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メルトアーマーサークル 名呉市臨時防衛部活動日誌。  作者: ショーさん
第二話 後編 寛解編
15/17

第二話 後編 ③ 寛解

月曜日


22時30分


グリムレギュラスの再登場が告知された。


すぐに親父から電話が掛かってきた。


「ノア、メルトポータルは確認したかい?」


「ああ・・・来やがった・・・奴が」


「よし、最善を尽くしてくれ、良いかい?」


「・・・もちろん」


「・・・頼んだよ」


親父からの電話は、思っていたよりもサッパリしていた。


ただ・・・わざわざ電話をするという事は・・・心配はしてくれてるのだろう・・・


私は、絶対に奴を殺さなければいけない。


街の為・・・そんな正義的な感情はどこにもなかった。


ムカムカするこの心をスッキリさせる為・・・


やっぱり、今の私はヒーロー失格だ。


だが、それでも戦いは辞めない。


それが、筋の通し方・・・


私はバイクに跨り、現地に向かった。




現地には、既に4人のメルトアーマーがいた。


あれ程大きな犠牲、それもメルトアーマー装着者にが出た後、だ。


・・・正直、今回は邪魔でしかない。


私はすぐにソードモデルを装着した。


回りのメルトアーマーがざわつくのをかき消すように私は声を上げた。


「聞け!!今回、お前らは邪魔でしかない、今から5分以内にここから立ち去れ、でなければ、私がグリムの代わりに私がお前らを殺す、嫌なら帰れ」


これじゃあまるっきり映画の悪役の台詞だが・・・これで4人のメルトアーマーも諦めるだろう・・・そう考えていた。


だが・・・誰も立ち去らなかった。


1人のメルトアーマーが私に近づいた。


声にチェンジャーを使っているのか、ノイズの混じった、合成音声のような声で私に声を掛けた。


「・・・多分、ここにいる奴ら・・・私も含めて誰も話を聞かないぜ、今回くるのがどんな奴か、皆わかって来てるんだ。」


「・・・ふざけんな。実物も見てないくせに」


「ああ見てないさ・・・どんな奴かわからないのに私の相棒は殺された。だから・・・ここで私にも戦わせてくれ・・・頼む・・・・」


そのアーマーは深々と頭を下げた。


「・・・今回は私じゃ守りきれない。勝手にして勝手に死ね」


私は吐き捨てる事しか出来なかった。


なんだそりゃ。


そんなの、自ら死にに行くようなもんじゃないか。


・・・まあ、それは私もか。


そう考えると、不思議と面白くなってしまう。




結局、人数は変わらず私含め5人だった。


残りの4人も、次々とメルトアーマーを装着した。


グリムレギュラスの卵が現れた。


だが・・・イマイチ実感が湧かなかった。


まるで映像を見るかのように、他人事に感じる。


・・・あれだけの事を言っておきながら、私も登場を見るのは初めてだ。


ここで即死技でも飛んできたら、誰も助からないな・・・


・・・いけない


あまりにもネガティブ過ぎる。


私は再びソードを強く握りしめた。


時間だ。


一瞬の光後、奴はまるで最初からそこにいたかのようにたたずんでいた。


グリムレギュラス。


相変わらず、赤黒く禍々しい、悪趣味な鎌を持っている。


前回、登がランスで効いたのは奴の胸周り・・・


なら!!


「・・・死ね!!」


誰よりも早く、私は床を蹴った。


勢いが残ったまま右手の剣を繰り出す。


当然、グリムは自慢の鎌で受け流そうとした。


ならば・・・!!


「ソード!ギガファイナル!」


ギガファイナルの加速を持ちい、グリムが鎌を流す前に懐に入り込んだ。


「死ねぇええええ!!!!」


私はソードを奴の胸に突き刺した。


まだだ!!


