逆ハーレムがいいとは限らない
主人公の名前、ホントはリオンにしたかったけど私の名前と被るのでやめた
結局あの場はそのまま解散となった
あのあとマーカスについてケインに詳しく聞いたら、どうやら学園に入る少し前に知り合った友達らしい
仕事の休暇中だとしか聞かされていなかったから、詳しい素性まで知らないようだ
うーん、幼馴染とはちょっと違うね
それで言うならルイン様の方がたぶん幼馴染か。
知りたいことが意外とたくさんあるな!
ハイネ先生が私に目を付けてる理由とか
ルイン様と私の昔話とか
トリスが魔法騎士を目指す理由とか
ケインが何で私といるのかとか
クリス王子が出歩く理由とか
マーカスの素性とか
ナターシャに取り巻きがいない理由とか
うん。
シオンの記憶が戻るまでやることもないし、何か目的があった方がいいよね
というか今更だけど、シオンって名前。なんか男っぽくない?
特に言われたことはないからシオンの記憶の方なのかもしれないけど
...あああと比べたら大したことじゃないな、考えるのはやめてあげよう。ごめんよあああ
☆☆☆
それからしばらく、私なりに探りを入れてみたりはしていたんだけど
ボケが洪水を起こしていて全然会話にならない。
例えばハイネ先生だと
「ハイネ先生!何でそんなに私にばっか話しかけてくるんですか?」
「ふむ。もしシオンちゃんがそう感じるなら、僕は無意識に君を求めているのかもしれないね!」
「いや、そういうのいいんで真面目にお願いします」
「いやいや、僕はいつも真面目だよ?確かに、朝はシオンちゃんが登校する時間に合わせてるし授業中はシオンちゃんしか指さないし休み時間もシオンちゃんに会いに行くし本当なら帰りもシオンちゃんと一緒に帰りたいんだけど仕事があるからシオンちゃんを千里眼で見守ってる。
けど別に、優遇してるつもりはないよ?」
「確信犯!!!!"シオンちゃん"がゲシュタルト崩壊起こしてるんだけど!!!
いやどう見てもストーカーだし、全然気づかなかったけど!?ええ!?イケメンなら何やってもいいの!??」
「はは、イケメンだなんて。...照れるな」
「そこじゃねえよ!?!????」
という感じ。
ルイン様の場合は必ずナターシャが邪魔しにくるし、クリス王子に会うときはマーカスもいるのでカオスなことになる。
トリスはいつも忙しそうにしてるし、ケインはあまり話したがらないから話題にすること自体できていない
するとどうなるか。
話しかけるも目的は達成できず、ひたすらに好感度が上がっていく
そう、意図せず逆ハーレムを作り出していた
ありえない...
私は天然じゃない。鈍感でもない。なのにこうなった。
好感度が上がっていることには気づいていたが、意外と引き際ってのはわからないらしい
10と11は大差なくとも、何度も続ければ数字は上がる。
しかもその数字が目に見えているわけでもないから更にややこしい
...まぁ、その時になったら考えよう
「シオンちゃん、今日も一段とかわいいね」
「あぁ、ハイネ先生。精神に異常があるようなので専門の人に見てもらってください」
「シオン!今日も騎士の訓練があるんだ。見に来てくれないか?」
「トリス、寝言は寝て言え」
「シオン...今日こそは俺と「ルイン!さっき先生が呼んでたわ」」
「いや、先生に呼ばれすぎだろ。ナターシャも、妨害するならルイン様が私に話しかける前に連れてけよ」
「...偶然だな」
「クリス王子、何でここいるんだよ。盗賊が出た時だけにしとけよ」
「シオン、前みたいに遊びに行こうぜ!」
「マーカス、働け」
「愛しのシオン。さぁ家に帰ろう」
「お兄ちゃん、何で迎えきてんの...行きだけって言ってたじゃん」
うん、ダメだ早急に手を打とう
異世界恋愛は逆ハーレム作ってからが本番なので、ヒロイン補正を最大限駆使しました