モブの扱いが雑すぎると思うんだけど
灰色の化け物...
灰色の人型を見て、私は悲しそうな顔をした
【少しお話しただけなのに...】
あっ、あれ人か!!化け物じゃなかった!
てかモブキャラの扱い雑だね!?
もう少しなんか...せめて制服ぐらい着せてあげてもいいんじゃないかな...
「そういうのは感心しないな。彼女に至らぬ点があるならアドバイスとして伝えるべきだ」
不意にクラスメイトが声を上げた
「別に、そういうつもりなわけでは...」
「そ、そうよ!ただの世間話ですわ」
動揺しつつ灰色の化け...モブたちが言い返す
「ふんっ。もっとマシな言い訳はなかったのか?」
揺るがないその態度に勝てないと悟ったのか、灰色のモブたちはいそいそと帰り支度を始めた
「くだらないですわ!早く帰りましょ」
「そうね、帰りましょう!」
そう言って灰色のモブ3人は帰って行った
何で灰色なんだろう...
「大丈夫かい?身分を振りかざすなんて、貴族の風上にも置けないな」
そう言って近づいてきた男性は、しっかりとした体つきをしていて、武芸に秀でていそうな雰囲気だった。もちろんキラキラのエフェクトは付いている
「あ、ありがとう...ございます」
「敬語じゃなくていいよ、クラスメイトだろう?」
「う、うん!ありがとう...!」
「どういたしまして。えっと...あああさんだよね?」
くっ、完全に不意打ちだった。名前変えられないのかな、毎回複雑な気分になるのはちょっとなぁ...自業自得だけど。
「覚えててくれたんだね!えっと...ごめんね、私はまだ覚えてなくて...」
「いや、気にしないで。たまたま覚えてただけだから!
えっと、僕はトリス・リーズナーだよ。トリスって呼んでくれ」
「わかったわトリス。私のこともあああって呼んで」
「うん、よろしくあああ」
あああってなんか呼びづらそうだよね(他人事)
「僕は将来魔法騎士になりたいんだ。男爵家の三男だし、家を継ぐことは無理だろうからね。
だから、さっきみたいなのは見過ごせなくて」
聞いてないけど?
いやまぁ、自己紹介してくれないと情報入らないしね、うん、仕方ないか...
「立派だね!」
「いやいや、そんなことないよ」
「すごいよ!私なんて、将来のことはあんまり考えてなくて...
タイムトラベルしてみたりとか魔王を討伐してみたりとか国を消し飛ばしてみたりとか死者蘇生してみたりとかしたけど、イマイチ自分に向いてない気がして...」
急にボケぶっ込んでくるのやめてくれるかな!??
魔王討伐と国の消去が衝撃的すぎてタイムトラベルと死者蘇生は普通だなとか思ってしまったんだけど!?
世界征服できるじゃん...こんなの学園に通わせてる場合じゃないじゃん...
「あぁ、わかるよ。僕もそういう時期があった」
ないよ!?
よくあるよね、みたいな言い方してるけど、そんなん国何個あっても足りないよ!??
「ま、焦る必要はないよ。とりあえず今日は早く帰った方がいいんじゃない?」
「そ、そうだね!今日はありがとう!また明日!」
「うん、また明日ね」
そして私は家に向かったのだが、今度は黒い人型が数人分、私の前に立ちふさがっていた
どこの犯人だよ
某名探偵には出てきません。目も口もない、ただの人型なので