世界は私を中心に回る
ヒロインの名前がハーナに変わります
いつもと同じ学園だけど、今日はなんだか足取りが軽い
ふと校門のところにハイネ先生を見つけて声をかける
「ハイネ先生おはようございますっ!」
「やぁ、おはよう。ハーナは今日も可愛いね」
「えへへ、ありがとうございます」
(やっぱりハイネ先生かっこいいなぁ。優しいし、いつも気にかけてくれるし)
朝からルンルンで教室に向かうと、私が入ってきたのに気づいたトリスがこっちに近づいてくる
「ハーナ、おはよう!随分機嫌がいいな」
「おはようトリス!えへへ、わかる?」
「...いつもより、かわいい」
「やだもう!///」
(照れ屋さんだけど正義感強いし、何よりイケメンだし!トリスも好きだなぁ)
そうして今日の授業は終わり、教室を出ると私のことを待っていたらしいルイン様が話しかけてきた
「ハーナ、今日はその、大丈夫だったか?」
「はい!ルイン様のおかげで何もなかったですよ!まぁ、でも...」
チラッと目を向ける先には、いつも嫌味を言ってくるクラスメイトがいた
「...やっぱり、彼女だけじゃ解決はしないか」
「いえ、私の問題ですし...これ以上ご迷惑はかけられませんから」
暗い雰囲気になりそうだったので、私は足早にその場を去る
(私のために行動してくれるところと、それを実行できる身分。うーん、ルイン様も本当に優しい)
校門へ向かう間、誰からも足止めを喰らわない
その快適さに喜びを感じながら、私を待っているであろう彼の元へ急ぐ
「クリス様!」
「あぁ、ハーナ。お疲れ」
私を見つけた途端に嬉しそうに笑う彼は本当に愛しい
性格の悪いナターシャから自由にしてあげることができて本当に良かったと思う
「毎日、迎えに来なくてもいいですのに」
「また盗賊に襲われたら嫌だし、それに、俺が会いたいんだ」
「まぁっ!」
(やっぱりクリス様は素敵。非の打ち所がないとは彼のことだわ)
2人で仲良くお喋りしていると、マーカスがため息混じりに迎えにきた
「いつまでもイチャイチャしてないで早く行きますよ!」
「マーカス、いつもお迎えありがとう」
「まぁ、仕事だ...ですし」
「敬語じゃなくてもいいのに」
「クリス王子の婚約者に向かって敬語使わないのはなぁ...」
「あら、使えてないわよ?」
「あーどうか不敬罪にはー」
「俺の前でハーナとイチャイチャするとはいい度胸だな?」
「どこがイチャイチャなんですか。ほら、行きますよ」
ギャーギャー言いながら歩くクリス様とマーカスを後ろから見ながら、私は温かい気持ちになる
(あぁ、みんなに愛されて私は幸せ者だわ!)
だからこの幸せは、私の持てる全てを持って守りきらなければいけないのよ
やだーこのヒロインきらーい