東京
レビュー執筆日:2022/9/14
●ポップで熱いロックバンド、SUPER BEAVERに幸あれ。
【収録曲】
1.スペシャル
2.人間
3.名前を呼ぶよ
4.ふらり
5.愛しい人
6.VS.
7.それっぽいふたり
8.318
9.未来の話をしよう
10.東京
11.ロマン
12.最前線
SUPER BEAVERのメジャー復帰2作目となるアルバム。シンプルなロックサウンドとボーカリスト・渋谷龍太の口から朗々と紡がれる熱くてメッセージ性の強い歌詞は相変わらずといった感じでしょうか。ただ、「熱い」と一口に言っても、強気なフレーズで押していくという雰囲気ではなく、「丁寧に 真面目に 踠くのが 人間」(人間)や「なりふり構ってしまう それを まさか弱さなんて 思わないで」(ふらり)、「それぞれに頑張って また会おう」(ロマン)のように、聴く人の背中をそっと押すようなものがメインといった感じで、前作と比べるとより表現に「深み」が増したように思えました。
メロディに関しては、これまた前作と同様にJ-POP的な分かりやすい旋律が中心といった印象を受けます。決して勢い任せにならずに丁寧に綴っていく点は好感が持てますが、全体的に見ると「メロディセンスが卓越している」というほどでもなく、言葉にすると難しいのですが、個人的にはもっと「突き抜けた」ポップネスを見せて欲しいところもありました。
もっとも、全編サビのような構成の『最前線』のようにインパクト抜群のメロディで埋め尽くされた曲もあり、そういう感じの曲が増えていけば今後「傑作」が生まれてきそうな予感がします(前作のレビューでも似たようなことを書きましたが)。そんな彼らに期待を込めつつ、このレビューを締めさせていただきます。
評価:★★★★




