進一、異世界を探索する。
進一は緑深い森を探索する。
一旦、放り投げた学生鞄からプロジェクトノートとシャーペンを取りだし、今いる森をマッピンッグしていく。
(ダンジョンが重要な舞台のラノベならマッピンッグはとっても重要だよね!)
太陽の位置を目安にして短時間に森の状況をノートに記録してゆく。
大人三人でヤット抱えられるような巨木。
この巨木を起点にしてマッピンッグにして行けば楽チンだよなと進一は考える。
三角測量するほどの精度は必要ないと思ったので、一定の歩幅をもとにこの森の様子を調べる。
スズランのような白い花が沢山ゆれる群生。
倒れて腐りかけた木に寄生するブナシメジ。
南天みたいな赤い実をつけた樹。
まだ熟れてない青々とした鬼胡桃の樹。
幹に直径30センチほどのサルノコシカケが纏わりつく老木。
いきなり地中から盛り上っている岩盤、そしてその割れ目から湧き出る清冽な裂罅水
(これって鰯……じゃなくって岩清水⛲だよね。ラッキーじゃんね⁉)
ライフラインとして清純な水の確保はとても重要なことである。
裂罅水というのは雪融け水や雨水が地下深くに浸透し、数万年もの後に地表に湧き出る水のことである。
地下深部の地層がフィルターとなって不純物が除去されているためマイルドで非常に綺麗な水質である。るめ
「ぷはーっ‼ この水、めっちゃ美味いじゃん♬」
カロリーナイトでパサパサに口の中が乾燥していた進一は余計に美味しく感じた。
進一は森の中の様子を平板測量してゆく。お
巨木を起点に100メートルほどあらかた測量し終わった進一はあることに気付いた、起点の巨木のなかが空洞であることに。
地面近くから進一の身長(ほぼ150センチ)ほどに縦に裂け目があり、その割れ目からかすかに甘酸っぱい香りがこぼれてくる。
進一は裂け目のいちばん広いところへ頭を潜り込ませようとしたが、割れ目は狭く耳が千切れるような痛みで頭を引き抜いた。あっつ
仕方なく手を突っこむとウロの底にザラザラとした感触があり、それをつかんで取り出してみると幾種類かの木の実だった。
進一が知っているヤマモモ・サルナシ・キイチゴ・ヘビイチゴや名前のであるであるわからない木の実が甘い匂を漂わせている。
「うひょ~ッ! 超ラッキー‼」
進一は何度もつかんで食べた。
(甘くて美味しい✨)
進一は頬をゆるめ空を見上げる。
(しかし、ここってどう考えても異世界だよねぇ~!)
進一が見上げる空にはピーナッツ型の太陽が大地を照らしている。
天文学が趣味の進一の脳裡には【二重連星】の文字が浮かぶ。
(ありきたりなラノベなら月が2つとかで異世界だと説明するんだよね!)
進一が暮らしていた世界では太陽が2つのおおいぬ座のシリウスが有名である。
冬の星座として有名なオリオン座の直ぐ下にあるから分かりやすいのである。
某有名なアニメ映画でも「シリウスに向かって翔べ!」のセリフは圧巻である。
プロットもなく思い付くままテキトーに書いていきます。
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