そして話は冒頭に
雑に進めてるおかげでこの作品はちゃんと完結できそう
「今回は魔王じゃないわ」
「ホントね」
しかし2人はそんなにはしゃぐ様子もない
まぁ、元々何かを目的として召喚していたわけではないので、何が出てきても関係ないのだろう
「あの、僕は何故ここにいるのでしょう?」
「私が召喚したからよ」
「なるほど」
それだけで納得してしまった青年は、どうやら普通の人間と呼ぶにはいささか問題がありそうだ
しばらく3人で生活していたある日、ハーナはふと青年に声をかける
「この世界、私たちしかいなくて暇なのよね。何か楽しいことはないかしら?」
「楽しいこと、ですか。それではタイムトラベルなんてどうでしょう?」
「それ楽しいの?」
胡散臭いと言いたげなナターシャに、青年は「ただのタイムトラベルではありません」と語る
「今の記憶を消して、過去の出来事を疑似体験するというものです。記憶を消すことができるなら、性格を変えることもできます!
同じ出来事でも別の選択肢を選べるということですね」
「まぁ、遊びとしては悪くはないかもしれないわ」
「やってみるの?」
「試してみるのはいいかなと思って」
「そう、じゃあ私もやろうかしら」
「わかりました!では早速準備してきますので!」
そう言ってバタバタと自分の部屋へ走って行く青年を見送り、ポツリとナターシャが呟く
「彼、何者なの?」
「わからないけど、困ってるわけでもないからいいのではないかしら?」
「ま、あなたがいいならいいけど」
そして数日後、準備が終わったという青年の元へ2人は向かった
「この魔法陣に乗っていただければ、すぐに体験できます!」
「あなた、魔法使えたの?」
「ここへきてから覚えました!」
「へぇ、そうなのね」
どうでも良いらしいハーナはさっさと魔法陣に乗った
「そういえば、あなた名前は?」
「僕ですか?僕は」
青年が答え終わるより先に、魔法陣が光り出す
「そこにいるとあなたも対象になっちゃうわよ」
「シオン」
「え?」
「僕の名前は詩音ですよ」
「そんなこと言ってる場合じゃ.....」
ナターシャが言い終わる頃には、その場には誰もいなくなっていた
シオンは男の子の名前でした