「ソード!ギガファイナル!」


私はギガファイナル中のソードに重ねる形で再びギガファイナルを発動した。


ギガファイナルの二重使用。


使用後の速度制限は大きくなるが、通常より、早く、強烈な一撃を与える事が出来る。


・・・これで倒せなけば本当にどん詰まりだが・・・


「おりゃあああ!!」


グリムの体を縦に貫いた。


グリムはまるで魚の二枚おろしのように真っ二つにわかれ、そのまま地面に力なく倒れた・・・


「すげえ」


「やったか」


という声が聞こえてくる。


だが・・・


・・・おかしい


本来、レギュラスは倒されたらメルトとして溶け、地面に染み込んで行く。


だが・・・一向にその気配がない。


私はグリムレギュラスの顔を確認する為、グリムの切り身に接近した。


グリムの目は・・・ギョロギョロと辺りを見渡していた。


「ヒ」

 

思わず声がでる。


グリムの切り身はそのまま中に浮き・・・そして切り裂かれた体を縫うように溶けたメルトが集まってきた・・・


これは・・・グリムに切り裂かれた登に起きていた現象と同じ。


コイツ・・・めちゃくちゃだ!


「このバケモノが!!」


叫び声と共に後ろからガトリングが放たれたが・・・当然グリムには効果無しだ。


グリムは持っていた鎌を槍に変え、後ろのアーマーに近づいていった。


マズイ。


これじゃあ、あの日となにも変わらない。


「お前の相手はこの私だ!!あの雑魚じゃない!!」


私はソードモデルでグリムに斬りかかる。


グリムの槍と鍔迫り合い・・・


ただでさえしんどい速度制限・・・


「くっ!!!」


グリムのフルパワーに私は吹き飛ばされ、地面に叩き落とされた。


装着が解除され、私の体は剥き出しになった。


狙いを変えたグリムは、フラフラと私に近づいてくる。


・・・はは。


これで、終わりか。


しょうもな。  


・・・だが


ここで負ける訳には・・・


なんとか、必死に立ちあがろうとしたその時だった。


「Installation completed

メルトアーマー、チェーンモデル、起動」


・・・チェーンモデル!?


驚いた私を横目に、グリムの槍にはチェーンが絡みついていた。


「チェーン!ギガファイナル!」


電子音声と共に私の後ろから複数のチェーンが射出され、グリムを拘束した。


「グルルルル」


グリムは地獄のような唸り声を上げている。


「ノア!大丈夫か!」


座り込んだ私の前には、メルトアーマーセキュア チェーンモデルの背中があった。


「登!?お前なんでここに!?」


「ごめん、来ちゃった」


「来ちゃったって・・・お前勝手に・・・」


「叔父さんなら大丈夫、許可取った」


・・・許可?


頭に疑問が増えまくる。


だが、今はそんな事を聞いている場合ではない。


・・・前みたいに倒れられたら迷惑だ・・・お前は戻ってろ」


「・・・ごめん、それは出来ない」


「どうして」


「ほっとけないよ、一人で戦って、一人で無茶しようとしてる友達をさ」


・・・友達?


・・・私の事か・・・!?


そんな私をお構いなしに、登は言葉を続けた。


「多分俺がいてもいなくても、多分ノア1人で街を守れる、だから俺は!おこがましいかもしれないけど!そんなノアを守りたい」


「な!」


全く予想していなかった答えに私は言葉を失った。


そして・・・思わず笑ってしまった。


「わ、笑うなよ」


登は私の方を振り向きながらそう呟いた。


マスクで顔は見えないが・・・あれは少し恥ずかしがってるな・・・


その思うと、更に面白さが勝ってしまう。


「マジでごめん。変な面白さが勝った」


グラアアアア!


