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メルトアーマーサークル 名呉市臨時防衛部活動日誌。  作者: ショーさん
第二話 前編
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第二話 前編  ① 対スパイダーレギュラス名呉駅臨時奪還作戦

見やすさと投稿しやすやを重視して今後は小分けに少しずつ投稿していきます!

第二話 前編の終わりまでは毎週投稿の予定です!

登場人物


・永瀬登/メルトアーマーセキュア 


・野上ノア/メルトアーマーノア/メルトアーマーノアール


・結城裕司


・結城結衣


榎木永琉エノキエル/メルトアーマーエニシ


赤羽剛アカバツヨシ/メルトアーマーレッガー


・他




蜘蛛。


そう、あの蜘蛛。


不気味な足に複数の目...


あの見た目だ、苦手な人は多い。


以前結城家に遊びに行った時、虫嫌いな結衣は大変な事になっていた。


一方裕司は・・・


「蜘蛛モチーフのヒーローって日米問わず多いんだよなあ~USJに前までいたヒーローで・・・」


・・・大変な事になっていた。


ただ・・・あの時の裕司のアメコミヒーローに関しては、もう少しちゃんと聞いておけばよかったなと後悔していた。


名呉市のランドマーク、名呉ダブルタワー。


そのタワーの一角、ライトタワー21階。


そこが俺が今いる場所だ。


「・・・半日でずいぶん大きくなったな~ありゃ」


隣のノアが呆れるように下を見つめていた。


名呉駅前、タクシーロータリー。


今ロータリーは、スパイダーレギュラスの巣と化していた。





名呉市で発生したレギュラス事案に関する報告 84


名呉市Aブロック、名呉駅前広場。


14時23分に出現したスパイダーレギュラス、メルトアーマーアモン及びメルトアーマーイカリスと戦闘を開始。


スパイダーレギュラス、巻き込まれた非メルトアーマー含む36名を糸で拘束、その後タクシーロータリーを中心に巣を作り始める。


15時11分、スパイダーレギュラス、タクシーロータリーを占拠。


16時、メルトアーマーノア及びメルトアーマーセキュアの二名がライトタワーに到着。


対スパイダーレギュラス臨時奪還作戦を開始。


※臨時奪還作戦はノアにより命名






「本当にあの作戦で行くのかよ・・・」


俺はノアに尋ねた。


「しょうがねえだろ、奴が巣の周りに作った壁は15メートル以上、いくらメルトアーマーの能力でもそこまでのジャンプは出来ない。で、唯一巣の内部に入れるのが」


「上側だけって事か・・・で、スパイダーレギュラスと戦った後、俺たちも出れなくなるのでは?」


「それは大丈夫、レギュラスが作ったもんは基本本体倒した後に消えるから・・・お前も前見たろ?」


「・・・ああ」


「・・・行かない理由探してる?」


「・・・んなわけないだろ・・・」


「・・・お前って時々可愛いとこあるよな」


コイツ・・・と言いかけた口をグッと押え俺はスマートフォンを取り出した。


「はぁ・・・よし、行こうノア」


「ああ、いいぜ!」


「「装着」」


スマートフォンをスタンバイスロットに差し込んだ。


「Installation completed

メルトアーマー、チェーンモデル、起動」


金属音がスマートフォンから鳴り響き、俺たちの姿を一瞬で変えた。


メルトアーマーセキュア チェーンモデル


メルトアーマーノア   チェーンモデル


それが今の俺たちの姿だ。


「おりゃああ!」


ノアは思い切り窓ガラスを叩きわった。


「・・・もう突っ込まないからな」


俺とノアの背中からチェーンが射出された。


チェーンはそのままビルの柱に刺さりこんだ。


「さあ、行くぞ!」


「・・・ああ」


ノアはそのままビルから飛び降りた。


ノアは背中のチェーンに支えられながらゆっくりと降下していた。


・・・俺は高所恐怖症ではない。


だから、この高さから降りても大丈夫だ。


俺もノアに続いてゆっくりと降下を始めた。


・・・チェーン自体は安定して俺の体を支えている。


だが風の影響を受け体は左右に揺さぶられた。


少し速度を速め、ようやく、ノアと同じ高さまで降下する事が出来た。


「お!追いついたか」


「・・・あああ」


「・・・もしかして高所恐怖症?」


「違う」


「・・・へへ、まあいいや、降りたら私はスパイダーを捜すから、お前は救出頼む」


「・・・内部の人は・・・」


「さっき親父に巣の中のサームグラフィーを確認してもらった、今の所全員無事だ、多分人数を集めてまとめて


その時、俺の胸元に何かが付着した。


!?


