✿ 10
……なーんてことは当然聞けるはずもなく。
一人ドキドキしながら、私達はハルトの魔法で元いた宿屋に戻ってきた。
ハルトはともかく、エイトも当然のように一緒に着いてきてくれたのには驚いた。
「言ったろ? 長い付き合いになるって」
理由を聞くよりも早く、エイトがにっと笑ってそう言ってみせた。
私も何となく理解してはいた。エイトとハルトを見ただけで、確信めいたものを感じたからだ。それでも念のため、首飾りを握り、確かめる。
〈――ええ、二人ともそうですよ〉
……やっぱり。エイトとハルトが「五人の騎士」であると肯定する〈声〉をききながら、私はふと思う。なんだか心なしか、〈声〉がはっきりときこえるようになった気がする。五人のうち三人が集まったからだろうか。
――となると、エイトとハルトには私からきちんとお願いしないといけない。そう考え、私は首飾りを手にして、まずハルトの前に立つ。
ハルトは姿勢を正し、跪いて私を見上げる。
「ハルト、さっきはちゃんと話ができなかったけど、改めてお願いをさせてほしい。 私ね、この国の『宝』である水晶の『力』を使うことができるようになるために、そして、姫と水晶を守護してくれる存在である『五人の騎士』を探すために旅に出たの」
そう前置くと、私は首飾りをハルトの前に差し出す。
欠片が……リヒトと出逢った時よりもはっきりと光り輝いている。その光に目をしながら、私はおぼろげながら「何か」が変わり始めている予感を覚えた。
けれど、とりあえず今はハルトとエイトに話をすることが先だ。
「信じてもらえないかもしれないけど、この水晶の〈声〉があなたがその『五人の騎士』の一人だって言ってるの。 ――だから、ハルト、お願い。 私の旅に同行してもらえませんか?」
「もちろんです。 あなたのおかげで、僕は兄と再会することができました。 僕の気持ちはさっきあなたと初めてお逢いした瞬間から変わりません。 ――これからは兄と共に、あなたを全力でお守りすることを誓います」
私はうなずき、ハルトに「ありがとう」と礼を言うと、今度はエイトの方へと向き直った。
エイトは先ほどと同じようににっと笑ってみせると、私をじっと見つめ返した。
「まずはちゃんと自己紹介をしないとね。 私の名前はオルフィーメリア――この国の姫なの。 それと、私を助けてくれてありがとう。 ――エイト、あなたにもお願いさせてほしい。 ハルトと同じように、あなたも『五人の騎士』の一人なの。 だから、私の旅に同行してほしい」
「うん、もちろんそのつもりだよ。 俺も君の力になれるよう、精一杯頑張らせてもらうよ」
こうして、私はハルトとエイト――「五人の騎士」のうちの二人を見出したのだ。
けれど……分かっていないことや、やらなければならないことがたくさんある。
ひとまず今後について、四人で話し合うことになった。