グリムは持っていた槍を斧に変え、チェーンを叩き切った。


「ノア、一旦下がって」


「けど・・・」


私の不安はバレバレなのか


登は言葉を続けた。


「俺がここでくたばったらノアまた無茶するだろ?だからもう死なない、大丈夫」


そういうとセキュアはモデルチェンジし、アックスモデルに姿を変えた。


「あ、後もう一つ」


「・・・なんだ?」


「ノアは・・・ヒーロー失格なんかじゃない」


・・・病院の時か


・・・なんだよ、聞いてたのかよ


グリムは斧を持ち、急接近を始めた。


「・・・来い!」


セキュアはグリムの攻撃を直前で交わし、逆にアックスモデルの斧で奴の体を刻んだ。


セキュアの斧は正直カス当たりだった。


わたしならもっと的確に命中出来る。


だが・・・


「グルルルアアアアア!」


「・・・効いてる!?」


セキュアの攻撃がグリムにダメージを与えた・・・!!







数日前


「ええ・・・けど」


「・・・どうした?」


「今赤羽君が目を覚ましても、多分苦しいと思います。」


「・・・グリムか」


「ええ、どんな攻撃も効かないなんて、ズルじゃないですか・・・」

唯一、俺が使ったランスモデルだけは手応えがあったが・・・


それ以外は、まさに無敵・・・としか言い様がなかった・・・。  


・・・無敵・・・


・・・本当にグリムは無敵なのか・・・


そうなると何故、ランスは効いたのか・・・


ヒントは何も・・・




「ヒントとかあった?」


「それが何にも」


・・・俺は、その時、裕司の言葉が過った。


この会話は・・・喫茶店で会った時の・・・


「あ~なんかいた気がする、あの無敵の奴だな」


「あれさ〜こっちが属性雷に変えたらすぐ勝てちゃったのよ」


ずっと、弱点を体の個所と考えていたが・・・


・・・もしや


「エル!!一つ聞きたい事があるんだ!!」


俺はエルに質問を投げかけた。


「グリムと戦った時、グリムに攻撃が効いた瞬間はなかったか!?」


「え!?」


突然の質問にエルは困惑していた。


「け、けど、グリムもどんな攻撃も・・・いや、一つだけ、鎌を持ったメルトアーマーの攻撃は聞いてました。」


「鎌・・・シックルモデルか・・・」


「まあ、その後の攻撃は聞いてませんでしたが・・・」


「・・・その時、奴は何の武器を持っていた?」


「え・・・確か・・・鎌です!アイツも鎌を持ってました!!」


「・・・俺のランスモデルの攻撃が効いた時、奴は槍を持っていた。武器の姿も、俺のランスに似ていた・・・」


「・・・もしかして」


「アイツの弱点は」




現在


「グルルルアアアアア!」


読み通り、俺のアックスはグリムの体を貫いた。


「・・・効いてる!?」


ノアは俺の後ろで不思議そうにそう溢した。


溶けたメルトが辺りに吹き飛ぶ。


グリムは苦しげな表情で、持っていた斧を刺々しい鎌に替えた。


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、シックルモデル、起動」


俺も先日購入したばかりのシックルモデルを順次装着する。


グリムが鎌を振りかざすが、鍔迫り合いの体勢で応戦した。


金属が擦れる音が鳴り響いた後、俺の鎌がグリムの鎌を砕いた。


そのまま俺の鎌はグリムの肉体を容赦なく切り裂いた。


「グルラアアア!」


地獄のような叫びが響きわたる。


これは・・・間違いない・・・!