体には、地面から一本の糸が伸びていた。


スパイダーレギュラスの糸が俺にへばりついていた。


赤い体に大量の緑の目


シルエットは人に似てるが腕や足とは別に背中から足が複数生えていた。


「ぐりゃあああああ!!ボロロロロロ!!!」


スパイダーレギュラスは奇声を上げながら俺を手繰り寄せた。


「おい!待ってろすぐに糸切ってやる。!!」


そうノアが言い終わる前に俺を支えるチェーンは切れた。


「登!!」


俺はなすすべなく地面に落ちていった。




目を覚ますと、俺は地面に倒れていた。


メルトアーマーは解除されていた。


メルトアーマーは膨大なダメージを受けた際、強制解除となる。


恐らくそれが発動したのだろう。


ねちょねちょとした地面に全身がへばりつく。


どうやら俺はスパイダーレギュラスの蜘蛛の巣の中に落ちたらしい。


15メートル以上の鷹さから落ちたが、痛む程度で怪我は無さそうだ。


巣が柔らかいのもあるが、改めてメルトアーマーの防御性能の高さに驚く。


内部は蜘蛛の巣というよりは洞窟のようだった。


白いねちょねちょとした壁が所狭しとひしめき合い、薄暗い内部は僅かに太陽の光が漏れていた。


起き上がり、巣の中を見渡す。


ねちょねちょとした巣の壁には蜘蛛の巣の中にいるような生き物の気配が感じられる。


しかし、辺りは静まり返っていた。


ノアの場所を探す為スマートフォンのアプリを確認する。


周辺


とだけ表示されていた。


周辺...どこだよ...


俺は歩き出した。


大都市のど真ん中に出来た洞窟は静かで、ひんやりとしていた。




糸を掻き分け、太陽の光が眩しい空間に出た。


うっすらと太陽の光を透かした天井。


白い洞窟は、光を反射し、眩しい程輝いていた。


洞窟の真ん中、夕方のオレンジの空の光が映るぽっかり空いた穴。


俺は思わず空を見上げた。


そして...俺は咄嗟にアーマーを装着した。


空から何かが落ちてきたのだ。


Installation completed

メルトアーマー、アックスモデル


スマートフォンから装着音が鳴り響く。


俺は咄嗟に避ける事が出来た。


空から落ちてきたもの..それは紛れもなく探していたスパイダーレギュラスだった。


ナイフのように鋭利な足を見せびらかすようにゆっくりと立ち上がった。


俺がこの空を見上げるのを狙っていたのか。


そんな考えが頭を過ぎる。


「ヘェ!!!オレノコウゲキヨケルカ!!!オマエスキダゼ!!!」


スパイダーレギュラスの声を理解出来る。


てことは、今いるのはスパイダーレギュラスのソランフィールド内...俺を入れた後発動したのか...!!


てことは...!!


