通り雨、灰空に
氷のような冷たさが背筋に走る
通り雨が上がるのを待つ目に
今もなお燃え上がる恒久的な焔
命の恵みはしかし自然を救わず
人の熱を完全に冷ますことも無い
灰の雲の下で共に寝泊まる誰かは
明日に居る保証も共に生きる価値も無い
雨の日はただ雨が降るのみ
眠気まなこを擦る暇も無ければ
譫言を呟く余裕の欠片も無い
焔は目の前にまでは迫らない
人の醜さを望まれている
冷え切った体躯を決して解かさず
風に流れた雨を頭に叩きつけられ
焔を超える冷気に蝕まれても
雨上がりの空は動くことを強制する