俺の中の仮説は確信へと変わった。


グリムは鎌を槍を構え俺に突き刺そうとしたが・・・。


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、ランスモデル、起動」


ランスモデルの攻撃も面白いようにグリムに効果抜群だった。


グリムの体をランスで突き刺し、そのまま壁に突き飛ばした。


「スピアモデルじゃなくても大丈夫か・・・ノア! コイツは今持っている武器が弱点なんだ。! 鎌を使えば鎌で! 槍なら槍系の武器が効く!!」


「な・・・なんだそりゃ」


「ゲームみたいなもんだよ、弱点わかるまでは強いけど弱点さえわかっちゃえば簡単〜みたいな・・・ってゲームそんなにしないか」


「・・・相手の特性に合わせ的確にモデルチェンジを行う判断力・・・って事か」


「・・・まだ行けそう?ノア」


「コイツにはお礼したい事が山程ある、付き合わせろ」


ノアはスマートフォンを再び取り出し、メルトポータルの装着ボタンをタップした。


「装着」


「Installation completed

メルトアーマー、起動」


スタンバイスロットのスマートフォンを装填し、メルトアーマーノア デフォルトモデルを装着した。


グリムは自らの黒い体を白色に切り替えた。


どうやら・・・奴も本気らしい。


グリムはそのまま槍をハンマーに切り替えた。


「行くぞ登!!」


「ああ、行こう!」


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、ハンマーモデル、起動」


ノアはすぐにハンマーモデルを装着し、グリムに近づいた。


グリムはすぐにハンマーをダガーに作り変えた。


「くっ!」


ノアの巨大なハンマーを小さいダガーで防いだ。


だが・・・


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、ダガーモデル、起動」


「おらあああ!!」


俺は咄嗟にダガーモデルに変更し、グリムの腕を切り落とした。


再び溶けたメルトが辺りに飛び散る。


しかし傷は再生し、今度は弓矢を装備したグリムがノアをにらみ、矢をチャージを開始した。


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、アローモデル、起動」


グリムから黄緑に発光する弓がノア目掛けて発射されたが、ノアは身をかがめる事で回避した。


「今度はこっちだ!!」


逆にかがめた状態で矢をチャージしていたノアはグリム目掛けて矢を発射する。


グリムの顔に命中した。


グリムは次に鎌を生成し再びノアに接近し首を落とそうとしたが・・・


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、シックルモデル、起動」


「それは対策済みだ!!」


俺はシックルモデルにモデルチェンジし、鍔迫り合いになる形で間一髪のところでノアの首を守った。


グリムはすぐに鎌をチェーンソーに変更し、今度は俺を切り刻もうと降りかかる、が。


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、チェンソーモデル、起動」


「悪い、私もそれ持ってるんだ」 


メルトアーマーノア チェンソーモデルがグリムの腕を再び切り落とした。


グリムは再び腕を生成したが・・・


「遅くなってんな、作るの」


「このまま切り続ければ・・・!」


グリムはチェンソーを再び溶かし、銃・・・スナイパーライフルのような武器に切り替えた。


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、マスケットガンモデル、起動」

「Reload

Installation completed

メルトアーマー、テイザーガンモデル、起動」


俺とノアはグリム目掛け一切に銃を発射した。


だが、グリムは全くダメージを受けなかった。


「コイツ・・・スナイパーライフルじゃなきゃ効かないのか!?」


グリムの周辺に、6本のスナイパーライフルが生成された。


生成されたライフルは宙を舞い、俺達含むメルトアーマー6人を一斉に狙いに定めた。


グリムは青白く発光を始めた。


マズイ。


これは前回・・・奴がギガファイナルを使用した時と同じ現象だ。


俺は急いでスナイパーライフルモデルを購入しようとスマートフォンをタップした。


買えたとしても間に合うかは微妙・・・


だかやるしか・・・!!


その時、一つの発砲音が鳴り響いた。


瞬間、グリムの頭が弾け飛んだ。


間髪入れずに、発砲音は止まらず次々に攻撃を続けた。


「大丈夫ですか!!登さん!!」


後ろから、スナイパーライフルを抱えた1人のメルトアーマーが現れた。


このメルトアーマーは・・・メルトアーマーエニシ・・・!!


