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気難しい蓮田さん  作者: 長い月
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春が来た、転校生も来た

冬の厳しい寒さもとっくに終わり春の暖かさに満ちた4月。

今日は始業式だ。


小学校を卒業し環境が変わる中学生。

この新しい環境で頑張れるだろうか。いや、がんばろう。

友達も沢山作って素敵な中学生活を送るんだ。


・・・なんてことを1年前の私は考えていた。

それから1年。友達なんて片手で数えられるほどしかいないし、定期試験では追試ギリギリ。日々部活と勉強に追われて過労死寸前だぞ。

人によっては学校は勉強する場所。それにちゃんと部活もしてるのだったら立派に青春してるじゃないかと言うかもしれないが私には辛さしかないのだ。きゃぱおーばーなのだ。

そして来年には高校入試。先生からも親からも勉強勉強とうるさく言われるのだろう。高校入試が終わってもまた勉強。そして就職して働くのだろうか。私が働いている姿なんか想像もできないが。

春休み明けの憂鬱さからか暗い事しか考えられなかった。


「世界はもっと輝いていると思っていた」


保健室のベットに横になり、薄く汚れた天井を見ながらそんな思いを吐露した。


そう。保健室である。今は始業式の最中だが私は頭痛でこの場所に逃げてきた。実際、頭が痛い気がしたのでこれはサボりではないのだよ。と言い訳してみる。

あーあ、1年前の自分が見たら幻滅だろうな。


廊下で話し声が聞こえる。この声は保健室の先生と私のクラスの担任か。今は始業式中だが私の様子を見にきたのだろうか。体調悪そうにしてないといけないな。

「新しい生徒さんが来るのって来週からですっけ」

保健室の先生がそう担任に問いかける。

新しい生徒?もしかして転校生が来るのだろうか。

「ええ、来週からです。部活も吹奏楽部に入りたいらしくて今から楽しみだそうですよ」

まじか。本当に転校生が来るのか。しかも吹奏楽部は私が入っている部活だ。正直楽しいより練習が辛いという感想しか出てこないが転校生はやっていけるだろうか。いやそんな事は私が考えることではないか。


転校生が来るという非日常感が私の変わらないと思っていた日常の彩度を少し上げた。






















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