様々な考えが俺の頭を過ぎる。


俺は斧を強く握りしめた。


「シンデクレー!!!!!」


スパイダーレギュラスは俺に向かって一直線に突撃してきた。


咄嗟に横に飛び上がり、俺はギリギリで攻撃を交わした。


「消えるのはお前だ!!」


俺は斧を思いっきり振りかざし、奴の足の一本を叩き切った。


「ウオオオオ!!スキ!!」


スパイダーレギュラスは苦しみながら、嬉しそうにそう叫んだ。


「悪いな!続けるぞ!!」


俺は再び斧を振りかざす。


顔を狙った斧は、ギリギリで避けられてしまった。


「なら!!」


俺はスマートフォンをタップしようとした。


スピードの早い相手ならダガーモデルが的確だからだ。


「マテ!!」


スパイダーレギュラスはそう叫んだ。


「イイノカナ、コレガドウナッテモ」


そういうと、スパイダーレギュラスは目を青く発光させた。


すると、これまで洞窟のようになっていた巣の一部の壁が剥がれだした。


そして壁の中から...大勢の人間が剥き出しになった。


殴られた後か、顔は真っ赤に膨れ、血を流す物もいた。


「なっ」


「ワタシガツカマエタサンジュウロクメイ、ワタシコノヒトタチコロセル!!コウゲキヤメテ!!」


「人質か・・・!!卑怯な・・・!!」


「ワタシヒキョウ、コレデマンゾク?」


スパイダーレギュラスは足の一本を人質の首元に置いた。


「...わかった...なら俺を殺せ!!それで、ここの人を解放しろ・・・!」


俺は差し込む太陽光の前にゆっくり座り込んだ。


「ワタシオマエスキダ、トウカコウカンダナ」


スパイダーレギュラスはそう言いながら俺にゆっくり向かってきた。


「ツヨイノコロセル・・・ウレシイ・・・ウレシイ・・・」


スパイダーレギュラスが俺の前に立ち、ゆっくりと足を上げた。


鋭利な足の一つを俺に向かって突き刺そうとした。


「させるか!!!!」


声と共に、太陽光の空からメルトアーマーノアの剣が投げつけられた。


「グリャァァァ!!」


苦しむスパイダーレギュラスの目の前にノアは降り立った。


「おりゃあ!!!」


ノアはスパイダーレギュラスに思いっきり蹴りを入れた。


スパイダーレギュラスは吹き飛ばされ、ゴロゴロと部屋の外に転がった。


「来てくれると信じてた、ノア」


「無茶しすぎだ!!私がソンフィールド内にいるかどうかもわからないのに」


「それは大丈夫、さっきアプリでノアの位置確認した時、周辺って表示されてた。同じソロンフィールド内にいなきゃ圏外って表示されるはずだし。」


「ああわかった!けどその後の!!」


「アアアアアアアア!」


スパイダーレギュラスの叫び声が聞こえた。


「ああ!!とりあえず後!装着しろ!!」


Installation completed

メルトアーマー、ランスモデル


ダガーと悩んだが、俺にはこれが似合うようだ。



「グエエア」


ノアに叩き落とされたスパイダーレギュラスは苦しそうに立ち上がった。


「ブルパン!!ブルパン!!ブルパン!!!マグザスブロス!!マグザスブロス!!マグザムブロス!!」


スパイダーレギュラスは意味不明な言葉を叫ぶ。


どうやら、さっきのノアの攻撃でソロンフィールドは解除されたようだ。


「悪い、お前の声もう聞こえないや」


「だが!!ここの壁には人質いねぇようだな!!さて、せっかくだ!新モデルを試させて貰うぜ」


ノアはスマートフォンをスタンバイスロットにリロードした。


ノアのアーマーはガチャガチャと入れかわり、一本のランスが生成された。


メルトアーマーノア、ランスモデルだ。


「ランスモデル?買ったのか?」


「お前がランスモデル使ってるの見て羨ましくなっちゃって」


「なるほどね」


「ブロザー!!」


俺とノアはランスを手に、クモレギュラスに接近した。


「ギュララララララ」


スパイダーレギュラスはノア目掛けて口から糸を射出した、が。


「甘い!」


巨大な槍を軽々しく振り回し蜘蛛糸を簡単に解いた。


「アビャビャビャビャ」


スパイダーレギュラスはすぐに空に向かって蜘蛛糸を射出した。


おそらく、壁を伝って逃げる為...!!


「させるか!」


俺は思いっきり槍をスパイダーレギュラスに投げつけた。


「グギャァァ」


スパイダーレギュラスの体の真ん中に槍は突き刺さった。


「ナイス!」


「誰かさんにめちゃくちゃ練習させられたかな」


「そりゃその誰かさんめちゃくちゃ優秀だな」


俺は再びランスを再生成した。


「そろそろ決めよう、ノア」


「ああ、良いぜ」


「「ランス!!ギガファイナル!!」」


スマートフォンをランスに装填し2本のランスはほぼ同じタイミングで発光した。


メルトアーマーの制限を全て取り払い加速力、攻撃力に全振りするギガファイナル。まさに切り札と名付けるに相応しい技だ。


そのギガファイナルの同時使用...レギュラスがどうなるかは簡単に想像出来る。


「おりゃああああ!!!」


側から見れば、敵を斬るというよりダンスに見えるかもしれない。


俺は一糸乱れぬ攻撃をノアと共に叩き込んだ。


「グルルルルルルル...ラホスアシ...」


スパイダーレギュラスは徐々に力を失い、地面に倒れていった。


最後には液体のメルトになり、地面に溶けていった。


それと同時に、クモの巣も解けるように溶けていった。




「...はあああああ」


被害者を病院に送り届け


全員無事だった安心感か、疲れからか、俺は地面に座り込んだ。


「...なあ登よ」


「...何?」


「...何連撃だった?」


「...は?」


「だから、相手に何回打ち込んだ、さっきのギガファイナルで」


「...9回」


「勝ち!!23!!」


ノアの勝ち誇った顔が映る。


コイツ...


と言いたい気持ちをグッと抑えた。


「帰っぞ~疲れたし」


ノアはそう言いながらアプリの「ビークル」の項目をタップした。


すると溶けた鉄のような物...メルトと呼ばれているものがノアの周りに集まって行き、あっという間にバイクが生成された...


「...バイクねぇ」


「ん?どした?」


「いや、なんかバイクって露骨だなぁって」


「?」


「あっいや、なんでもない」


「おら、早く乗れよ」


俺はノアの乗るバイクに跨った。


「そういやなんだが」



「ヒーローって昔からバイク乗るらしいな、親父が言ってた」


知ってるのかい




名呉市で発生したレギュラス事案に関する報告

85


名呉市を中心とするレギュラス事案発生から、明日で一ヶ月となる。

現在の状況をここに記載する。


隔離エリア 半径15キロ 


残りレギュラス 98927


脱落者  724名(内メルトアーマー使用者14名)

スタンバイスロット!


スマートフォンをスタンバイスロットに装填!!


装着!!


Installation completed

メルトアーマー!!


総意 装着せよ


スタンバイスロット!


そして!ソードモデル!


モデルチェンジシリーズ!


新たに登場!チェーンモデル!!


メルトアーマーはサモ社の商品です。

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