦202年、曹操は、恩人である橋玄の墓を太牢の儀礼でもって祀り、上の一文を含む祭祀の表を奉げている。


なお、橋玄の娘「大喬は、孫策の妻」に「小喬は、周瑜の妻」となった。


そう、曹操に託そうと思っていたその妻子は、【東呉の英雄】ふたりに、託されたのであった。(だから三国志【演義】は、面白い)


 ◆ ◆ ◆ 劉備と玄徳  ◆ ◆ ◆


劉 備 玄徳


姓は、劉。

名は、備。

字は、玄徳。


姓は、先祖より受け継ぎ、名は、親が付ける。


字は、原則、自分が付ける。成人の証でもある。


親の付けた名前は、大切なので、声に出して呼ぶなんてとんでもない。


玄徳って、普通は呼ばれる。


だけど、物語に登場させるときに、玄徳はまだしも、子敬とか、公瑾とかって言われたら、誰っ?ってなりかねない。


私は、秋の歴史2022で書いた【周瑜の手紙 と 魯粛の深謀】では、 「子敬(魯粛)よ。」とか、「なるほど、公瑾(周瑜)らしい考えだ。」って表記した。


本当は、「子敬(魯粛)よ。」じゃなくて、「子敬よ。」って書きたかったけど、誰?ってなるよね。


今回の三国志は、劉備とか、周瑜とか、魯粛っていう表記に統一した。


そうじゃないと、分かりにくく、読みにくいから。


ただし、1カ所、「孔明」を使いたくなって、使った。


さて、一体どこでしょう?っていう、どうでもいい話。


 ◆ ◆ ◆ 明徳と玄徳  ◆ ◆ ◆


法真、字は高卿。


友人の郭正らが、彼を賛美して「玄徳先生」と称号した。


【玄徳】とは、「玄=暗い」「徳=品性。めぐみ。恩恵。」


人の見えない暗い(玄い)場所で、善い行いをし続けること。


彼が、日頃から見えない所で善行の積み重ねていることを、周りの人が褒め称えたのだ。


「玄徳先生」のお孫さんは、あの「法正」。


法正が、劉備のお気に入りだった因子の1つに、おじいちゃんの「玄徳先生」の名前は、外せない気がする。


まぁ、それ以上に、益州と漢中をプレゼントしてくれたっていうのが、大きいだろうけれども。


そして【玄徳】の対になる言葉が【明徳】。


人の見えない暗い場所で、善い行いをし続ける。


その積み重なった善行が、ついにはあふれて発露し、人々に見えるようになった状態を【明徳】という。


曹操祀文の「故の太尉橋公は、しばしば【明徳】を誕わし、汎く愛し博く容れた。」


橋玄は、隠れていっぱい良い事を続けてたから、たびたび「この人、良いことする人だな。」って、見ようと思わなくとも目についてしまう場面が多く、広く愛されたってことだ。


そう考えると、劉備が成人して、自分につけた字・・・


自分で【玄徳】ってつけるって、ちょっとあざとい感じが、しなくもない。


 ◆ ◆ ◆ 玄徳の発露  ◆ ◆ ◆


【玄徳】=見えない善行が、ついに露出し皆に明らかになったことを【明徳】という。


誰も見ていなくても一生懸命毎日練習するのが【玄徳】だとしたら、甲子園で見せるプレーが【明徳】だと思う。


私が、何とも言えないもどかしさを感じるのは、【明徳】って名前の高校が、露出させた【玄徳】・・・つまり、明徳って高校の【明徳】が「5連続四球」ってなってしまうこと。


そして、その後、明徳の校内弁論大会で、野球部の一人が発表した「周りは敵だったけど、チームと観客は一つになれた」って弁論が、2位になったってことだろう。


校内で、認められちゃったのだ。


高校の名前であり、信念でポリシーでもあろう【明徳】というものが、甲子園「5連続四球」とイコールで、それは、そこの学生の積み重ねてきた【玄徳】が発露した結果・・・ということを、弁論大会の表彰で肯定しちゃっていいの?って思ってしまう。


なんか、バランスが悪くて、もどかしい。


余計なお世話だと思うし、書いていても「あなた、何様?」って思うけど・・・なんか、座り心地が、悪い。


すごく含蓄のあるかっこいい学校名なのに、もったいない気がする。


そして、星稜野球部。


その年の秋の体育祭で、パフォーマンスをしている。


シャツに太字で【暗徳】って書いて、全校生徒の前で、野球部数人で、敬遠されている場面をパフォーマンスしたのだ。


「うーん・・・やるなら【暗徳】じゃなくて【玄徳】だよっ」って、ツッコミと、「相手の居ない所で、陰口っぽく【暗徳】って、そっちの方が、『5連続四球』よりどうなの?」ってツッコミと・・・


こっちも、なんか、座り心地が、悪い。


しかし、ひとつ言えることは、両者とも【周りに迷惑】は、かけていない。


この騒動、勝手に騒いだのは、周囲である。(この閑話も、そのひとつだなぁ・・・)


それならば「あの時たまった不満を発散するためには、仕方なかったんだろう。」で、納得だ。


うん、更衣室のロッカー前。


着替えをしながら、上司の悪口を、同僚に言っただけ。


よくあること。


そして、納得したところで、眠いし疲れたから、今日は、もう寝よう。


明日は、忙しい。


何故なら、私は、明日、面白いボケを考えてくれる検索エンジンを探さなくてはならないのだから。

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