「エルか!?どうしてここに!?」


俺は思わず問いかける。


「撃ちに来たんです。あの時出来なかった分を」


「・・・そっか」


グリムは色を赤色に変え、今度はライフルを巨大なメリケンサックに変えた・・・


「・・・勇気借りるよ」


エルはボソりと呟いた。


「Reload

Installation completed

メルトアーマー、ナックルモデル、起動」


「ナックル、ギガファイナル!」


エニシはナックルモデルにモデルチェンジし、すぐにギガファイナルを使用した。


「はああああ!!」


エニシのパンチはアッパーとしてグリムの顎に直撃した。


グリムは大きく吹き飛ばされた、がすぐにグローブをヌンチャクに作り変え、フルスイングがエニシに直撃した。


「グッ!!!」


鈍い音と共にエニシは大きく吹き飛ばされた。


グリムはそれに追い打ちをかけようとするが・・・


「ヌンチャク、ギガファイナル!」


周辺で戦いを見ていた4人のメルトアーマーの1人がヌンチャクモデルにモデルチェンジし、思いっきりグリムを殴りつけた。


「グルああたあ!!」


グリムは再びガトリングを生成したが・・・


「「Reload

Installation completed

メルトアーマー、ガトリングモデル、起動」」


周辺にいた二人のメルトアーマー。


ガトリングモデルにチェンジし、弾丸がグリムを襲った。


あちこち破損していたグリムは再び自らを再生成しようとしたが・・・


再生成が行われてる事はなかった。


「どうやら、打ち止めらしいな」


「ぐらあああああ!!」


グリムは持っていたガトリングを2本の剣に作り変えた・・・


「ふっ!」


ノアは思わず笑ってしまっていた。


「お前・・・それは駄目だよ・・・悪手だよそれは・・・登!!」


「ああ、行こう!!」


「「Reload

Installation completed

メルトアーマー、ソードモデル、起動」」


ソードモデル 2人。


俺とノアはソードモデルにモデルチェンジした。


「「ソード、ギガファイナル!」」


スマートフォンをソードに装填し2本のソードはほぼ同じタイミングで発光した。


メルトアーマーの制限を全て取り払い加速力、攻撃力に全振りするギガファイナル。


まさに切り札と名付けるに相応しい技だ。


そのギガファイナルの同時使用・・・レギュラスがどうなるかは簡単に想像出来る。


「おりゃああああ!!!」


俺とノアは奴が振るう剣を全て回避し、力の限り奴の体を叩き切った。


側から見れば、敵を斬るというよりダンスに見えるかもしれない。


俺は一糸乱れぬ攻撃をノアと共に叩き込んだ。


「散々世話になったな!!!!お礼はするぜ!!!」


「俺は・・・お前を絶対に許さない!!」


「登!!合わせろ!!」


「了解!!」


「はああああああ・・・」


俺とノアは思い切り剣を振りかぶった。


「これで・・・」


「終わり!!!!」


同時に、奴の体を貫いた。


「グルアアイアアヤァあああア・・・」


奇声・・・とも言い難い叫び声をグリムは上げた。


そしてグリムは・・・ゆっくりと静かになり、溶けていった・・・


そして最後には、他のレギュラス同様、奴も溶けたメルトになり地面に吸い込まれていった・・・。


そして、空のレギュラスカウンターがまた一つ数字を減らした。


・・・苦労の割に呆気ない終わり方で俺は思わず腰を付いた。


周りににたメルトアーマーも、そのあっけなさに困惑していた。


そして・・・息の上がったノアも俺の隣に座った・・・。


「・・・なんか、勝ってみれば一瞬だな」


「そうだな・・・あっそうだ、一つ良い?」


「・・・なんだ?」


「・・・明日の夜空いてる?家でしゃぶしゃぶ食べるんだけど、一緒にどう?」


「・・・そりゃあ、良いな・・・お腹空いてないけど・・・って今言う事か?」


「なんか・・・他にタイミングわかんなくて」


「・・・」


「・・・」


「・・・、で、しゃぶしゃぶって旨いのか?」


「え・・・もしかして・・・しゃぶしゃぶ初見?」


「うん」


「・・・そっか」


息が上がっていて考えがまとまらない。


とりあえず、そっかで流した。

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