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ロイの冒険記  作者: DAT
6/16

学校(座学)

次の日の朝


「ロイ!俺も学校に連れて行け!」


朝起きて一言目がこれだった。ウキウキしているのか、空中でクルクル回っている。目が回らないのかと思ったが、そうゆうのコイツにはなさそうだ。むしろその姿を寝起きで見させられている僕の方の目が回りそうだ。


「何言ってるの?」


「勉強中にも魔力操作の特訓はできるぞ!魔力を流し続けるだけで良い。体が慣れて自分でも魔力を扱いやすくなるぞ!……ちなみに頭の回転も早くなる。」


僕はすぐにパラモスを連れて行くことにした。……もちろん魔力操作の特訓のために。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「この世界には5つの種族の他にも聖霊族や小人族など様々な種族が存在しています。伝承では天使族などもいるそうですが、残っている文献が少ないため定かではありません。」


年季の入った黒板の前でマテラ先生が教鞭を取っている。年齢は定かではないが、小じわが少し目立つ丸渕メガネをかけた女性の先生だ。堅苦しい雰囲気もさることながら、授業も教科書通りに淡々と進んでいく。


「では人間族と一番敵対しているのはどこの種族ですか?……じゃあキアナさん。」


「は、はい!悪魔族です!」


気弱そうだがしっかりと答えたのがキアナ・アイル。この村の村長の娘で、幼い頃から英才教育を受け、文武共に良い成績を出している。特に光属性魔法の才能が高く、王都の宮廷魔法士や教会の聖女になれるのではないかと期待されている。


「はいよくできました。しっかり勉強できていますね。」


キアナは照れくさそうに下にうつむいた。金髪で長く綺麗なストレートの髪がそよ風に吹かれている。


「ちっ!いい子ちゃんかよ。」


椅子にだらしなく座り、手を後頭部で組みながらバースは不満そうにつぶやいた。センター分けの赤髪で、いかにもな不良少年だ。


「こら!ちゃんとした姿勢で授業をうけなさい!」


「うーい」


しかしバースは一向に直そうとはしない。この光景はこのクラスの日常であった。まあクラスと言っても、この三人しかいないのだが。


ゴーン……ゴーン……


「はい、今日の座学はここまで。次は実技の授業をしますので移動しましょう。」


「はいはい待ってましたー!!」


バースはおもむろに立ち上がり、意気揚々と教室を出ていった。バースは剣を得意としていて、実技の授業は積極的に受けている。実技の授業のために来ているようなものだ。


「私達も行こう?」


キアナがボーっとしていた僕に話しかけてきた。というのもパラモスとの魔力操作に集中しており、移動しているのに気づかなかった。



移動中……


「ねぇロイ、なんか今日キラキラしてない?調子いい?」


突然キアナが聞いてきた。キラキラ?何を言っているのか全く理解できずにいると、


「(この娘、魔力探知を使っているな。魔力を可視化して見ているんだろう、まだ無自覚のようだがな。)」


びっくりした。パラモスが脳内に直接届けるような感じて伝えてきた。どうやら魔力操作中は魔力を共有しているため、喋らなくても意思疎通ができるらしい。


「(おそらくこの娘からは、ロイの周りに白いモヤがかかったように見えているんだろう。今は未熟だが、練度を上げれば相手の魔力量から強さを判断できるようになる。)」


「(それって僕にもできる?)」


「(もちろんだ。魔力操作ができれば自然と見えるようになるさ。見えれば自分の魔力を隠すこともできるようになる。まあ大抵はだだ漏れだがな。)」


それは嬉しい情報だ。生まれ持ったものだったら鍛えようがないから、努力で身につけられるのは安心できる。


「ねぇ無視ーー?」


「うわぁ!ご、ごめんごめん!な、なんか朝から調子いいんだよねー、はは……」


ついパラモスとの会話に夢中になっていて、神妙な顔をしながらシカトをしてしまっていた。その顔をキアナは覗き込むようにして聞いてきたものだから、ついドキっとして慌てた回答をしてしまった。


「(ちょろいな)」

「(うるさい!)」

「ほんとだ!キラキラ大きくなった!」


心拍数が上がると魔力探知にも反応するのか。

一刻も早く魔力探知を習得しなければと心に誓った。

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