第十一幕 オルタンシアの街
ハッピーハロウィン!……って、アレ⁉︎((((;゜Д゜))))
(いつのまにか日付変わっている)
一ヶ月以上、投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした!
その後、両親に青年を救うべく其処にあると言う湧き水を入手する為、迷宮へ向かう事を述べた。
すると、父が言葉に出来ぬ声を上げた後、何やらブツブツと呟き始める。
その一方で母の方はと言うと。父の傍で「格好良いわぁ!レィジュ!」と、これまた少々興奮気味で両手を前で組み、目を煌めかせながら言い放つ。
そして我に帰った父が、猛反対しても無駄なのだと察して居られたのか。ならばと「責めて、有能な冒険者に依頼を入れてくれ…」と、片手で目元を押さえながら溜息交じりで告げる。
なるほど…確かに迷宮に対して全く何も知らぬ。
これから向かう迷宮は、難易度の高い場所と聞く。
何も知らずして、無闇な行動を起こす等と、こんなにも愚かな行為は無い。最早、自殺行為に等しい。
ならば此処は、迷宮探索に長けた冒険者の協力を得るのも一興かも知れん。
直ぐ様、父の提案に同意すると、拙者の言葉を聞いた父が胸を撫で下ろす。
◇◇◇
其れから数日後、父が有能な冒険者を依頼の手続きを行ってくれた。
依頼内容は、とある迷宮のにある湧き水の入手と、同行する愛娘の護衛である。
準備を整えた拙者は、迷宮に向かうべく馬車に乗り込み、優雅に目的地へと進んで行く。
ちなみに、今の拙者の身形は動き易い事を熟知して、貴族男子が身に付けている其れに近い格好に、女性冒険者とやらが使う様な胸元までの鎧を身に纏っている。
いつも愛用している乗馬用の衣装でも構わなかったが、母が「折角なのだから新調しましょう!」等と聞かなかった。つまり、この衣装は母が拙者の為にと作らせた物だ。
この衣装を身に纏った時は、母どころかミリー殿や周囲にいた他の女召使達が、揃いも揃って拙者の姿にキャー!キャー!と何故か歓声を上げて騒ぎ立てる中。拙者は、ただ単に苦笑いを浮かべるしかなかった。
馬車の中で、ふとそんな事を思い出していると、気が付けば目的地である"迷宮の街オルタンシア"へと到着していた。
正門を潜り街に入ると、大通りに沿って店が並び建っていた。
先へ進むと中央に見えるは、多くの樹々に囲まれた噴水広場。
そう、此処が依頼の待ち合わせ場所なのだが。
人気の多い場所なだけに、見つけ出すのは一苦労しそうだ。
「あのー…すみません。もしや、フリンデル家の方々でしょうか?」
と思っておったが、よもや向こうの方から声を掛けてきた。
「そうだが…」
「良かった!では改めて自己紹介を。今回依頼を御引き受けました冒険者パーティー"水煉華"のジュニスと申します。職は魔術師で、後衛を担当しております。そして此方は同じパーティーメンバーの…」
「ブ、ブ、ブーケです!その…僭越ながら主に回復等で皆さんのサポート役をさせて頂いておりますぅ…」
ジュニスと名乗る者は、縹色の髪を一束に結び、背丈は若干ではあるが拙者より低く、丸い眼鏡を掛けた穏やかな優男。そして隣には、若草色の服を纏い、藤色の髪を三つ編みにし、耳には花の形した耳飾りをした女が立っており、背丈は大差変わらぬ。
「あぁ、此方こそ宜し――」
おい!貴女が今回の依頼主か?
拙者が自己紹介を始める前に、突然彼らの後ろの方から一人の男が現れ、その者の大声で打ち消されてしまう。
「お前…あれ程『言葉遣いには気を付けろ』と言ったばかりだろうが!未だ分からないのか?」
「チッ…ウッセェなぁ。兄貴は黙ってろ!」
此方に近寄りながら話し掛けて来る。一度ジュニス殿に呼び掛けるが、聞く耳を持たぬまま拙者を目線を向き睨み付ける。
その様子を見たジュニス殿は、眉間に皺を寄せながら額に手を当て、一呼吸した後大きく溜息を吐いた。
先程ジュニス殿を兄貴と呼ぶこの男は、どうやら見聞きする限り兄弟の様だが。
髪は首筋が見えるぐらいに短く、前髪は七対三の割合で分けられ左右の長さが異なっている。片側が斜めに断髪されており、長めの前髪が目を若干隠れている。髪色は、唐紅色の様に真っ赤な髪をしている。前髪が掛かっている方とは反対側の耳元には、羽根の形をした耳飾りが銀色に輝く。
背丈はジュニス殿より頭一つ分飛び抜けている。身長差と鋭い目付き、そして細いながらも鍛えられた身体のせいか圧迫される様な威圧感を感じる。
背に背負われている武器は、斧と槍を合わせた様な形をしている。兄のジュニス殿が後衛との事だから、きっと彼が前衛を担当しているのであろう。
しかし、ここまで対照的な兄弟図もまた珍しい。
正直に申すと全く似ておらぬ。
「で、どうなんだ?」
荒々しくも尋ねられた拙者は、再び自身の自己紹介を申し渡す。
「如何にも…拙者が今回の依頼主をである。レィジュ・フリンデルと申す」
そう答える丁度には、男が拙者の一歩手前まで近寄って来ており、身長差も相俟って拙者を見下す状態で立ち尽くす。
先程のジュニス殿の会話と言い、先の態度と言い。
この男は、貴族に対し礼儀が全く成っておらぬ。
時に、上下関係と言う物は必要とされる事もある。
其れは貴族に於いても平民に於いても。そして、人との関係性の一角として、互いに相応しい必要最小限の礼儀・振舞いを行うもの。其れが"人の世を生きる"と言う事。
どちらか片方のみでは成り立たぬ、故に双方あってこその関係なのだから。
まぁ、しかしこの場合、相手が拙者で無ければ、最悪…即刻切捨てられても可笑しくわ無い。
そう考えていると、目の前に居る男が少し目を細め口角を上げていた。




