ゲームの終わりは突然に
また短いです
学園内は死屍累々といった有様で、イケメンたちが軒並み倒れているのだが
そのことに対して違和感を感じるような人々はほとんどいなかった
ほとんど、というのは
一部の人間は怪訝な顔をするも周りの様子を見て反応できずにいたからである
たぶん、元々存在しないはずの人たちだったのだろう
まぁ、その結論に至った時にはこの『ゲーム』は終わりを迎えていたのだが。
☆☆☆
「お兄さん!お話があるの!」
「ん?なんだい、シオン」
今思えばこの時に違和感に気付くべきだった
いや、この時に限らず
ケインと会話ができていることを不思議に思うべきだったのだ
「私、学園行くのやめてナターシャと遠くの地で暮らしたいの!」
この場所から離れることができれば、これ以上何かに巻き込まれることはない
ケインが何を企んでいるかわからない以上、下手な様子見は意味がないだろう
「遠くの地...ね。どこに行くんだ?」
シスコンの彼からは考えられない、嘲るような言い方に
私はスッと身構える
何か行動を起こそうとするときはいつもと雰囲気が変わる。今までの法則からしてこれから何かするつもりなのだと思った
いや、間違ってはいなかったのかもしれない
ただ、暴力で解決することはできなかっただけで。
「決めてないけど、とりあえず進んでいけば何かあるかと思って」
「何もないよ」
「え?」
私はその時になってやっと気付いた
ケインの表情は無知な相手を見下す時のそれで
決して今までのような盲信的な感情によるものではないことを
「彼らのこと、みんなバグらせちゃったみたいだし。このゲームも終わりだね」
ケインがそう言い終わる頃には、私の意識は既になくなっていた
「君が君であったなら、世界は滅ばずに済んだのかもしれないのにね」
誰にも届かなかったその言葉の真意は何だったのか
世界が崩壊した今となっては知る意味もないだろう
話の進め方が雑な気はしてる。